PR 記事には広告が含まれています
スポンサーリンク
Translate

パワーアンプICのNJM2073とHT82V739を比較

スポンサーリンク

FullSizeRender

BTL動作するパワーアンプでお手軽なICとしてNJM2073とHT82V739があります。燃えプロシンセサイザーのスピーカーを鳴らすため、パワーアンプとして比較したので、違いをまとめます。
 BTL動作
スピーカーをドライブする時に、スピーカーの入力端子の片方に信号を入力し、もう片方をGNDに接続して音を鳴らすのがもっともシンプルな方法です。
sp01
この場合、スピーカーを駆動する電圧は、電源電圧が最大となります。アンプICで有名な386アンプはこの方法です。386アンプでスピーカーから比較的大きな音を鳴らす場合、9Vくらいの電源が必要です。
電源電圧を上げずに、もっと大きな音を鳴らす方法があります。スピーカーのマイナスの端子をグランドに接続せずに、音声信号の極性を反転させた逆位相でドライブするようにします。
sp02
こうすることで、スピーカーは普通にドライブする時と比べ、2倍の振幅でドライブすることができ、より大きな音を出すことができます。これがBTL動作です。3Vの電池でも結構大きな音を出すことができます。
この動作ができるシンプルなアンプのICとして、NJM2073とHT82V739があります。
 NJM2073
スクリーンショット 2019-01-28 10.05.21
パワーアンプが2チャンネル入ったICで、別々に使えばステレオアンプになり、2つを組み合わせるとBTL動作させることができます。
スクリーンショット 2019-01-28 10.07.38
 音を鳴らしてみた感想
  • ゲインが100倍あるため音源を1/10〜1/100しないと音が割れる
  • サーというホワイトノイズが聞こえる
  • 入力にDCカットのコンデンサが不要
  • 電源に100uFくらいの電解コンデンサが必要。結構電源電圧が変動する。
ゲインが高いせいかもしれませんが、ボリュームを絞ってもサーというノイズがスピーカーから聞こえます。またボリュームで元の信号を相当小さく絞らないと、音が割れてしまいました。
アンプのネガティブピンにコンデンサが接続してあるので、電源電圧ほどの直流が載っていない限り、入力信号をDCカットするためのコンデンサが不要です。
 HT82V739
スクリーンショット 2019-01-28 10.16.46
もともとBTL動作を目的としたパワーアンプICです。
スクリーンショット 2019-01-28 10.19.04
 音を鳴らしてみた感想
  • サーというホワイトノイズがほとんど無い
  • NJM2073よりも大きな音がなる
  • 音源直結だと割れるがそれなりに聞くことができる
  • 電源に100uFくらいの電解コンデンサが必要。最大音量だとかなり電源電圧が変動する。
ゲインが10倍ということもあり、サーというホワイトノイズはほとんどありません。NJM2073よりもガンガン音がなる感じです。そのため電源電圧もガンガン変動します。直流カットのためNJM2073は10uFの電解コンデンサがネガティブピンに必要でしたが、こちらは信号に1uFのコンデンサで良いので省スペースですね。
 燃えプロシンセサイザーのアンプ回路
sp03
色々実験した結果、このようにしました。
  • 入力のDCカットコンデンサC3を1uF→0.1uF
  • VREFのコンデンサC1を1uF→0.1uF
  • 電源のバイパスコンデンサC2を47uF→100uF
燃えプロの音声ICの出力ピンは、音声再生中はDCレベルが2Vくらいなのですが、再生が終わると5V近くまで上昇します。再生開始時には5V→2Vと変化してから音声が再生されるため、C3が大きいとこの変化に追従できず、音声が割れてしまいました。C3を0.1uFと小さくしたところ、うまく追従して音割れは防げました。低域がカットされるため音質が悪くなるかなと思いましたが、燃えプロの音声を小さなスピーカーで聞くぶんには、それほど影響なさそうです。
VREFのコンデンサC1は、パワーアンプの動作開始時のポップ音を低減するためのものです。常にONしているので、より安価な0.1uFに変更しました。
大きな音で音を鳴らすと、結構電源電圧が変動します。電源に接続している電解コンデンサは47uFでは心もとない感じがしたので、100uFにしました。
これで、燃えプロシンセサイザーの回路が一通り決定しました。次は基板化したいと思います。
こちらの記事の内容がキットになりました!!作ってみたい方はこちら↓↓をクリック