NixieDCDCはニキシー管を点灯させるために必要な、175V程度を5Vから生成するDCDCコンバータモジュールです。
最近在庫が減ってきたので、ちょこっと生産しました。
はんだペーストの印刷
こちらが、まだ部品を実装していない基板です。この基板にはんだペーストを印刷して、部品を実装していきます。まずは、はんだペーストの印刷から。
ダンボールの上に基板を置きます。
基板の上にステンシルを置いて、四隅に開けておいた穴に画鋲をさします。これにより、基板のパッドとステンシルの穴の位置が、ぴったり合います。とても便利な方法です。この基板データの作り方は、こちらを参照ください。
はんだペーストは、クリーム状になったはんだです。私は、低温で溶ける低融点鉛フリーはんだペーストを使っています。
低融点のはんだペーストを使うことで、一般的なオーブンでも短時間に確実にリフローすることができます。
はんだペーストをステンシルの奥に載せます。
不要になった会員証やクレジットカードなどを使って、はんだペーストを手前に引き寄せながら、印刷していきます。
画鋲を使った位置決めのおかげて、ぴったりの場所にはんだペーストが印刷できました。
部品の実装
はんだペーストが印刷できたので、部品を載せていきます。一般的にはピンセットを使うのですが、私は電動バキュームピック(吸着ピンセット) HAKKO 394を使っています。
バキュームピックは掃除機のように、空気で部品を吸い付けることができます。ピンセットのように部品を摘む必要がないので、とても簡単に部品を取って所定の場所に配置することができます。
また、テープから直接部品を吸着させることで、常に同じ向きに部品を吸着させることができます。ダイオードやトランジスタ、ICなど、極性のある部品の場合に、一つ一つ毎回、方向を確認したり合わせたりする必要がないので、非常に便利です。一度、この便利な体験をしてしまうと、ピンセットには絶対戻れません。
もちろん、スイッチやコネクタなど、吸着することができない部品もあるので、その場合はピンセットを使います。その場合は、ピンセットはピンセットでも、逆作用ピンセットという物を使っています。
このピンセットは、摘むと離すが逆になっていて、部品を摘むために先端を開く際に力を入れます。力を抜くと先端が閉まって部品を摘みます。部品の移動中に、力を入れておく必要がないので、部品の移動中に手先がプルプルして力を入れ過ぎ、部品が吹っ飛んでいくという悲しいことが起きません。
電動バキュームピックはちょっと高いなという方には、逆作用ピンセットおすすめです。
電動バキュームピックのおかげで、短時間に部品の実装が完了しました。
リフロー
熱風で庫内を加熱する、コンベクションオーブン テスコムTSF601でリフローします。リフローは、はんだペーストを加熱して溶かし、部品を基板にくっつけます。
オーブンの中にK型熱電対温度計を入れています。
この温度計を見ながら、はんだペーストの温度プロファイルに合うように、徐々に庫内の温度を上げていきます。私の使っているコンベクションオーブンは、加熱の途中でも温度を変更することができます。コンベクションオーブンによっては、加熱の途中で温度設定を変更できない物もあるので、選択の際には気をつけてください。
約10分でリフローの完了です。扇風機で風を送って冷却します。
リフローが完了し、基板が完成しました。
動作チェック
正常に昇圧動作をするか、1つ1つチェックしていきます。全て正常に動作しました。
袋詰め
基板をモジュールごとに分割して、付属のピンヘッダと一緒に袋詰めして生産完了です。品切れしそうだったNixieDCDCが補充できました。
コメント