5M160 CPLDをターゲットにプログラムを書いたところ、最終的に小さい回路規模で済んでしまうことがあります。この場合、より回路規模の小さい5M80(5M160の半分)や5M40(5M160の1/4)に交換することで、部品のコストを下げることができます。
今回は、以前作った5M160の評価ボードに、5M80と5M40を載せて、より回路規模の小さいCPLD評価ボードを作ってみたいと思います。
ちなみに、以前作った5M160の評価ボードについては、こちらに詳しく書いてあります。
はんだを印刷
基板の周辺に、同じ厚みの基板を配置します。これは、基板にステンシルを載せたときに、ステンシルが平らになるようにするためです。
ステンシルの奥に、はんだペーストを載せます。
はんだペーストは、常温で保存できる「CHIPQUIK TS391LT50」です。使いたいときにすぐ使えてとても便利です。
クレジットカードなどのカードを使って、はんだペーストを手前にスライドさせながら、基板にはんだペーストを印刷します。
0.4mmピッチの細いパッドにも、きれいにはんだペーストが載っています。「CHIPQUIK TS391LT50」は、ステンシルからの抜けがよく、粒度も細かいために、こういった狭ピッチのパッドにもきれいに印刷できます。
部品を実装
電動バキュームピック HAKKO 394で部品を載せていきます。
電動バキュームピックを使ってしまうと、便利すぎてピンセットには戻れません。
片方の基板には5M80を、もう片方の基板には5M40を載せました。ピンコンパチなので、5M160と同じ基板が使えます。
リフロー
テスコムのコンベクションオーブンでリフローします。120度3分、140度1分、160度1分と変えていくと、低温鉛フリーハンだに適した温度プロファイルでリフローできます。
リフローできました。デジタル顕微鏡でCPLDのリードを見てみましょう。
はんだボールはほとんどなく、とてもきれいにリフローされています。
基板のチェックに使っている、デジタル顕微鏡の詳細はこちらです。
HDMI出力がメインの出力方法ですが、USB出力もついています。USBを使うと、パソコンからはUSBカメラとして認識されるので、普通のパソコンでも、MacBookでも表示することができます。
評価ボード完成
JTAGコネクタを取り付けて、評価ボード完成です。これで、5M80と5M40の実験ができます。
テストプログラムを実行してみる
ピンから入ったノイズ信号をカウントして、4つのLEDを往復するような光をプログラムしてみます。評価ボードにはクロック発生器が無いので、ピンに混入するノイズをクロック源にしようと思います。入力ピンはシュミットトリガがいいようです。
JTAGでつなぐと、5M40と正常にCPLDが認識されました。ここにプログラムを書き込んでみます。
入力ピンにジャンパーワイヤーをつなぐと、LEDが光りました!
5M40も5M80もどちらも正常に動作しました。
しかしながら、5M40って回路規模がとても小さいですね。このプログラムだけで30%くらい消費してしまっています。簡単な回路か、相当プログラムを工夫する必要がありますね。
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