いろいろ問題の見つかったワイヤレススピーカー変換回路ですが、解決策を考えました。
問題点
問題を整理すると
- 電源を入れた時にイヤホンが起動しない
- 電源を切ると接続先を忘れる
- ボリウムの回転方向が普通と逆
電源問題の解決策
1と2の問題を解決するためには、電源が切れていてもBluetoothワイヤレスイヤホンに電気を供給し続ける必要があります。
そして、電源が入った時には、イヤホンの充電端子への電気の供給を停止します。
回路には3つのスイッチが必要です。
SW1:電源スイッチ
SW2:電源スイッチと反対の動作をしてSW1がONならOFFするスイッチ
SW3:電源スイッチに連動してON,OFFするスイッチ
また、イヤホンが接続忘れないように4Vのレギュレーターは常に動作している必要があります。
それでは、SW2とSW3を回路に置き換えます。
スイッチをMOS-FETに置き換えました。
SW2はPMOSを使って、電源が入っていなかったら4Vが出力されます。
SW3は、電源が入ったら4Vが出力されます。
これまでの回路を一旦取り外し、設計した回路を作り込みます。
パタンカットと、MOSFETなどを実装します。
TWS Pro4を接続しました。さてどうでしょう。
電源を入れるとBluetoothイヤホンが自動的に起動し、デバイス名「TWS」が認識されました。
Bluetooth接続で音楽も出ます。
電源を切って、入れ直しても、新しいデバイスではなく、前回接続したデバイスに接続できました。
問題1と2が解決しました。
でも4Vのレギュレータは常に動作し続けてしまいます。どのくらい電流を消費してしまうのか測定してみます。
電源スイッチが切れている時でも、228uA消費しています。ちょっと大きいですね。
もっと消費電流の少ないレギュレータに交換する必要があるでしょう。今回はいいことにします。
新しい基板2つを、電源問題を解決した回路へと改修しました。
ボリウムの回転方向が逆問題の解決策
回路の設計ミスで、ボリウムを右回り(時計の針と同じ方向)に回すと音量が下がってしまいます。普通は逆です。そこで、ボリウムを基板の背面に取り付けることにしました。
こうすると、ボリウムを右回り(時計の針と同じ方向)に回すと音量が上がるようになります。
問題解決
全ての問題を解決できました。もう片方のイヤホンも基板に接続します。
ワイヤレスイヤホンが、ワイヤレスパワーアンプになりました。
ケースの設計
回路ができたので、ケースを作ります。スピーカーボックスと同じサイズの箱にします。
MakeCaseのサイトで、箱の元データを生成してもらいます。
箱の展開図を、SVG形式でダンロードします。
イラストレータで、スイッチの穴やボリウムの穴などを追加して、SVG形式で保存します。
SmartDIYsCreatorに読み込み、カットパラメータを設定します。
レーザーカッターEtcherLasarProで2.5mm厚のMDFをカット。
10分程度で、カットが完了しました。
組み立て
箱の底面に電池ボックスをねじ止めします。
それぞれの板の凸凹を組み合わせて、箱にしていきます。
フロントパネルにスイッチを取り付けて、基板と電池ボックスを配線します。
フロントパネルにボリウムをねじ止めします。
あとは、蓋をするだけです。
箱の底にある電池ボックスに電池を入れます。
電池が入りました。
もう一つも組み立てます。
ついに完成しました
ついに完成しました。Bluetoothワイヤレスイヤホンを使った、Bluetoothワイヤレススピーカーです。
アンプの箱の裏からスピーカーへ配線してあります。
ワイヤレスなので、スピーカーを好きな場所に配置できます。
MacBookでもBluetoothイヤホンの「TWS」を認識できます。
Bluetoothイヤホンと接続できました。
おおおおおお。音楽がスピーカーから出ています。左右が完全に独立した、ワイヤレススピーカーが完成しました。
基板自体は結構小さいので、スピーカーボックスに直接入れてしまっても、いいかもしれませんね。
なかなかいいものができました。
今回使ったBluetoothイヤホンPro4は、スピーカーさえよければ良い音質でした。
これが、$5以下で購入できちゃうなんてすごいですね。
Pro 4 TWS Wireless Earphones Rename Bluetooth 5.0 Mini Earbuds with Charging Case Sports Handsfree Headset for Smart Phones
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