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ファミコン(前期型)をFCAVでビデオ出力に改造する方法

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for English ver.

前期型のファミコンを、ビデオ出力に改造する方法です。キット版の方は、この改造をする前に、ビデオ基板の組み立てが必要です。まだの方はこちらを参考に組み立ててください。現在は組み立て済みです。

2021.5.1追加 モノラル音声となりますが、はんだ付け初心者でも超簡単に改造できる方法はこちらです。

追加終わり

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作業に必要な工具

改造に必要な工具です。

  • プラスのドライバー
  • はんだごて
  • はんだ
  • はんだ吸い取り線
  • 刃こぼれのない先の細いニッパ
  • セロハンテープ または ポリイミドテープ

はんだ吸い取り線は、こんな感じの物です。

ニッパは、これがいい感じでした。ニッパの刃を閉じた時に先端に隙間がある場合には、刃こぼれによって完全に切断できず、作業が難しくなる場合があります。うまく切れなければ新調することをお勧めします。

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ファミコン基板の取り出し

裏蓋を開ける

ファミコン本体を裏返し、6カ所のネジを外すと、裏蓋が外れます。

コネクタの取り外し

コントローラとつながっているコネクタを取り外します。

基板の取り出し

RF基板4カ所とファミコンメイン基板4ヶ所のネジを外します。

スイッチ配線の取り外し

RF基板に、赤と白のスイッチにつながるケーブルがはんだで接続されているので、これを取り外します。

はんだ吸い取り線を使って、はんだを除去します。

RF基板の分離

ファミコンのメイン基板と、RF基板を分離します。メイン基板側のケーブルで切断します。

ニッパで切っていきます。

切断後に残っているワイヤを、はんだごてで取り除きます。(難しければそのまま残しておいてもOK)

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ファミコン基板の改造

コンデンサの追加

ファミコンの映像には、メモリアクセスによって発生しているノイズが混入してしまっています。昔のRF接続(アンテナ線に接続する方法)の場合には、RFによる映像の劣化から、このノイズはあまり目立ちませんでした。しかし、今回のビデオ回路に改造すると映像が綺麗になることから、今まで目立たなかったノイズが、よく目立つようになってしまいます。

そこで、なるべくメモリアクセスのノイズが混入しないように、対策をします。その対策として2つあります。

  1. コンデンサを追加して、電源の電圧の変動を抑える
  2. 映像出力ピンから、直接信号を取り出す

です。

まずは、ノイズ対策1のコンデンサの追加を行います。

1つめ

写真のこの場所に1つ目のコンデンサを取り付けます。

余分な足をニッパで切断します。

2つめ

写真の矢印の先どうしをコンデンサで接続します。周辺の銀色のはんだに、コンデンサの足が触れないよう、コンデンサの形状を変形させて、取り付けてください。難しいようでしたら、この2つめのコンデンサは取り付けなくても大丈夫です。

こんな感じにコンデンサを取り付けます。

ICピンの切断

ノイズ対策の2つめです。ビデオ、オーディオの信号は、ファミコンのメイン基板の中を通ることで、その配線の近くを通る配線で発生するメモリアクセスによるノイズが混入してしまいます。ビデオ映像の場合には縦縞や斜め縞状のノイズが入り、オーディオ信号にはブーという音が混入しまいます。

綺麗な映像、クリーンなオーディオ信号にするために、これらノイズが極力混入しないよう、ICの各出力ピンから直接信号を取り出すよう改造を行います。

ICのピンの基板側を切断し、基板から切り離します。ICのパッケージ側ではなく、基板側を切り離すことに注意してください。

また、切り離した足は、水平より上向きに折り曲げてしまうと、金属疲労によって取れてしまうので、無理に大きく曲げないようご注意ください。

ビデオ信号

RP2C02というICの左上の角のピンを、基板から切り離します。

ニッパの刃の平らな面を下向きにして、ICのピンとピンの間に刃先を突っ込んで、切断します。刃こぼれがあると、うまく切れませんが、ねじったり無理に動かすと、基板やICのピンにダメージを与えてしまいます。なるべく動かさず慎重に切断しましょう。

切断したら、ピンを水平に持ち上げます。これ以上、上向きに持ち上げないでくださいね。

オーディオ信号

RP2A03のICの左下の角の2つのピンを、基板から切り離します。

1ピンずつ丁寧に、基板側を切断していきます。

2つのピン共に基板から切り離したら、それらのピンを水平に持ち上げてください。水平以上、上に向けないでくださいね。

シールド線の準備

ビデオ信号用

細い線と、太い線の2本のシールド線が同梱されています。ビデオ信号には細い方(1芯タイプ)を使います。

シールド線の先端の黒い被覆を10mm剥きます。その中の白い被覆を5mm向きます。それぞれの線をねじってから、はんだを染み込ませてはんだメッキします。

もう一方も加工します。こちらは、シールド部分の線は不要なので、根元からカットします。白い線は、はんだメッキ後に、3mmくらいにカットしておきます。

オーディオ信号用

太い方のシールド線(2芯タイプ)を加工します。先ほどの同じ要領です。

片方の黒い被覆を10mm剥きます。その中の、白と黒の線の被覆を5mm剥きます。それぞれの線をねじって、はんだメッキします。

もう片方も黒い被覆を10mm剥いて、中の白と黒の線の被覆を5mm剥きます。それぞれの線をねじって、はんだメッキします。外側のシールド線は不要なので、根元からカットしておきます。

白と黒の線は、3mmくらいに短くカットします。

これでケーブルの加工は完了です。

ビデオ基板に配線

ビデオ基板と、ファミコン本体のICのピンとを、先ほど加工したシールド線で接続します。

ビデオ信号

ビデオ信号用の細い方のケーブルを使います。このケーブルの、白い線とシールド線の2本を、ビデオ基板にはんだ付けします。白い線を「VIDEO」に、シード線をGNDに差し込み、はんだ付けします。

ファミコン本体基板の、1ピンだけ切り離したICのピンに、もう一方の白い線を半田付けします。

ケーブルが動かないように、セロハンテープでICに固定します。これは、ケースに基板を戻す際にケーブルに力がかかり、ピンが曲がったり取れたりしないようにするためです。写真ではセロハンテープの貼り方が見えるように、ポリイミドテープを使っています。

オーディオ信号

オーディオ信号用の太い方のケーブルを使います。白い線を「A#1」に、シード線をGNDに、黒い線を「A#2」に差し込み、はんだ付けします。

もう一方の線を、ファミコン本体基板の切り離したICの2つのピンに、半田付けします。端っこのピンが白、2つめのピンに黒い線をはんだ付けします。

ケーブルが動かないように、下の写真のようにセロハンテープでケーブルをICの上に固定します。

電源スイッチ

本体の電源スイッチがつながっている、赤と白のケーブルをビデオ基板に取り付けます。穴の左側が赤、右側を白にします。

シールド線の接続は以上です。

ビデオ基板は、こんな感じになります。

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基板をケースに収める

基板を収納

ファミコン本体基板をケースに先に戻します。

次いでビデオ基板を収めます。

ファミコンコントローラを収めます。

8か所のネジを締めて、各基板を固定します。

ファミコン基板とビデオ基板を配線

ファミコン本体基板とビデオ基板とを、ジャンパー線(キット版は抵抗の足、完成版は付属のはんだメッキ線)で接続します。

写真のように、「AUDIO」と「+5V」の真ん中、「GND」の3本を、ファミコン本体基板に接続します。

間違えて隣のピンに接続しないよう、写真と同じように接続しているか、よくチェックしてくださいね。

コネクタを接続

コントローラのコネクタを、ファミコン本体のコネクタに接続します。

ケーブル類を収納

写真のようのケーブルを取り回して収めます。

ビデオ基板から出たシールド線は、ケースの左上、右上にあるネジ穴を迂回して、メイン基板の上を通るようにします。ネジ穴を迂回しないと、カセットを取り出す際にケーブルに引っかかってしまいます。

また、青いカードリッジコネクタの上を通すと、蓋がしまらなくなるので、ファミコンのメイン基板の上を通してください。メイン基板の上でテープで固定するといいでしょう。

裏蓋をねじ止め

裏蓋をしてネジを締めます。

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改造完了

ビデオケーブルを接続し、テレビに映るのを確認すれば、改造完了です。上記の写真は、キャプチャケーブルで映像をパソコンに映しています。