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ダイソーのLED蛍光灯は、既存の蛍光灯と交換するとフリッカーのようなチカチカした光になってしまします。どうしてそうなってしまうのか調べてみたところ、原因がわかりました。

 回路の確認 

早速分解して回路をみてみます。

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これがLEDドライバー回路のおもて面です。コンデンサとコイルです。トランスっぽく見えるのもコイルでした。

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こちらが裏面です。右側の黒いのがブリッジダイオード、左のがBP9916というICです。データシートによると中国のBright Power SemiconductorのACDC定電流LEDドライバーICでした。データシートの基本回路はこんな感じ。

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こんなシンプルな回路で、コンセントの電気でLEDを光らせられてしまうんですね。すごいなぁ。この回路図を参考に、回路の波形がどうなっているかオシロスコープで見てみました。

 ここで注意 
波形の測定は、各チャンネルが絶縁された特殊なオシロスコープを利用しています。普通のオシロスコープでこのような測定を行うと、マイナス側がすべてショートしてしまい、配線や回路が焼けてしまいます。絶対行わないでください

 直接コンセントにつないだときの波形 

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紫がコンセントから供給された交流波形、黄色が整流後のリップルの乗った波形、青がLEDの電圧です。青の波形が一定なので明るさが変化せず、安定して光っていることがわかります。しかし、よーく見てみると、黄色の整流後の電圧が最も低下しているところ(赤丸のところ)で、LEDの電圧がほんのちょっとだけ低下しています。100Hz周期で目にはわからない程度でとょっとだけチカチカしているのでしょう。


 安定器がある場合の波形 

次に安定器が電源につながっている場合の波形を測定しました。照明の蛍光灯をこのLED蛍光灯に交換し、安定器がそのままの状態と同じです。

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黄色の整流後の波形が大きくうねっています。最低は51Vとさっきより低くなっており、そのタイミングで青のLEDの電圧も5V程度低くなっています。リップルが大きいため、電圧が低下した時にLEDを十分に光らせることができていないようです。しかも50Hz周期なので余計に目につきます。これがチカチカの原因ですね。


 コンデンサーを増やしてみる 

リップルが大きいということは、平滑化のコンデンサーを増やせば改善できると思います。ダイソーの回路は6.6uF(3.3uFが2個並列)なので、あと3.3uF追加してみました。

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黄色のリップルがかなり小さくなり安定しました。リップルの最低電圧は96Vと、青のLEDの電圧の51Vよりもかなり余裕ができました。

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実際のLEDの光も、チラツキなく明るくきれいに光っています。チラツキの原因は、整流回路のコンデンサーの容量不足にありました。6.6uFから10uF程度に容量がアップすれば、安定器があってもチラツキなく光らせられるということです。


 コンデンサーを交換 

原因が分かったので、もともとあった2個の3.3uFのコンデンサーを外して、10uF400Vのコンデンサに交換してみました。

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写真の上にあるが元の3.3uF2個の回路、下がコンデンサを10uF(400V)に交換した回路です。

さてどうでしょうか。光らせてみましょう。

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いいですね。安定器があってもチカチカせず明るく光っています。

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波形も黄色のリップルが小さく安定しています。

ちなみに安定器が無い場合の波形はこうなりました。

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黄色のリップルの最低電圧が93Vになり、青のLEDの電圧よりもかなり余裕があります。これで完全にチラツキ無しですね。


 まとめ 

ダイソーのLED蛍光灯のチラツキの原因は、整流回路のコンデンサーの容量がちょっと足りなかったことにありました。6.6uF(3.3uFが2個並列)から10uFに交換することでチラツキ無く光ったため、3.3uFが2つではなく、せめて4.7uFが2つであったならばよかったのでしょう。

残念ながら、コンデンサの交換をするためには、蛍光灯のピンのところを壊して基板を取り出さないといけません。交換してしまうと蛍光灯の状態に戻すことができないため、チラツキをなくすには照明の安定器をバイパスする工事しかないようです。


 2018.4.6追加 

4.7uFよりも6.8uFがベストなコンデンサでした。詳細は以下の記事をご覧ください。


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