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感動!!しなるパテナイフを使ってファミコンコンローラーUSB化改造基板を組み立てました

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JLCPCBから基板が届いたので、早速組み立てす。今回は以前から気になっていたパテナイフで、はんだペースト(クリームはんだ)を印刷して見ます。

JLCPCBへのファミコンコンローラーのUSB化基板を発注した前回の記事はこちらです。

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届いた基板を見てみる

注文して10日くらいで基板が到着しました。左が基板で、右がメタルマスクです。

今回の基板にはボタンがあるので、金属の表面が酸化しないように、金メッキにしてあります。金メッキってとっても綺麗ですね。

こちらはメタルマスクです。とても綺麗です。

特に注目するところが、ここの部分です。ここはちょっと大きなチップコンデンサが実装される場所です。ノッチがあります。

KiCadで作ったガーバーデータには、そのようなノッチはありません。

ノッチの入ったメタルマスクではんだペーストを印刷すると、上の写真のようになります。ノッチがある部分だけはんだペーストがありません。このような形状になることによって、リフローしたときに溶けたはんだペーストが矢印の方向へ流れ、部品がパッドの中心へ移動して、正しい向きになるよう力が働きます。ノッチが無くても同様なことが起こるのですが、大きな部品の場合、パッドが大きいために、はんだペーストが多め気味になり、リフロー中に部品が氷の上を滑るように、変な方向を向いてしまうことがたまにあります。

このノッチのあるおかげで、そういったはんだ不良を軽減することができます。他の基板製造メーカーでは、このようなノッチが追加されることはありません。私はJPCPCBのとてもいいサービスだと思っています。

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とても気になっていたアイテム

こちらが、とても気になっていたアイテムのです。それは、パテナイフ(Putty Knife)です。

しかもこのパテナイフは、このように力をかけると金属板が曲がってしなります。普通は硬くて絶対曲がったりはしません。

今まで、はんだペーストを印刷するときには、使用済みのクレジットカードなどのプラスチックのカードを使用してきました。


6 Pcs Putty Knives Set Scraper Blade Kit with Anti-slip Plastic Handle DIY Tool

もっと綺麗に印刷できるスキージがないかとずっと探していたところ、たまたまAliexpressの商品一覧の中に上の写真を見つけました。この器具はPutty Knifeという物でした。パテナイフを日本のネットショップで探してみましたが、上のように曲がる物はあまり見つけられませんでした。

即この商品を購入ました。今回これを使ってみようと思います。

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はんだペーストの印刷

それでは作業を開始ます。厚めのダンボールの上に基板を乗せます。

メタルマスクを上に乗せて、基板とメタルマスクに開けておいた穴に画鋲を刺して、基板とメタルマスクの位置合わせをします。この画鋲を使った位置合わせのデータの作り方は、こちらをご覧ください。

メタルマスクの奥側に、はんだペースト(クリームはんだ)を乗せます。

かなり金属板をしならせて、はんだペーストを印刷してみます。

力加減がわからずはんだペーストの厚みが変動し、ちょっと厚くなり過ぎる部分もできてしました。

力加減を色々調整しながら印刷していると、上の写真のようにあまり寝かせず、45度くらいの傾きで、金属板を少ししならせる感じで印刷すると、とても綺麗に印刷できることがわかりました。

メタルマスクにはんだペーストが全く残らない力加減で、手間へスライドするのがコツです。

クレジットカードの場合、板の左右のテンションに差が発生しやすく、はんだペーストの厚みにムラができことがありました。それに比べて、ステンレスのパテナイフは全く性能が違います。左右どこの場所でも同じテンションがかかり、メタルマスクの表面のはんだペーストを綺麗に削ぎ取ってくれます。そのため、ハンダペーストの厚みにムラができません。クレジットカードよりも簡単に綺麗に印刷することができました。

はんだペーストがカックカクに、均一な厚みで印刷できます。これは素晴らしい物を手に入れました。


6 Pcs Putty Knives Set Scraper Blade Kit with Anti-slip Plastic Handle DIY Tool

しかも、6種類の幅のパテナイフがセットになっていて、基板の幅に合わせて使い分けができます。今回はその中の78mm幅の物を使いました。

全ての基板に、はんだペーストの印刷が完了しました。

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部品の実装

部品を実装していきます。私はピンセットは使わずに、掃除機のように部品を吸いつけて、目的の場所で離すことができる、電動バキュームピック 吸着ピンセット HAKKO394を使っています。

ピンセットでチップ部品を実装する場合は、テープから部品を取り出してから、ピンセットで摘みます。テープから部品を取り出すと、上の写真のように裏向きになる部品もあります。そのため、全ての部品の表面を表に向ける作業が必要となります。

ところが、電動バキュームピック 吸着ピンセットはテープから直接吸着することができるので、常に表面を上にした状態で吸着することができます。裏返ってしまった部品を、1つ1つ表になるようにひっくり返す手間がないんです。

テープから直接吸着することで、別のメリットもあります。上の写真のように極性のある部品の場合、部品は常に同じ向きにテープの中に収納されています。

そのため、テープに収納された部品の向きと、実装する基板の向きを予め合わせておくことで、吸着した向きのまま、実装することができます。

部品の向きを確認したり、実装場所に合わせて部品の向きを変えたりといった作業が不要になります。

電動バキュームピックを使うことで、ピンセットで実装していたときに必要としていた

  • 裏返った部品の表面を上にひっくり返す
  • 部品の向き確認する
  • 部品の向きを変える

といった作業が不要になり、実装スピードが格段に速くなります。一度使うと、2度とピンセットには戻れません。ピンセットは改修作業に使う程度になりました。

バキュームピック用ノズル3種類セット | kohacraftのshop
電動バキュームピックHAKKO394の純正よりも使いやすいノズルのセットです

ノズルは純正も売っていますが、こちらがとてもおすすめです。ノズルが短いので位置決めがしやすく、少しだけ太いノズルも入っているので吸着力も純正より強いです。

また、実装しているとノズルの中にはんだペーストが入ってしまいうことがあり、吸着力が激減します。アルコールに浸けるなどして、詰まったノズルが回復できないか試行錯誤したのですが、一度詰まったノズルを回復させることはできませんでした。このためノズルは消耗品扱いのようです。

純正はちょっと高いので使い捨てには抵抗がありますが、こちらは詰まってきたら捨ててもいいと思える値段です。

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リフロー

熱風で庫内を均一に加熱することができる、コンベクションオーブンでリフローします。

オーブンの中にはK型熱電対温度計のセンサーを入れておいて、庫内の温度をモニターしています。

この温度計を見ながら、はんだペーストの温度プロファイルに合わせて、徐々に温度を上げてはんだペーストを溶かしていきます。

今回使ったのは、低温で溶ける低融点鉛フリーはんだペーストです。

低融点鉛フリーはんだペーストの温度プロファイルに合わせ、庫内の温度を

90度➡︎130度➡︎165度

と上げていきます。

リフローが終わったら、扇風機で冷却します。

リフローが完了しました。

パテナイフで均一にはんだペーストを印刷できたので、とても綺麗にリフローができています。しなるパテナイフを買って本当によかったです。


6 Pcs Putty Knives Set Scraper Blade Kit with Anti-slip Plastic Handle DIY Tool

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ファームウェアの書き込み

基板が完成したので、マイコンにプログラムを書き込みます。この基板はArduino互換ボードなので、Arduinoのブートローダと、ゲームパッドとしてのプログラムの両方を書き込む必要があるのですが、ひとまとめにして一気に書き込んでしまいます。

また、今回は純正のAVRISP mkIIではなく、互換品を使ってみます。

というのも、純正品はターゲット基板に電源を供給する機能がなく、別の電源からターゲット基板に電源を供給必要があります。互換品のAVR ISPは簡単な改造で、VCCピンから5Vが出力できるようになります。それはそれで不便な場合もあるのですが、今回のように別途ターゲットへの電源供給がしにくい場合には、書き込みきから電気を供給できるのはとても便利です。AVR ISP互換機の改造方法について、詳しくはこちらをご覧ください。

一般的に、プログラムをダンロードするためには、ボックスコネクタなどを基板に実装しておいて、書き込み機のコネクタを、基板のコネクタに差し込みます。でも、1回しか書き込まないのにコネクタを実装するのは無駄ですし、実装されたコネクタは書き込み後は邪魔です。

そこで、テストピンを使います。テストピンをダウンロードケーブルのコネクタに刺し込み、基板のコネクタのパッドに接触させて接続する方法をとります。

テストピンは、車のダンパーのようにピンの中にバネが入っています。ピンが多少傾いても、パッドから離れることはなく安定した接続状態が保たれます。

テストピンは上の2つの商品を接続して使います。とても便利な器具ですよ。

互換品のAVRISPの場合、AVRISPではなく、STK500V2として利用するようです。macの場合には

avrdude -c stk500v2 -p m32U4 -P /dev/tty.usbserial-14440

で、使えました。

Windowsの場合、互換AVRISPに使われているUSBシリアル変換IC(PL-2303HX)も互換品で、純正のドライバでは互換品を排除するべく対策されており正常に認識されません。その場合には、以下の方法で認識させることができます。

テストピンを基板のピンに押し当てながら、avrdudeでファームウェアを書き込みます。

書き込みが完了しました。

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USBケーブルのはんだ付け

基板が完成したので、あとはUSBケーブルをはんだ付けするだけです。一本一本はんだ付けしていきます。

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動作テスト

実際にパソコンに接続して、正常に動作するか確認します。右下に「FC Pad I」とデバイス名が表示されているので、正常に認識されていることがわかります。また、ボタンも反応しました。

全ての基板をチェックして検査完了です。

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完成!!

ファミコンのコントローラを、USBコントローラに改造するキットが完成しました。

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改造方法

ファミコンコントローラをUSBコントローラに改造するのは、とっても簡単です。

まずはファミコンのIコンの裏蓋のネジを外します。

中に入っている基板を取り除きます。

USB化基板を中に収めます。

裏蓋を閉じてねじ止めします。

たったこれだけで、USBファミコンコントローラになりました。

パソコンのエミュレータで使えるのはもちろん、

レトロフリークでも使えます。

ファミコンコントローラを、USBコントローラに簡単に改造できるキットが完成しました。

ファミコンコントローラUSB化基板はこちらで購入できます。マイクが使えるIIコン用もありますよ。