水色に光るLEDを偶然入手してから5年、ずっと探していて最終的には特注してしまったお話です。
それは偶然の出会いでした
今から5年くらい前。赤、青、黄色、緑とAliexpressで様々な色のLEDを購入し、光らせて遊んでいました。たまたま購入した水色のLEDを光らせた時です。
今までに見たことのない、鮮やかな水色の光でした。これは美しい。
普通に売っている水色のLEDは、青色のLEDチップに黄色の蛍光体を組み合わせて水色の光を作り出しているのですが、このLEDは違っていました。LEDの樹脂の中をのぞいてみると、四角い形状のLEDチップが水色に発光しています。
偶然入手した水色のLEDは、蛍光体を使った水色ではなく、水色の波長で光るLEDだったのです。初めて見る直接水色に光るLEDは、鮮やかでとても美しい光でした。この色のLEDを電源ランプや回路のステータスLEDに、使ってみたいなと思いました。
水色のLED探し
Aliexpressで買ってみる
それからというもの、水色のLEDが売っているのを見つけると、購入するということを繰り返すようになりました。上のLEDは5mmのイルミネーション用の水色のLEDです。
左が購入したLED、右が水色に光るLEDです。購入したLEDは確かに水色なのですが、蛍光体を使っていて白っぽい青の色です。これはこれで綺麗なのですが、右の水色に光るLEDとは鮮やかさが違います。
3528サイズの水色のチップLEDを買ってみました。黄色の色をしているので、残念ながら蛍光体を使ったLEDです。
光らせてみると、白っぽい水色です。あまり綺麗な色ではありません。
水色のLEDは、波長が485nmくらいということがわかりました。そこで、485nmのLEDを探します。
0603サイズの485nmのチップLEDをAliexpressで見つけたので、パッケージが黄色ではなく透明の物と確認をした上で購入したのですが、蛍光体の黄色いパッケージが届きました。
やはり白っぽい水色です。白いLEDが少し青いかなといった感じです。
水色のチップLEDをステータスLEDに使いたいのですが、蛍光体を使ったLEDの場合、消えている時の黄色と、点灯している時の白っぽい青では、色の違いが少なく視認性が良くありません。省電力のために流す電流が少なくすると、視認性はさらに悪化します。
直接水色に発光するLEDであれば、LED信号機のように太陽の光があっていても、点灯しているか消えているかがはっきりと識別できます。
LED屋さんに問い合わせてみる
485nmに光るLEDを探していたある時、Shenzhen Best LED Opto-electronicというLEDメーカーを見つけました。
このLEDメーカーでは紫外線から赤外線まで幅が広い波長のLEDを扱っています。485nmはリストにはありませんでしたが、もしかしたらあるかもしれません。
個人を相手にしてくれるか不安ではありますが、Webにある「Contact Now」から問い合わせをしてみます。
0603サイズの表面実装部品は、1つのリールに4000個入っています。このため、最低でも4000個単位で購入するのが望ましいのでしょうが、4000個は使いきれません。そこで、1000個くらいなら...と1000個にしてみました。1000個も使いきれませんが...
深夜に問い合わせをしたところ、翌朝返事がありました。
サンプルがございます。色を評価して頂き、のちに1000個製造時のお見積もりをお送りいたしますがいかがでしょうか。
470nm、480nm、495nmなら作ってもらえるようです。
1000個でいくらになるのかは、この時点ではまだわかりません。サンプルのLEDは無料ですが、送料はこちらもちということでした。
水色のLEDを熱望していた私は、試しに色を見てみたいと思いました。そのため、送料をPayPalで払いサンプルを送ってもらうことにしました。
サンプルには砲弾型のスルーホールタイプを提案されたのですが、ステータスLEDを想定した評価もしたいので、表面実装タイプで在庫のあるものをお願いしました。
サンプルの評価
サンプルが届く
数日でBest.LEDから3種類の波長のサンプルLEDが届きました。表面実装部品なので、基板に取り付けて評価します。
基板に実装
クリームはんだを基板に塗って、オーブンでリフローしようと思います。シリンジに入ったクリームはんだを使います。
クリームはんだのシリンジにノズルを取り付けます。
ノズルにはこれを使っています。
このように、基板のパッドにクリームはんだを塗ります。その後、ピンセットでLEDを載せていきます。
コンベクションオーブンでリフローします。
色を比較してみよう
左から、495nm、480nm、470nmです。一番右はほぼ青です。真ん中は水色、左はやや緑が入った水色です。
水色を探していたのですが、左の495nmの色がとても綺麗です。南の島のエメラルドグリーンの海のような色です。
ステータスLEDとして使う場合も、水色は暗い青とあまり違いが感じられないのですが、左の495nmの色は青とは違います。でも緑とも違います。なかなか見ないユニークな色なので、この色に決めました。
見積もりを聞いてみる
1000個の場合にはセットアップ費用が必要ということだったので、試しに一般的な最小単位である1リール(4000個)の見積もりもお願いしました。
見積もりの結果、1000個の2倍以下のコストで、4000個作ってもらえることがわかりました。しかも私のために製造してもらえるにも関わらず、劇的に高いという価格ではありません。
4000個の半分程度の価格で1000個しか買えないのであれば、4000個でもいいかな(と考えて4000個作ってもらうことにしました。1000個でも使い切れないのに、4000個は本当に使いきれませんが...
費用をPayPalで支払い、LEDが届くのを待ちます。
495nmのLEDが届く
10日ほどでLEDが届きました。0603のチップLEDと合わせて、3mmのスルーホールLEDもお願いしてありました。
チップLED
基板にクリームはんだを塗ってチップLEDを実装します。その後オーブンでリフローします。
おおおおおおお!!美しいです。南の島の遠浅の海の色です。
ステータスLEDとして使う場合を想定して、電源電圧を3Vにして、10kΩの電流制限抵抗つけて光らせてみます。真ん中が消灯、左右が点灯です。10kΩでも光っていることが十分にわかります。電流が少ないと青緑色っぽい水色になります。
3mmLED
おおおおおおお!これも美しいですね。
こんな色のLEDは見たことがありません。
495nmのユニークな色のLED
水色の光るLEDを探していたら、鮮やかで美しいユニークな色のLEDを手に入れることができました。このLEDを使って回路を作っていきたいと思います。
私一人では使いきれないので、このLEDをこちらでお分けしています。
珍しい色のLEDで、電子工作を楽しんでいただければと思います。
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