ファミコンカセットの簡単な殻割り方法と、ICの取り外し方のご紹介です。燃えプロ(燃えろプロ野球)のカセットを例に、カセットの分解と、音声合成ICuPD7756Cを取り外していきます。
殻割り
使う道具は、細いマイナスドライバーだけです。
左右の爪を外す
カセットの表面が上を向くように置きます。そして、ファミコンに刺さる方の横にある隙間に、マイナスドライバーを差し込みます。
ドライバーを写真のように、刺さった部分を回転中心として、ドライバーの持つ部分を上に持ち上げます。パキッと右側の爪が外れます。
同様に左側も、ドライバーを差し込み、ドライバーを持ち上げます。これで左側の爪も外れます。
上部の爪を外す
カセットの上部にある穴にマイナスドライバーを差し込んで、先端を回転中心として、ドライバーの持つ部分を持ち上げます。穴の横にある爪が外れます。
同様にもう片方の穴にドライバーを差し込んで、ドライバーの持つ部分を持ち上げます。
殻割り完了
マイナスドライバー1本で、簡単にファミコンカセットが分解できました。
ICの取り外し
ハンダゴテを使って取り外してもいいのですが、両面基板は半田を取り除くのが難しいので、ヒートガンを使って簡単に取り外してみたいと思います。
ヒートガンで加熱し取り外し
ヒートガンはこちらを使っています。先が細くなるアタッチメントが付いている物が便利です。
ヒートガンに一番細いノズルのアタッチメントを取り付けておきます。
基板を机にクランプを使って固定し、ヒートガンで加熱します。
ヒートガンには「弱」と「強」がありますが、弱で十分です。3,4cmくらいの距離でICの足がまんべんなく加熱するよう動かします。だいたい20秒ほどで半田が溶けました。昔の鉛半田なので融点が低く、溶けやすいようです。
ヒートガンの熱は、弱でもとても強力なので、基板を素手で持っていると熱風で必ず火傷します。絶対、基板を手に持って加熱しないでください。
20秒ほど加熱したら、マイナスドライバーを基板とICの間に差し込んで、ICを抜きます。ドライバーを大きく動かすと、足が曲がってしまうので、少しづつ動かしながら差し込んでいく感じで、取り外していきます。
無事に取外せました。
半田を除去
取り外したICには、半田が付いています。このままではICソケットや基板に差し込めないので、半田を除去します。
半田を除去するには半田吸い取り線を使います。半田吸い取り線は、幅に種類がありますが、これまで半田付けをしてきた感じから、2mmくらいの幅が程よいと思います。
半田吸い取り線の上からハンダゴテを押し当て、3秒くらいすると、ICの足についている半田が溶け、吸い取り線に吸い込まれていきます。
これを全てのピンで行い、ICの足を綺麗にします。
ファミコンのカセットから、ICを取り外すことができました。
動作チェック
取り外したICが動作するか燃えプロ シンセサイザーキットで動作チェックしてみます。
ソケットに、取り外したICを挿して、音声が再生させるかテストします。今回取り外したICは全てちゃんと動作しました。
燃えプロ シンセサイザーキットに付属の音声合成ICは、全て実機で動作チェックをしています。
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