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5Vで動作するニキシー管用DCDCコンバータを少量組み立てました

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前回の測定で思った以上に効率がいいことがわかったので、少量組み立ててみました。

前回の記事はこちらです。

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部品の実装

JLCPCBに作ってもらった基板のうち、今回は基板1枚分の8モジュールを実装しようと思います。

クリームはんだの印刷

ダンボールの上に基板を置きます。

マップピンでメタルマスクと基板とを固定します。

メタルマスクの奥側に低融点鉛フリークリームはんだを載せます。クリームはんだの印刷には、印刷する幅が10cm以下なので90mm幅のフレキシブルパテを使います。

このフレキシブルパテは金属の部分が適度に曲がります。先端の加工精度が高いことと合わせて、ヘラの全ての場所で均一に力がかかり、クリームはんだが綺麗に印刷できます。

0.65mmピッチのSSOPや大きなコンデンサなど、とても綺麗にクリームはんだが印刷できました。

部品の実装

電動バキュームピック HAKKO395で部品を実装します。

極性のあるチップ部品は、同じ向きにテープ内に収納されています。テープから直接部品を吸着することで、部品の向きを確認したり向きを揃えたりする必要がなくなります。

テープに入っている部品の向きと、実装する基板の向きを揃えておくことで、部品を回転させる必要がなく、吸着した向きのまま基板に実装できます。面付けされた基板など、同じ向きに実装する数が多いほど効率的に実装できます。

前回から今までよりも少し太いノズルを使い始めました。

ノズルが太い分だけ吸着力が増して、0805(2012M)や1206(3216M)サイズの部品が安定して実装できます。SOTパッケージも吸着できることがわかりました。

吸着ピンセット HAKKO394を使うと、ピンセットよりも短時間に実装することができます。

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リフロー

熱風が循環することで庫内の温度が均一に加熱される、テスコムのコンベクションオーブンでリフローします。

低融点鉛フリーはんだを使うことで、最大165度まで加熱できれば良く、普通のオーブンでも手軽にリフローができます。

リフローが完了しました。目視で不良がないかチェックします。

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検査治具の作成

正常に動作するか簡単に検査ができるように、検査治具を作成します。

まずは、治具の天板をレーザーカッターで作成します。イラストレータでカットデータを作成します。

レーザーカッターEtcherLaserProの制御ソフトにカットデータをロードします。EtcherLaserProにはカメラが搭載されていて、部材のどこを加工するか画像を見ながら設定することができます。

上の写真のようにカット済みの部材でも、空いているスペースを有効に活用できます。

レーザーでMDFがカットされていきます。

1分で加工が完了。カメラのない普通のレーザーカッターでは、こんな簡単に狙った場所を加工することはできません。EtcherLaserProのカメラ機能は本当に素晴らしいです。

治具の材料が揃いました。

組み立てるとこうなります。下からポゴピンが飛び出していて、電気の供給と、出力電圧のモニターができるようになります。

ポゴピンは、P75-E2とR75-3Wの2つを組み合わせて使っています。

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動作チェック

治具の上に基板を載せます。DCDCコンバータのスルーホールにポゴピンが接触すると、電源が供給され昇圧された電圧がテスターに表示されます。設計値176Vの設定ですが177V程度出ています。それぞれ176から177V程度の範囲でした。

全て正常に動作することが確認できました。それぞれの基板を切り離し、DCDCコンバータモジュールの完成です。

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特性を測定

コストダウンのため電圧調整機能を省いた176V固定のDCDCコンバータと、当初の設計通り90Vから300V可変できるDCDCコンバータの2種類組み立てていました。それぞれ特性を測定してみます。

電圧固定版

前回同様ダミーロードを接続して、負荷抵抗を増やしながら電圧電流を測定します。測定結果から、出力電流と変換効率を計算します。

左は出力電流と入力電流の関係のグラフ。右は出力電流と変換効率のグラフです。出力電流が15mAを超えたあたりから電流の増加が大きくなり効率も低下していることがわかります。

変換効率は85%程度でした。

出力電流が15mAを超えると出力電圧も低下したので、グラフは18mAまでありますが使える電流は15mAが限界でしょう。

電圧可変版

続いて90Vから300V可変できるDCDCコンバータの特性の測定です。

100V出力時の特性

前回100V出力時の測定で負荷が足りなくなったので、スイッチ1つ当たりの負荷抵抗をこれまでの半分の180kΩにしたダミーロードを組み立てて使いました。

25mA程度から効率の低下が加速します。100Vでは25mAが使用限界のようです。

300V出力時の特性

300V出力時の特性です。10mA程度が使用限界のようです。

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便利な高電圧DCDCができました

ニキシー管用の15mA供給できるDCDCコンバータと、90〜300Vへ昇圧するDCDCコンバータの2種類が完成しました。5Vの単電源から手軽に高電圧を得ることができるようになりました。

電源が完成したので、ニキシー管を使ってある物を作りたいと思います。

ここで紹介したDCDCコンバータはこちら👇👇👇で販売しています。