家族が旅行に行くためモバイルバッテリーを探していたら、フリマに強烈なメッセージの書いてあるモバイルバッテリーがあったので買ってみました。
いくぜ、人生。モバイルバッテリー
5個セットで出品されていました。「いくぜ、人生。」何か問題が差し迫り現状を打開しようと、もがいているのでしょうか。それとも一か八かの判断を迫られる状態で、後戻りできない重い決断をしたのでしょうか。
「いくぜ」という言葉は主に男性が使う言葉なので、男性向け商品のノベルティグッツだったのでしょう。女性向けには「いくわ、人生。」と書かれていたのかな。
どちらにせよ、個人的にはあまり良い感じがしません。
電池の容量は4000mAh。1Aまで出力できます。家族が使っているIPhone8のバッテリー容量は1800mAhなので、1回程度充電できそうです。
説明書には充電時間は6時間とあります。また保証期間が2020年1月とあるので、2019年頃に配られたノベルティグッツだったのでしょう。
付属のケーブルが優秀
充電はマイクロUSB、出力はUSB Aコネクタになっています。
付属のケーブルが優秀です。USBから、マイクロUSBとライトニングコネクタの変換ケーブルになっています。
充電の時はUSB-Aを充電器へ、マイクロUSBをバッテリーに接続します。
バッテリーから給電する時にはUSB-Aをバッテリーへ、ライトニングコネクタをIPhoneへ接続します。
付属のケーブル1本で、充電と給電どちらにも対応できます。これは便利ですね。
充電してみる
さて充電してみましょう。さすがに2020年に保証が切れている物だけあって、過放電されていて最初はほとんど電流が流れませんでした。しばらく極弱い電流でリチウムイオン充電電池の最低電圧まで充電して、その後普通の充電が始まります。
半日以上かけて充電が終わりました。供給された電流量は3396mAh。仕様では4000mAhとあるので、3/4しかありません。長期に渡って過放電状態で放置され劣化してしまったのか、元から4000mAhもなかったのでしょう。
IPhoeを充電してみる
バッテリーが0%で起動しない状態のIPhone5Sを充電してみます。バッテリーからは5V、1Aが供給されています。これは仕様通りですね。
モバイルバッテリーの電気が無くなって、充電が止まりました。供給開始から終了までの電流量は1220mAhでした。IPhone5Sは0%から44%まで充電できました。
モバイルバッテリーの充電に使用した電流量は3396mAhでした。バッテリー電圧を3.6Vとするとバッテリーに充電された電力量は3.396[Ah] × 3.6[V] = 12.2[Wh]です。
これに対しバッテリーからIPhoneに供給できた電力量は、5Vで1220mAhなので、1.220[Ah] × 5[V] = 6.1[Wh]。
モバイルバッテリーに充電されたエネルギーの半分が、熱として消えてしまったことになります。
あまり、効率は良くなさそうです。
1800mAhの容量のあるIPhone8を1回も満充電にできませんが、軽くて薄いので非常用としてはこれでいいのかなと思います。
さよなら「いくぜ、人生。」
URLとロゴは仕方ないとしても、「いくぜ、人生。」は個人的には好みではありません。
1500番の紙やすりで優しく擦り落とします。強く擦ると、摩擦で発生した熱によってプラスチックが溶け、インクと混ざって表面が汚れてしまいます。優しく円を描くように擦っていきます。
ほぼ消えました。
IPAで綺麗に拭き取ったら完成です。
ついでにURLも消してしまいましょう。
おおお。普通のモバイルバッテリーっぽくなりました。
ロゴにinsuranceとあるので、保険会社のノベルティだったようです。モバイルバッテリーをノベルティにするなんて太っ腹ですね。
比較してみます。やはり右の方がいいですね。
モバイルバッテリーは3つ必要なので、とりあえず3つだけヤスリがけしました。IPhoneを1回満充電にできないモバイルバッテリーなので、まさに保険的な意味合いで持ち歩くといった使い方ですね。
コメント
計算に用いた電圧が違うのではないでしょうか。
(USB計測器の詳細を把握していないので、的外れかもしれません。そうでしたらごめんなさい)
USBの計測器に表示される値は、USB計測器通過時のものなので、
電圧は約5Vで、そうだとしてざっくり計算すると
バッテリーへ供給したのは4.95v x 3396mAh = 16.8Wh
(ここから、バッテリー内部での電圧変換などの充電ロスA%を経て充電される)
バッテリーに蓄えられた電力は
16.8 x A%
iphoneに充電する際は、バッテリーから供給する時の昇圧ロス、iphone内部での降圧ロスなどがあるので更に少なくなると思われます。
それぞれが60%くらいだと辻褄が合いそうです。
とおりすがりさん ブログを読んで頂きとてもうれしいです。
ご指摘の通り、バッテリーに供給されているのは5Vなので、そのエネルギーが全て電池に充電されると16.8Whとなります。
スマートフォンやノートパソコンなど効率を重視する充電回路は、その考え方が正しいです。
一般に安価な機器の充電ICの場合、充電の際に電源電圧(5V)からバッテリー電圧(3.6〜4.2V)への変換において、
レギュレータICと同様に熱として捨てることによって電圧が調整されます。
おそらくこのモバイルバッテリーも、ノベルティに使われるくらいなので、この方式なのではないかと思っています。
そのため、モバイルバッテリーに5V*1A=5Wを供給したとしても、電池には3.6V*1A=3.6Wのエネルギーしか伝わりません。
このため、今回の実験で充電に使われた電力量は4.95V*3396mAh=16.8Whなのですが、バッテリーの充電に寄与した電力量として3.6V*3396mAh=12.2Whと書いた次第です。
私の説明不足でした。分解するとすぐわかるので、今度このモバイルバッテリーを開けて見てみようと思います。
とおりすがりさん コメントありがとうございます。今後もどうぞよろしくお願いします。