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珍しいフォントのVFD DG12Bの6桁の基板を作っています

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DG12Bを使った時計を作るために、6桁のダイナミック点灯できる基板を作ります。

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回路図

回路はとてもシンプルです。

6桁のVFDの各セグメント同士を接続し、コネクタへ配線します。

6本のVFDのフィラメントを直列に接続します。DG12Bのデータシートによるとフィラメント電圧は0.85Vなので、6本で5.1V。回路に供給する予定の5V電源でフィラメントを駆動しようと思います。

6本の各グリッドをコネクタへ配線します。

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VFDをはんだ付けしやすくしたい

ニキシー管やVFDなどリードの本数が多い部品は、すべてのリードをスルーホールに通すのがとても大変です。

そこで、VFDのフットプリントを、このような形状にしてみました。リードの内側は大きな穴になっています。

3Dビュアーで見てみましょう。VFDは円周状にリードが出ています。基板ではその円の内側が大きな穴になっています。

VFDのリードを全てこの穴に通してから、リードの1本1本を各パッドの穴へスライドさせて入れていきます。

このような仕組みならば、スルーホールに1本ずつリードを入れていくよりも、効率的に実装ができるのではないでしょうか。

6本のDG12Bを並べた基板の設計ができました。

問題は、このようなフットプリントの基板が製造できるのかどうかです。

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PCBWayに発注

これまで他の基板製造会社では作れなかったちょっと複雑な基板でも、ここならば作れたことがあるので、PCBWayに発注してみます。

特に数字を入れず「今すぐお見積もり」をクリックします。

基板のサイズと枚数を設定します。今回の基板のサイズは横99.1mm 縦31.8mmです。10枚製造してもらいます。

基板の色を黒に変更します。

細かいことですが、基板に製造番号が印刷されないようにしたいので、一番下の「追加のPCB製造番号をボードに追加しない」にチェックを入れました。

以上で「カートに追加」をクリックしてカートに入れます。

青い「ガーバーファイルを追加」をクリックしてzipで圧縮したガーバーファイルをアップロードします。アップロードできたら、緑色の「今すぐ注文する」をクリックします。

PCBWayでデータのチェックが始まります。PCBWayはこのデータのチェックが早く、早いと数分で終わります。

VFD用の特殊なフットプリントは製造できるのでしょうか。

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審査失敗

PCBWayのチェックの結果、審査を通過できませんでした。理由が画像も添付されてわかりやすく説明されています。

"The spacing between the castellated holes should be greater than 0.55mm"
端面スルーホール同士は、0.55mm以上離してください

スルーホール同士の間隔がちょっと狭いのが原因でした。

そしてこの文面から、今回のフットプリントの加工は、端面スルーホール扱いになることがわかりました。

フットプリントの長穴の長さを短くして、端面スルーホールの間隔を0.6mmに修正します。

修正したガーバーファイルをアップロードします。

2分程度でチェックが完了しました。端面スルーホール加工が追加されたために、料金が変わりました。PCBWayは金額が決まってから発注なので安心です。

オレンジ色の「チェックアウトに進む」をクリックします。

発送先と発送業者を選んで、クレジットカードかPayPalで支払います。

支払いが完了すると、製造が始まります。

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エンジニアの質問

しばらくして進捗状況を確認したところ、「エンジニアの質問」という状態になっていました。

基板データに関して何か質問があり、のちにメールが届くとあります。やはり製造が難しいフットプリントだったのでしょうか。

質問がなかなか届かないなと思いながら、ふとDG12Bのデータシートを見たときに、信じられないキーワードが目に飛び込んできました。

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とても重大なミスに気づいてしまう

ボ、ボトムビューだったのね。あなたはボトムビューなのね。ボトムだったのね。

データシートに描かれたピン配置は、VFDのリード側から見た場合の見え方で描かれていました。今では部品の上方から見た見え方(TOP VIEW:トップビュー)でピン配置が描かれていることが多いですが、昔は基板の背面を手で配線したからなのでしょうか、ボトムビューがありますね。トップビューとボトムビューではピン番号の並び順が、反時計回りと時計回りで正反対になります。

さて、PCBWay社内で基板製造データが完成してしまった後では、修正は不可能です。PCBWayは仕事が速いので、とにかくすぐに連絡します。ただこれまでの経験上、先方である程度作業が進んでしまった後での修正は難しいです。

進捗の画面の「営業担当に連絡してください」をクリックします。

私:「ごめんなさい。データに間違いを見つけました。...ガーバーデータの再アップロードはできますでしょうか?」
Amyさん:「お客様のご注文はエンジニアの質問の状態にあります。エンジニアから質問のメールが届きますので、その時にお申し付けください。」

進捗状況が「エンジニアの質問」という状態で、PCBWayのエンジニアから質問のメールが来ないなぁとのんびり待っていたのですが、立場が逆転です。こちらからエンジニアにコンタクトしたい!正しいガーバーデータを是非ともお渡ししたい!受け取って頂きたいです。

メールを待っている間に、フットプリントの並び順を修正して、配線をやり直し、正しいガーバーデータが出来上がりました。しかし、エンジニアからメールが届きません。

結局、この日はメールが届きませんでした。

翌日、製造ステータスを確認すると、「エンジニアの質問」が消えていました。質問をすることなく問題が解決してしまったのでしょう。時間的にデータの差し替えは不可能です。

基板を裏表逆にすればなんとかなるかな。とか思いながら、だめ元でもう一度Amyさんに連絡してみました。

私:「エンジニアからのメールが無かったのですが、正しいファイルに交換することはできませんでしょうか」
Amyさん:「かしこまりました。製造を一時的に止めましたので、最終的なファイルをお送りください」

おおおお!なんと、修正データを受け付けてくださると!!もう諦めていたので、嬉しい限りです。

私:「ありがとうございます。最終バージョンを添付します。」
Amyさん:「承りました。新しいガーバーファイルを製造に使用いたします。」

チャットの機能でメッセージと一緒にガーバーファイルを送ります。無事に受け取ってくれたようです。

ファイル名がチャットで送ったzipファイル名へ更新され、製造もスムーズに進んでいるようです。

「エンジニアの質問」の状態になっていなかったら、データの差し替えはできなかったでしょう。仕事が速いPCBWayに待ってもらって、データを差し替えてもらえて感謝しかありません。

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次回は

ご迷惑をおかけし苦労をして作ってもらった基板が1週間程度で届きます。この特殊なフットプリントの基板は、果たしてはんだ付けしやすいのでしょうか。実物で試してみたいと思います。

2023.3.29 続きはこちら