太陽光のようなフルスペクトラムの高演色ハイパワーLED用の、比較的簡単に組み立てられるLEDドライバ回路が完成しました。
フルスペクトラムハイパワーLED
一般的な白色LEDや電球色のLEDは、青色のLEDに黄色の蛍光体を塗って、青い光と黄色い光が同時に光るようにし、人の目では白く見えるという仕組みになっています。
それに対して太陽の光は、赤外線から赤、黄色、緑、水色、青、紫外線と、全ての色の光が混ざって白く見えています。
どちらの光も人の目には白く見えます。しかし、その光で物を照らすと、物の色が全く違って見えます。
この違いがよくわかるのが人の肌です。人の肌の下には血管があ理、赤い光を反射します。そのため太陽光や白熱電球が照明の場合には、人の肌は薄いピンクや薄いだいだいの色に見えます。しかし、一般的な白色LEDは青と黄色の色しか発光していないため、血液の赤い成分は反射せず、肌の黄色い色しか反射しません。このため血色が悪いような、くすんだ色の肌に見えてしまいます。
このようなことから、照明に使うような白色LEDは青と黄色だけでなく、赤い光も出るように工夫して演色性を高めています。
そのようなLEDでも、全ての色の光を含んだ太陽光とは違うため、物の色味が若干違ってしまいます。
そこで登場したのがフルスペクトラムLEDです。赤から青まで幅広い色の光が含まれているLEDです。
このLEDは複数の色のLEDチップを一つのパッケージに収めることで、太陽光のように様々な色の光を含む白色光を再現しています。
このLEDを使って部屋の照明を作ったところ、部屋にある全ての物の色が鮮やかに見えて、とても居心地がいい空間となりました。
LEDドライバ基板を作る
フルスペクトラムLEDは、複数の色のLEDチップが直列につながっているためか、電源電圧が38Vと手軽に扱える部品ではありませんでした。そこで、ACアダプタなどで手軽に光らせられるように、昇圧型のLEDドライバを設計してJLCPCBに基板を発注しました。
発注の時の記事はこちらを参照ください。
注文してから10日ほどでJLCPCBから基板が届きました。
LEDドライバICだけはDIP部品がなく、表面実装部品になってしまいましたが、その他はDIP部品で構成してあります。
結構簡単に組み立てられました。
光らせてみる
フルスペクトラムLEDをつないでみます。つないだフルスペクトラムLEDは電球色の3000Kタイプ。出力は5Wです。かなりの熱が出るために大きな放熱板が必要です。
放熱板とLEDとは放熱シリコンで接着しました。
安定化電源を使って24Vを供給してみます。
無事に光りました。扇風機で風を当てないと放熱板がどんどん熱くなってしまいます。写真のサイズでは放熱量が全く足りませんでした。
効率を調べてみる
電源電圧を30Vからどんどん下げて、消費電力を測定します。
LEDドライバの出力電流は150mAで一定です。LEDドライバが出力していた電圧は37.3Vでした。このため、LEDの消費電力は約5.6Wとなります。
16V以下になると、急激に効率が悪化し12Vでは50%程度しかありませんでした。24VのACアダプタで使うのが良さそうです。
フルスペクトラムLEDドライバ完成!
フルスペクトラムパワーLEDを手軽に光らせられる、LEDドライバ回路が完成しました。
キットはこちら👇👇👇で購入できます。
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