DPS605Uに大きな負荷をつないで実験したところ、結構リップルノイズが載っていました。レビューと負荷実験についてはこちらをご覧ください。
この中華製安定化電源DPS605Uを改造し、ほぼリップルがなくなったので、その方法を紹介したいと思います。
DPS605Uのリップルノイズ
以前の実験で、白熱電球を負荷にした時のリップルノイズは以下のようになっていました。
- 1A負荷時:20mV
- 1.5A負荷時:100m
- 2.0A負荷時:100mV
- 2.5A負荷時:200mV
- 2.8A(最大)負荷時:3.6V
2.5A以上流すとリップルがかなり増大し、最大で3.6Vにもなっていました。観測したリップルノイズは100Hzの周波数なので、商用電源の50Hzを全波整流した波形と同じです。
以前、ダイソーのLED蛍光灯のチラチラ問題(現在の商品では対策済み)の時もそうだったのですが、入力のコンデンサの容量不足の可能性もあります。
そこで、中華製安定化電源DPS605Uも、入力のコンデンサの容量を増やした場合に、リップルが減るのか試してみることにしました。
電源の改造
分解
ケースを開けてみます。左下に見える2個のコンデンサが、100Vを全波整流した電気を平滑化する入力段のコンデンサです。
200V 680uFと書いてあります。このコンデンサに別のコンデンサを並列に接続して、容量を増やしてみようと思います。
この基板の裏はこうなっています。左上のコンデンサのはんだのところに、コンデンサを増設します。
コンデンサの購入
Amazonでぴったりのコンデンサが、安価に売っていました。松下製の200V 680uFの電解コンデンサです。
このコンデンサに、なるべく太いケーブルをはんだ付けします。
コンデンサの増設
電源基板の背面のコンデンサのパッドに、購入したコンデンサを接続します。極性を間違えないように気をつけます。これで、容量が2倍になりました。
電源を入れてみました。正常に起動しました。さて、効果はどうでしょうか。
負荷実験
前回と同じように白熱電球を負荷にして電気を流してみます。
1.5A負荷の時は、リップルは44mVになりました。
2Aの負荷の時は28mVになりました。
2.5Aの負荷の時は64mVになりました。
この負荷最大の電流、2.8Aの時は24mVとなりました。
まとめると
- 1.5A負荷時:100mV → 44mV
- 2.0A負荷時:100mV → 28mV
- 2.5A負荷時:200mV → 64mV
- 2.8A(最大)負荷時:3.6V → 24mV
と、劇的に改善しました。100Hzのリップルノイズは、数10mVしかありません。高周波のノイズは変化はありませんが、商用電源由来のノイズはとても小さくなりました。これで、高負荷時にもリップルノイズを気にせずに使うことができます。
この電源自体、電源としてはとても安価なので、安価な電源が安価に性能の良い電源になってしまいました。とてもよい買い物をしました。
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