以前、日立のラインスターの互換品JRCのSEPTANIXという表示装置を使った電卓を購入して、表示の実験しました。今回は違うモデルを買ってみました。
前回購入したのは、Canon Canola L1211という1974年製のモデルでした。
Canola L100A
今回購入したCanon Canola L100Aも、L1211と同じようなオレンジ色の表示装置が付いています。L1211は12桁の計算機でしたが、こちらは10桁の計算機です。一番左はエラーのEが表示されます。
L1211よりもかなりスッキリした本体です。裏には保証書は貼ってあります。1970年代の物のようです。
開けてみる
ネジ4本で簡単に開けられます。L1211よりも組み立てや修理がしやすい構造になっています。
キーボードとは青いコネクタで接続されています。基板がL1211よりも小さくなってスッキリと部品が実装されています。L1211は片面基板でしたが、L100Aはガラスエポキシの両面基板になっています。このため基板が小型化できたのでしょう。
表示器はJRC製のSEPTANIXでした。12桁の表示器の11桁目をテープで隠してあります。
基板とはコネクタで接続されていますが、表示器は金具で基板にねじ止めされています。
この表示器は取り外すのが難しそうです。
テキサスインスツルメンツのTMC1824とTMC1825というLSIと、6248というドライバICでできています。パターンから想像するに、6248が各桁のアノードのドライバで、6249が7セグメントの各セグメント用のドライバでしょう。6249はL1211にも入っていました。
こちらがキーボードです。L1211と同じくリードスイッチと磁石を使ったスイッチとなっています。リードスイッチはチャッタリングが少ないのでしょうかね。
キーボードのカバーに製造時のシールが貼ってありました。昭和47年(1972年)4月19日ABS成形、1972年4月24日接着とあります。
前回実験したL1211は1974年7月17日のシールが貼ってあったので、L1211よりも2年前に作られた計算機となります。L1211よりも洗練された設計なのにもかかわらず、L1211よりも2年も前の物だというのが不思議です。L100AをコストダウンしてL1211ができたのでしょうか?
SAN-EIという名前も気になります。調べてみると、1950年に三栄産業株式会社として操業を開始し1961年にキヤノンの系列会社になり、現在はキヤノン化成株式会社となっています。
三栄産業の成形工場でケースが製造されキヤノンで計算機として組み立てられたのか、もしかするとL1211とは設計部隊が違うのかもしれません。
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