PCBWayに注文していた、たくさんリードのあるVFDを楽に取り付けられる(かもしれない)基板が届きました。さらにVFDにちょっと工夫をすることで、もっと組み立てやすくなりました。
この基板の設計と注文をした時の記事はこちらです。
基板が届いたよ!
注文時に色々ありましたが、製造はスムーズに進んで注文してから8日で基板が届きました。
VFDはリードがたくさんあって、スルーホールに全てのリードを通すことが大変です。そこで、ちょっと特殊な形状の基板を注文していました。
こちらがその特殊な形状です。U4、U5、U6と書かれた手前の穴にVFDを取り付けます。大きな穴が空いていて、周囲に溝があります。この溝の内側にはメッキがしてあり、そこにリードをはんだ付けします。
このような特殊な設計だったので製造してもらえるか不安だったのですが、PCBWayで作ってもらえました。注文時のやりとりから、この形状は端面スルーホール扱いになるようです。
VFDを取り付ける
それでは、DG12Bを取り付けていきましょう。VFDの全てのリードをまとめて穴に通します。
VFDのリードを1本1本溝に嵌め込んでいきます。
リードを外へ曲げると、VFDが固定されます。
VFDが基板に対して垂直になるよう、気をつけながらはんだ付けしていきます。
大成功です。取り付けるのが大変なVFDですが、楽にはんだ付けすることができました。かなり時間を短縮できていると思います。
ただリードを曲げて固定するときに、リードが1本取れてしまいました。貴重なVFDを壊してしまった!!!と思いながらどのセグメントか調べたところ、「4」の文字の右に飛び出している「-」の形状のセグメントでした。
DG12Bの特徴的なセグメントの1つを失ってしまいましたが、4の時にしか点灯しないセグメントだったのでちょっと安心しました。このモジュールは時計に使うため、最上位は1と2以外は表示する予定がありません。
このVFDはこれまで実験に使っていた物で、実験でストレスを感じていたのかもしれません。根本から大きく曲げないよう、気をつけようと思います。
取り付けしやすいコツ発見
さらにひと工夫することで、より取り付けしやすくなりました。
両サイドのリードの先端を曲げる
全てのリードをまとめて大きな穴に通すため、どのリードが何番のピンなのかがわかりにくことがわかりました。そこで、VFDの両サイドに位置する、2つのピンの先端を曲げておきます。この曲ったリードを目印にします。
全てのリードを大きな穴に通します。
先端が曲がったリードを見つけ出します。そのリードが基板の左右の位置になるように、VFDの向きを回転させます。
この後、VFDのリードを1本1本溝に入れていきます。
根本の錆びを削っておく
VFDと基板とは、隙間なく取り付けられます。
VFDはこのような取り付け方を想定していないためか、ガラスの近くまではんだメッキされていません。メッキされていない部分は錆びてしまっています。錆の部分はんだが付きにくく、また後に接触不良になる可能性もあります。
そこで、カッターの刃を使って錆びを削り取っておきます。
茶色に錆びているリードが、銅色に変わればOKです。
傾いていないか確認しながら、はんだ付けします。
残りのVFDも取り付け
取り付けのコツもわかったので、残りのVFDをはんだ付けしていきます。
6本全てはんだ付けが完了しました。VFDは製造時の誤差で、表示面が正面を向いていない場合があります。それぞれ少しずつ違う方向を向いていますね。
ピンヘッダを取り付けて、DG12Bモジュールの完成です。
特殊な形状の基板のおかげで、VFDの取り付けが楽にできました。
光らせてみよう
全ての表示管の、全てのセグメントを点灯させたいと思います。
DG12Bのデータシートによると、DC点灯の場合、フィラメント電圧は0.85V、セグメントやグリッド電圧は20Vとあります。
VFDの電源には、以前作ったVFD用電源モジュールを使います。
DG12Bモジュールでは、各VFDのフィラメントが直列に接続されています。6管が直列になっているので、フィラメント電圧は0.85*6=5.1Vです。VFD用電源モジュールのフィラメント電圧は4.2Vまでしか出力できないので、とりあえず最大の±4.2Vで駆動してみます。
セグメントやグリッドの電圧は、データシート通り20Vに設定します。
セットアップが完了しました。それではVFD電源モジュールに電気を供給してみましょう。
おおおおお!! DG12Bが光りましたよ!!全部光りました!
DG12Bは、IV-6と違った独特のフォントですね。
VFDの光の色も魅力的ですが、ガラス管の内部に構築された、この立体的な構造物が見えるという点も、液晶やLEDにはない魅力ですね。
さて次回は
DG12Bモジュールが完成したので、このモジュールの下に接続する、マイコン基板を設計したいと思います。
マイコンにはESP32を使い、NTPサーバーから時刻を取得してリアルタイムクロックICで時間を管理します。VFDは、ダイナミック点灯する回路にしようと思います。
2023.5.23 つづきはこちら
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