太陽電池で発電した電気をためて、ためた電気でLEDを光らせる実験をしてみましょう。
前回の実験はこちらです。
使うもの
- 前回の実験で使った実験装置
- ショットキーバリアダイオード
- スーパーキャパシター
実験じゅんび
赤い線を抜く
太陽電池のプラスの赤い線を、ブレッドボードからぬきます。
スーパーキャパシターをさす
スーパーキャパシター(正式な名前は電気二重層コンデンサといいます)は、電気をためる部品です。普通のコンデンサーよりも1000倍くらい多くの電気をためることができます。今回はこの部品を充電電池の代わりに使います。
この部品には充電電池と同じく、プラスとマイナスがあります。長いリードがプラス、短いリードがマイナスです。
このスーパーキャパシターをLEDと接続して、ためた電気でLEDが光るようにします。
長いリード(プラス)を1cにさし、短いリード(マイナス)を4cにさします。
ショットキーバリアダイオードをさす
ショットキーバリアダイオードはダイオードの仲間で、電気を片方向にしか流さないようにする部品です。
銀色の線のある方から出たリードをカソード、反対側をアノードと呼びます。電気はアノードからカソードへは流れることができますが、カソードからアノードへは流れません。
今回は、蓄電した電気が太陽電池に逆流しないように、太陽電池とスーパーキャパシターの間に接続します。
銀色の線のあるカソードのリードを1eの穴にさします。もう片方のリードを+の穴にさします。
太陽電池の赤い線をさす
ブレッドボードの両サイドにある赤い+と青いーの穴は、これまでと違ってたてにつながっています。
この+の穴のどこでもいいので、太陽電池の赤い線(プラス)をさします。
配線図
今回準備した配線は、上の図のようになっています。
太陽電池で発電した電気は、ショットキーバリアダイオードを通って、スーパーキャパシターとLEDに伝わり、スーパーキャパシターを充電しながらLEDが光ります。
太陽電池が発電しなくなっても、スーパーキャパシターにためた電気でLEDが光ります。
実験
蓄電してみる
実験装置を外へ持ち出して、太陽電池に光を当ててみましょう。
最初はスーパーキャパシターに電気がたまっていないためLEDが光ません。電気がたまるにつれて、LEDがだんだん明るくなっていきます。
しばらく充電し続けると、これ以上明るくならなくなります。蓄電完了です。
太陽電池の上に手を置いて、太陽電池に影を作ってみましょう。
前回の実験では、影を作るとすぐにLED電球が暗くなりました。
今回は太陽電池が発電しなくても、スーパーキャパシターに電気がためてあるので、LEDが暗くなりません。
どのくらい光り続けるかな?
暗い部屋へ持って行ってもLEDは光り続けます。どのくらい長く光り続けるでしょうか。
電気が減っていくと、だんだんLEDは暗くなっていきます。明るさはどう変化するでしょうか。
ショットキーバリアダイオードを使う理由
今回の実験では、スーパーキャパシターにたまった電気が、太陽電池に逆流しないようにショットキーバリアダイオードを入れました。
ショットキーバリアダイオードはダイオードの仲間です。
ダイオードは、p型半導体とn型半導体という2種類の半導体がくっついた構造をしています。
p型半導体からn型半導体へは電気は流れることはできますが、n型からp型へは流れることができません。
太陽電池の構造も実はダイオードと同じです。
p型半導体にn型半導体がくっついています。光が当たって発電しているときは、n型半導体からp型半導体へ流れる電気が発生し、電池のようになります。
ところが暗くなって発電しなくなると、太陽電池がダイオードのようになってしまいます。
もし逆流防止のためのショットキーバリアダイオードがないと、上の図のようになります。
発電しているときは太陽電池から電気が出てきて、スーパーキャパシターを充電することができます。ところが暗くなって発電しなくなると、ためた電気が太陽電池を通って放電してしまいます。
せっかくためた電気を放電させないために、太陽電池とスーパーキャパシターの間に、逆流防止用のショットキーダイオードを入れます。
また、ショットキーダイオードはダイオードの仲間ですが、ダイオードに比べて電気が減りが少ないという特徴があります。具体的には、電気がダイオードを通ると電圧が0.6から1Vくらい下がってしまいますが、ショットキーダイオードは0.3Vくらいと半分以下で済みます。
そうです。ダイオードでも発電できるんですよ。
次は、多少の影があってもLEDの明るさが変化しないよう、電気を安定化させてみましょう。
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