そろそろクリスマスの季節です。そこでクリスマスツリーの基板を作ろうと思います。
基板のデザイン
素案
どんなクリスマスツリーにするか検討します。今回は基板でクリスマスツリーを作って、そこにホワイトマーカーで飾り付けをするようにしようと思います。
木の形は、ペンで描く領域が広くなるように、コキアの木のような丸い形にしようかなと思います。
基板にはLEDが付いていて、マイコンで光ます。ネオピクセルにすることで色を綺麗に変化させることができます。
木の幹の根本がUSBコネクタの形状になっていて、USB充電器に刺して給電します。
機能的には、先日使ったCH552マイコンを使って、この木をパソコンに接続することで、光る色を書き換えられるようにしようかなとも思っています。
AIでクリスマスツリーを描いてもらう
Adobe Fireflyを使って元になるクリスマスツリーを描いてもらおうと思います。
慣れていないため、なかなか思った感じの写真が生成されません。なるほど、こう来たかという写真が生成されてしまいます。
いろいろ試していると、当初の案とは違いますが右上に綺麗な形のクリスマスツリーの写真が生成されました。生成された右上の写真を採用しようと思います。
5色に色分け
基板の色味は、基板を構成する銅箔(Cu)とレジストマスクの色、銅箔の表面処理の色、PCB素材の色組み合わせで5色使えます。
銅箔の上にレジストマスクが塗ってあると、銅箔がないところに比べて明るくなります。このため、レジストマスクが緑色の場合、明るい緑と暗い緑を作ることができます。
AIで生成してもらったクリスマスツリーの写真から輪郭を抽出して、パーツごとに色分けします。
ペンで描く部分を広くするために、形状を変更しました。
木の葉の色分けを工夫して立体感を出しまし、LEDのが光る部分を作りました。
以上で、クリスマスツリーのデザインが完了です。
レイヤー分け
5色に分けた画像から、各種のレイヤーに分けます。今回は銅箔とレジストマスクのみ使用して、シルクは使いません。これらを1000dpiのBMP画像として保存します。
基板データの作成
KiCadでレイヤーデータの作成
KiCadの「イメージコンバーター」を使ってBMPからKiCadのレイヤーデータに変換します。
銅箔のレイヤー
Cuレイヤーはないので、「ユーザーレイヤー」を選択し、「クリップボードにエクスポート」をクリックします。
KiCadのPCBエディタにペーストします。ユーザーレイヤーなのでこの緑色の部分を全てCuレイヤーに変更します。
緑色の部分で右クリックして、「フットプリントエディターで開く」をクリック。
緑色の部分で右クリックして「プロパティ」をクリック。プロパティウィンドウのレイヤーを「Cu」に変更して、全ての緑をCuに変更します。全てCuにしたら「保存」をクリックします。
2023.11.18 追加
一括で簡単に変更できる方法がわかりました。こちらをご覧ください。
銅箔のレイヤーが完成しました。リファレンス番号のシルク(G***)も一緒に追加されるので、リファレンス番号は非表示に設定しておきます。
レジストマスクのレイヤー
続いてレジストマスクのレイヤーのBMPを変換します。右側の「外形用の基板レイヤー」を「表面ハンダマスク」に設定して、「クリップボードにエクスポート」をクリック。
PCBエディターにペーストします。先程同様、リファレンス番号のシルク(G***)も一緒に追加されるので、リファレンス番号は非表示に設定しておきます。
LEDの部分をマスクする
部品面を表にしたいので、これまでのCuレイヤーとレジストマスクを裏面に変更し基板外形を描きます。
LEDの部分は基板が透けるようにしたいので、丸くレジストマスクを配置し、両面にレジストが被らないようにします。また、金属も被らないように丸いレジストマスクに沿って「塗り潰し禁止エリア」を設定します。
以上でクリスマスツリーの基板のデザインが完了です。
回路を設計する
回路はとてもシンプルです。CH552マイコンと、ネオピクセルLED3つだけです。
これら部品を基板の表面に配置します。ちょっと難しいのは、両面基板なのですが、裏面はツリーのデザインがあるので片面しか配線できないところです。
基板データの完成!
こちらが表面(データ的には裏面)。
こちらが部品面(データ的には表面)です。
PCBWayに発注
これまで何度も複雑な形状の基板を発注してきましたが、PCBWayだけは断られたことがないので、今回もPCBWayに基板を発注します。
基板のパラメータ設定はいたってシンプル。基板サイズを100mm x 100mmにして、基板の表面処理を金メッキ(ENIG)に設定するだけです。間違えて注文を英語のページで行っていますが、大丈夫です日本語のページもあります。
メタルマスクも一緒に作ってもらいます。メタルマスクはそのままではとても大きいので、基板サイズ+20mmにいつもカットしてもらっています。
「Please cut 120mm x 120mm」と書いておけばOKです。
以上で設定は完了。右側の緑色の「Save to Cart」をクリック。
ガーバーデータをアップロードするウィンドが表示されます。中央の「Add Gerber File」をクリックしてファイルをアップロードし、左下の「Submit Order Now」をクリックします。
PCBWayで基板データのチェックが始まります。PCBWayはこのチェックがとても早く、早いと数分で終わります。チェックが終わるとメールが届きます。
基板データのチェックが終わり黄色くなれば、支払いが可能になります。右下の「Proceed to checkout」をクリックします。
配達業者を選択し、右側の「Place Order」をクリックします。PayPalの画面が表示されるので支払いをして発注完了です。
PCBWayに基板の発注までできました。届いたら組み立てたいと思います。
2023.11.13 続きはこちらです。
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