スマホ用のリングライト
スマホで撮影するときに、スマホに挟んで使うことのできるリングライトを買いました。
スマホで撮影すると、手前側がちょっと暗くなるので、このような照明があると綺麗に撮影ができるようになります。
ちょっと青い
一般的にそうですが、安くて白いLEDライトはちょっと青味がかかっています。ホワイトバランスを調整すればいいのですが、部屋の撮影用高演色コーンライトとは色がちょっと違います。
撮影用の高演色コーンライトについてはこちらです。
部屋のコーンライトにホワイトバランスを合わせると、この照明はちょっと青く、この照明にホワイトバランスを合わせると、部屋のライトがちょっと黄色くなってしまいます。
そこで、このリングライトのLEDを、高演色の白色LEDに交換したいと思います。
まずは分解
チップLEDのサイズを調べる
表面の乳白色のカバーを外すと、リング状の基板にチップLEDが載っているのが見えます。サイズから2835サイズのチップLEDのようです。
高演色チップLEDを探す
いろいろ探した結果、Digikeyで「JE2835AWT-00-0000-000A0UF957E」という型番の、CRIが90以上のチップLEDを見つけました。色温度は5700Kです。
1個だと高いですが、10個以上買うと半額以下になります。
リングライトのLEDを、このチップLEDに交換したいと思います。
LEDを取り外す
基板を取り外す
本体から、リングライトの基板を取り外します。
ヒートガンで加熱
LEDの直下をヒートガンで加熱してはんだを溶かし、チップLEDを外していきます。
ヒートガンは「弱」で、細いノズルから基板まの距離は6〜7cmくらいにして、10秒ほど加熱すると、はんだが溶けました。最初は距離が3cmくらいだったので、基板がちょっと焦げてしまいました。
LEDが全て取れて、基板だけになりました。
高演色LEDを実装
はんだペーストガンではんだを載せる
はんだペーストを、はんだペーストガンを使って、パッドに載せていきます。30個LEDがあるので、60カ所のパッドに、ちょっとだけはんだペーストを載せます。
超便利なはんだペーストガンについては、こちらにまとめてあります。
部品を載せる
極性に気をつけながら、チップLEDを基板に載せていきます。私はピンセットではなく電動バキュームピックを使っています。
これも超便利です。詳しくはこちらをご覧ください。
コンベクションオーブンでリフロー
温風で加熱してくれる、コンベクションオーブンでこんがり焼き上げます。熱風があるおかげで、温度ムラなく均一に加熱することができます。
最初は100度で2分ほど、次に140度で2分ほど、最後に160度で1分ほど焼くと、低温鉛フリーはんだに丁度いい温度プロフィルとなります。
実装完了
高演色チップLEDに載せ換えができました。
組み立て
本体の配線と基板とを接続して、元に戻していきます。
スイッチを入れると、明るくLEDが光りました。でも白ではなく、ちょっと電球色な感じです。実装したチップLEDはパワーLEDで、本来LED1個あたり150mAくらい流す必要があります。150mAくらい電流を流すと5700Kの色になるのでしょうが、このリングライトは1個当たりの電流が少ないために、電球色っぽくなってしまっているのだと思います。
比較
同じホワイトバランスの設定で、オリジナルと高演色LEDに改造後とで色鉛筆を撮影をしたので、比較してみます。
オリジナル
高演色LED改造後
劇的に違うかと思ったのですが、この2枚を比べると、赤っぽい色で、ちょっと違いがありますね。写真は撮っていないのですが、高演色LEDの場合は、人の肌はとても生き生きした色に映ります。
高演色LED化改造は成功です
ちょっと青味があって、あまり出番が少なかったリングライトですが、色が良くなりこれからは出番が増えそうです。
コメント
すごいこんなことが可能なのですねー