今はもう売っていませんが、以前購入したダイソーのLED蛍光灯を高演色LEDに改造しました。
ダイソーLED蛍光灯
これがダイソーのLED蛍光灯です。550円という破格の安さでした。安いのでこれまでいろいろ改造して遊んできました。


今回は高演色LEDへと改造したいと思います。
分解
ネジを外すと簡単に分解できます。
LED基板から回路の配線を外します。すると放熱板とLED基板に分離できます。
高演色LEDテープ
AliexpressでCRI98+のLEDテープを購入しました。
光らせてみるといい色です。
ダイソーのLED蛍光灯は、LEDが18個直列に接続されているセットが、3本並列に接続されています。
購入したLEDテープは、LEDが6個直列が1セットになっており、それがたくさん並列に接続されています。そのため、6直列のセットを3セット直列に接続すると、ダイソーと同じ18直列のセットができて、それを3本並列にすることで、ダイソーと全く同じ接続のLEDになります。
LEDテープの回路
LEDテープには、LEDと電流制限用の抵抗だけ実装されているのが普通なのですが、このLEDテープはトランジスタらしい部品も実装されています。
よくよく調べてみると、中華製によくあるS8050というNPNトランジスタでした。
回路を調べてみました。
すると定電流回路であることがわかりました。上の回路図の一番左の図で説明します。R2の22Ωに電流が流れて、R2に発生する電圧がトランジスタがONする電圧0.65Vになると、トランジスタQ2がONしてトランジスタQ1のベース電流の一部がQ2を伝ってGNDへ流れます。Q1のベース電流が減少するのでLEDの電流も減少します。
R2の電流が減少してR2の電圧が0.65Vを下回るとトランジスタQ2はOFFして、Q1のベース電流が回復し、LEDの電流が増えます。
要は、電源の電圧が変化しても、R2の電圧が常に0.65VになるようにQ1が電流を流します。0.65V発生するための電流は、
I = E / R = 0.65 / 22 = 0.029 [A] = 29[mA] です。
このため、電源電圧が変動してもLEDには常に29mA程度が流れるようになります。シミュレーションしたのが、上の回路です。左が電源電圧24V、中央が30V、右が50Vです。電圧が大きく変わっているのにもかかわらず電流は29mA程度と一定です。
よくできた回路ですね。
ですが、今回はダイソーのに元からある定電流回路を利用するため、この回路は不要となります。
LEDテープを改造
LEDテープの裏には、両面テープが貼ってありますが、これを剥がします。
LEDテープの幅が、ダイソーのLED基板と同じ幅なため、放熱板の中に入れることができます。しかし、LEDテープの抵抗がアルミでできた放熱板に接触しそうです。
LEDテープの定電流回路は不要なため、抵抗を取り外しポリイミドテープで絶縁します。
さらに、LEDテープの定電流回路をバイパスしてLEDを電源ラインに直結にします。
これで、LED6個直列が3並列になったテープが3本できました。
この3本を直列に接続することで、ダイソーのLED蛍光灯と同じ接続のLEDテープとなります。電源につないで光るかどうかテストしてみました。
蛍光灯に組み立てる
放熱板に改造したLEDテープを挿入して、元の定電流回路と接続します。
コンセントにつなぐと正常に点灯しました。
あとは乳白色のパイプに挿入しネジを締めて改造完了です。
ダイソーのLED蛍光灯が高演色LEDに生まれ変わりました。
どれだけ違うか
左が改造した高演色LED蛍光灯、右が改造前のダイソーLED蛍光灯です。どちらも5000Kなのでほぼ見た目は同じです。
以前作った分光計で、光のスペクトルをみてみます。
虹色の部分が、広く明暗が無い方がより演色性が高まります。下のダイソーは青と緑の境目に暗い部分があります。水色があまり無いということになります。赤も気持ち狭いかもしれません。
同じホワイトバランス(5500K)で撮影した写真です。ダイソーはより黄色っぽいです。
Photoshopでホワイトバランスを補正してみました。高演色LEDの方が、薔薇の色が鮮やかですね。
高演色っていいですね
演色性の高い光の照明は、物が鮮やかに見えたり肌が健康的に見えるので、居心地がいいです。他のダイソーのLED蛍光灯も改造しようと思います。
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