電子ペーパーの電源回路を作っています

電子ペーパー実験セットでも使っている、5インチの電子ペーパーED050SC3や、6インチのED060SC4は、電子ペーパーを表示させるために正の電圧から負の電圧まで5種類の電圧が必要です。しかも起動時とスリープ時に、それらの電圧を決まった順番にONしたりOFFしていかなければなりません。

ED050SC3のデータシートをみると、その順番が書いてあって、以下の図のようになっています。ED060SC4のデータシートにも同じように書いてあります。

さらに、上記の他にVCOMという端子もあります。このピンには動作時には-1.0〜-2.5Vの範囲の負の電圧を印加します。この電圧は電子ペーパーのパネルごとに合った電圧にするようですが、経験的には電圧を変えても表示される画像に変化はありませんでした。特徴的なのは、このピンをスリープ時にはハイインピーダンスにする必要があることです。ハイインピーダンスにしないと、電源OFF後に画面がだんだんと灰色へと変色してしまいます。

以上のような電源制御のため電子ペーパー実験セットでは、正負出力のあるDCDCコンバータICとMOS-FET、トランジスタなどを、うまく使ってそれなりに電源を制御して、電子ペーパーを駆動していました。電源系の詳しくはこちらの記事をご覧ください。

DCDC Pwoer block for the EPD project
Hi. Today I would share the DCDC powerconverter block of the EPD project. ED050SC3 heeds many voltages power sources+...

ED050SC3を使っている楽天kobo miniブックリーダーの、実際の電源制御波形はこちらで見ることができます。

kobo mini電子ペーパーの電圧を測定しました
こんにちはコハペペです。前回はkobo miniの電子ペーパーのプロトコルが測定できるようにテストピンを用意しました。今回はオシロスコープで電源ピンの波形をみてみました。ED050SC3の電源ピンはVNEG,VPOS,VSS,VDD,VCO...

電子ペーパー専用の電源ICを使う

そんな複雑な回路にしなくても、複数の電圧を決まった順番に制御できる電子ペーパー専用のDCDCコンバータICを見つけました。TIのTPS65185です。

TPS65185の機能

3V〜6Vの単一電源電圧から、-22V,+20V,+15V,-15V,VCOMの電圧を生成してくれます。

しかも、こんな感じに各電圧を順番にONやOFFしてくれます。

VCOMは、内部のレジスタによって電圧が調整できるようになっています。出力はもちろんスリープ時にハイインピーダンスになります。キックバック電圧測定(Kickback Voltage Measurement)というパネルごとに違うVCOMの電圧を、自動計測する機能もあります。

またスリープ後は、各電源出力が0Vになるようディスチャージする機能もあります。電源出力には平滑用のコンデンサをつけるため、出力がOFFしてもコンデンサに電気が残ってしまいます。すると、電子ペーパーの電源ピンに意図しない電圧が残り、スリープ後に電子ペーパーの画像が変色してしまう場合があります。そのため、出力ピンがOFFした後に、そのピンの電気を強制放電する機能が付いています。TPS65185とほぼ同じ電子ペーパー専用の電源ICでTPS65186というのがあります。こちらにはディスチャージの機能がありません。経験的にはディスチャージしなくても、これまで画像に影響があったことはありませんが、あった方がいいでしょう。

基板を作ってみる

TPS65185は0.4mmピッチの表面実装ICで、しかも背面に放熱用のパッドがあるために、変換基板やユニバーサル基板を使った手半田での実装や配線がほぼ不可能です。そこで、専用基板を設計することにしました。

回路図

データシートにある標準回路をそのまま流用しました。

DCDCコンバータなので、電流のリターンパスを考慮して配線をしていきます。

SeeedStudioに、できたガーバーデータで基板とステンシルの発注します。3週間くらいで基板とステンシルが到着。

いつものホットプレートリフローで実装していきます。ホットプレートを使ったリフローの方法は、こちらを参考にしてください。

ステンシルとホットプレートで簡単リフローの方法
オリジナルの表面実装基板が、簡単にできる方法をご紹介します。 用意するもの ○ ホットプレート  アビテラックス 電気ミニプレート グリル鍋 レッド/ブラック APN-16G-R アビテラックス ...

クリーム半田の印刷

同じ基板をこんな感じに配置して固定します。

ステンシルにクリーム半田を載せて、クレジットカードなど(私はマルツの会員カード)を使って塗りつけます。

いい感じに印刷できました。次に部品を載せていきます。

それほど部品点数は多くないですが、結構時間がかかりました。

ホットプレートリフロー

温度測定用の基板が1枚+2枚同時にホットプレートでリフローしました。ホットプレートにアルミ板を敷いたので、ムラなく均一に加熱されていい感じです。

アルミ板で均一にリフローできるようになりました
ホットプレートで基板のリフローをしています。ホットプレートでリフローする方法はこちらをご覧ください。  ステンシルとホットプレートで簡単リフローの方法 うちのホットプレートは、底の形状が平らではなく、中心が少し盛...

実装完了

ICにブリッジがないか、ルーペで確認して実装作業完了です。

果たして動作するでしょうか。つづく

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