この記事は、PCBWayのPCB Design Tutorialに寄稿した内容を日本語化した物です。
ステンシル
表面実装部品を基板に実装する前に、基板のパッドにはんだペーストを印刷する必要があります。はんだペーストを印刷する時に、版として使うのが、薄いステンレスでできたステンシルです。
ステンシルプリンターを持っていない場合、基板のパッドとステンシルの穴の位置が正しいか、基板とステンシルをよく見ながら位置合わせをします。そして、テープでステンシルを固定します。
1.27mmピッチや0.8mmピッチのICでは、この方法でも位置合わせができますが、0.5mmピッチや0.4mmピッチといった狭いピッチのパッドの場合、この位置合わせはとても難しくなります。
ピンを使った位置合わせ
直径の測定
そこで、ピンを使った簡単な位置合わせの方法をご紹介します。
ピンの直径を測ります。私のピンは直径0.9mmでした。
ライブラリの作成
KiCadのフットプリントエディタでピンを刺すための穴のライブラリを作ります。
パッドを1つ配置します。ダブルクリックしてプロパティを開きます。
- Hole size X: Pin diameter + 0.1mm
- Size X: Pin diameter + 0.1mm
- Check F.Paste
Click [Local Clearance and Setting] Tab
- Solder mask clearance: 1mm
- Click[OK]
フットプリントを保存します。
直径1mmの穴と、その上に直径1mmのソルダーマスクの穴が開く、ライブラリが完成しました。
基板の四隅に配置
捨て基板の四隅に、先ほど作ったフットプリントを配置します。
基板の四隅に穴が空きました。ガーバーデータも見てみましょう。
こちらがドリルデータです。四隅に穴が開いていることが確認できます。
こちらがSolderMaskです。ステンシルに穴が開くことが確認できました。
注文
PCBWayで基板と一緒にステンシルの注文も行います。
- Stencil type: Non-framework
- Existing fiducials; Lasered through
違う製造メーカーでLasered throughを指定しなかった時に、ステンシルに穴が開かなかったので、確実に穴が開くように、Lasered throughを指定しています。
ステンシルのサイズも大きいと取り扱いが不便なので、基板サイズが10cmx10cmの場合、ステンシルを15cmx15cmにカットすると作業がしやすいです。
はんだペーストの印刷
基板とステンシルが届いたら、基板の四隅に穴が開いているか、確認しましょう。
はんだペーストを印刷する準備をします。
段ボールを下に敷いて、ターゲットの基板の周辺に、ターゲットの基板と同じ厚みの基板を配置します。
ステンシルを上に乗せて、ピンで固定します。
ピンを刺すことで、基板のパッドとステンシルの穴が完璧に位置合わせできます。
プラスチックでできたクレジットカードや会員証なので、はんだペーストを印刷します。
中央は0.4mmピッチのパッケージですが、完璧な位置にはんだが印刷されています。
実装とリフロー
あとは部品を実装して、
オーブンでリフローすれば、
実装された基板の完成です。
はんだペーストが正確な位置に印刷されているので、とても綺麗にリフローができます。
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