Canon Canola L1211
1970年代、日本は電卓の性能と価格で各企業が競って開発を行っていました。表示器にニキシー管が使われていた時代から、蛍光表示管が開発されるまでの1,2年の間だけ生産された、オレンジ色の表示器が特徴のCanola L1211です。
かなり古い機種だけあって、表示はできますが、まともに計算ができません。
電源を入れるとランダムな数字が表示されます。
クリアボタンを押すと、000000000と表示されて、キーの入力を受け付けません。計算用のICが暴走しているようです。
中を見てみる
こちらが、Canola1211の内部です。左側がメイン基板、右側がキーボードです。
見たところ、寿命がありそうな部品は電解コンデンサーくらいのようです。
右手前側に3つ。
左手前側に3つ。
電源と思われる左奥のところに4つです。
秋月電子で、容量は同じで、耐圧が元よりも高く、耐熱性能が105度のコンデンサーを購入しました。
手前側のコンデンサーの交換開始
まずは、電源側ではなく、手前側のコンデンサを交換してみることにします。
10uF 25V
25Vがなかったので50Vを使います。
0.47uF 50V
電解コンデンサがなかったので、セラミックコンデンサに交換します。セラミックでこの容量を実現できるなんて、昔からしたら物凄い進歩でしょうね。
4.7uF 25V
105度品がなかったので、200Vとちょっと高い電圧のコンデンサになってしまいました。
交換した結果
こちらが交換した後の手前右側の様子です。今風のコンデンサに交換されました。
こちらが、手前左側の様子です。
電源を入れてみる
試しに、この交換だけで電源を入れてみます。
症状変わらずでした。0000000となってしまいます。手前側の電解コンデンサは、正常だったのかもしれません。
電源側のコンデンサの交換
この左奥の電源と思われる、電解コンデンサを交換してみます。
470uF 35V
このコンデンサは接着剤で固定されていました。
同容量、同耐圧ですが、かなり小型化されています。
4.7uF 160V
同容量で400V耐圧の物に交換します。
4.7uF 250V
こちらも、同容量で400V耐圧の物に交換します。
交換できました
全体的に、コンデンサが小さくなりました。
直ったかな?
スイッチオン!おおおおお。キー入力を受け付けてくれます。数字が入力でき、計算もできます。
これは、直ったかな?
しかし、1分程操作していると、暴走してしまいます。うーん。なんでしょうね。
電解コンデンサは正常
古い電解コンデンサが容量抜けしていないか、テスターで全てチェックしましたが、全て規程の容量以上ありました。
電解コンデンサが劣化しているというわけではなかったようです。
暴走の原因はわかりませんでした。
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