自作した分光器を持って街に出て、屋外にある光る物体のスペクトルを調べてみました。
分光器についてはこちらの記事をご覧ください。
看板
まず出会ったのが、こちらの看板です。矢印のところが赤く点滅しています。
それでは分光器でスペクトルを見てみましょう。
610nmから620nmの間くらいに赤い光があります。このため、この看板のLEDは615nmの光であることがわかります。
交通信号機
次は信号機の光の波長を調べてみましょう。
さて、どんなスペクトルなのでしょうか。
青
500nmよりちょっと短い緑よりやや水色の色の波長にピークがあって、540nmくらいまでの緑色の波長の光がありますね。
黄色
黄色は580nmから590nくらいにピークがありそうです。青色よりもスペクトルの範囲が狭いです。
赤
630nmくらいにピークがあり、600nmくらいまでスペクトルが広がっています。最初に測定した看板の赤よりもスペクトルが広いですね。
鉄道用信号機
同じ信号機でも鉄道用の信号機はどうでしょうか。東京駅の信号機を調べてみます。
青
485nmから495nmの間にピークがあります。交通信号機よりも波長が短いので、水色っぽい色に見えます。
黄色
590nmくらいにピークがあります。交通信号の黄色も同じですが、黄色のスペクトルは青にくべて狭いですね。
赤
640nmにピークがあり、600nmくらいまでスペクトルが広がっています。交通信号機よりもピークの波長が長く、より赤味の強い色になっています。
街灯
続いて街灯や照明を調べてみましょう。
オレンジ色の街灯(水銀灯)
オレンジ色の街灯は、狭い波長の光がたくさん見えました。
440nm,460nmの青色の波長と、490nm,505nmの青緑色、560nmの緑色、575nm,585nmのオレンジ色などがあり、オレンジが特に強く発光しています。
白い街灯(水銀灯)
先ほどのオレンジよりも少ない波長の光で構成されています。
430nmの青色、490nmの水色、540nmの緑色、575nmの黄緑色、590nmのオレンジ色、620nmの赤でした。
緑と黄色の光が強いため、白というよりはやや緑っぽい色の照明になっています。
LED照明
続いてLED照明を調べてみます。LED照明の場合は、これまでの水銀灯の街灯と全く違うスペクトルです。430nmから470nmくらいの青と、500nmから650nmの広いスペクトルを持った2つ広いスペクトルの光になっています。LEDの白は青色と、黄色を中心とした蛍光体を使って、人間の目で見て白い色を実現しています。このため、このような広いスペクトルになっています。
次回は
今回は街に出て光っている物のスペクトルを見てみました。次回は、いろいろなLEDの光のスペクトルを調べてみたいと思います。
2023.07.07 続きは下のリンクへどうぞ
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