FCAVを使って、ファミコンを超簡単にビデオ出力に改造する方法をご紹介します。
FCAVは、本来の改造方法の場合、ファミコン固有の縦縞ノイズを極力軽減したり、ナチュラルステレオサウンドで楽しめたりするというメリットがあるのですが、改造がちょっと難しい場合があります。そこで、縦縞ノイズはそこそこ軽減し、音声は元々と同じモノラルとなりますが、はんだ付け初心者でもできる、簡単な改造方法をご紹介します。
本来の改造方法はこちらです。
作業に必要な工具
改造に必要な工具です。
- プラスのドライバー
- はんだごて
- はんだ
- はんだ吸い取り線(なくても良い)
- ファミコン(前期型)
はんだ吸い取り線は、こんな感じの物です。
前期型のファミコン
ファミコンには、前期型と後期型の2つのタイプがあります。ここでご紹介する改造は、前期型を対象にしています。前期型と後期型の見分け方は、カセットを差し込むコネクタを見るとわかります。コネクタが青ければ、前期型。銀色の金属で囲われていれば後期型になります。
その他、前期型と後期型の詳しい見分け方は、こちらをご覧ください。
ファミコン基板の取り出し
裏蓋を開ける
ファミコン本体を裏返し、6カ所のネジを外すと、裏蓋が外れます。
コネクタの取り外し
コントローラとつながっているコネクタを取り外します。
基板の取り出し
RF基板4カ所とファミコンメイン基板4ヶ所のネジを外します。
スイッチ配線の取り外し
RF基板に、赤と白のスイッチにつながるケーブルがはんだで接続されているので、これを取り外します。
はんだ吸い取り線を使って、はんだを除去します。はんだ吸い取り線を使わなくても、外れればOKです。
スイッチが取り外せました。
スイッチの取り付け
FCAVの基板の「SWITCH」というところに、先ほど取り外したスイッチのケーブルをはんだ付けします。
RF基板の分離
ファミコンのメイン基板と、RF基板を分離します。メイン基板側のケーブルで切断します。
ニッパで切っていきます。
切断後に残っているワイヤを、はんだごてで取り除きます。(難しければそのまま残しておいてもOK)
ファミコン基板の改造
コンデンサの追加
ファミコンの映像には、メモリアクセスによって発生しているノイズが混入してしまっています。これが縦縞ノイズとなります。昔のRF接続(アンテナ線に接続する方法)の場合には、RFによる映像の劣化から、このノイズはあまり目立ちませんでした。しかし、今回のビデオ回路に改造すると映像が綺麗になることから、今まで目立たなかったノイズが、よく目立つようになってしまいます。
そこで、なるべくメモリアクセスのノイズが混入しないように、コンデンサを2つ追加して、電源の電圧の変動を抑え、縦縞ノイズを軽減させます。
1つめ
写真のこの場所に1つ目のコンデンサを取り付けます。
余分な足をニッパで切断します。
2つめ
写真の矢印の先どうしをコンデンサで接続します。周辺の銀色のはんだに、コンデンサの足が触れないよう、コンデンサの形状を変形させて、取り付けてください。難しいようでしたら、この2つめのコンデンサは取り付けなくても大丈夫です。
こんな感じにコンデンサを取り付けます。
FCAVと配線
ファミコンのメイン基板と、FCAVをケースに納めます。メイン基板は元あった場所に、FCAVはRF基板があった場所にセットします。
丸で囲んだ部分に、付属のはんだメッキ線で配線します。
左から5本だけ、写真のように接続します。
元に戻す
それぞれの基板をねじ止めします。
コントローラのコネクタを、基板に差し込みます。
裏蓋をかぶせて、ねじ止めします。
改造完了
ビデオケーブルを接続し、テレビに映るのを確認すれば、改造完了です。上記の写真は、キャプチャケーブルで映像をパソコンに映しています。
昔の、懐かしいゲームが楽しめるようになりました。
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