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JLCPCBで初のPCBAに挑戦!ちょっとミスってしまいました

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これまで自分でリフローしてきましたが、JLPCBで初のPCBAを注文してみました。

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PCBA

JLCPCBでは基板を作るだけでなく、部品を実装までしてくれるPCBAというサービスがあります。実装する部品はLCSCの安価な部品が使えます。

以前、CEATECでJLCPCBの人に話を聞いて安価に実装してもらえそうだったので、PCBAの注文に初挑戦してみたいと思います。

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STCマイコン 書き込み機

実装までしてもらう基板は、STCマイコンの書き込み機です。STCマイコンは8051コアを使った中華製の安価なマイコンです。その書き込み機を設計したので、この基板を注文してみたいと思います。

それほど大きな基板ではないので、2つ面付けしました。

PCBAを注文するときには、基板製造用のガーバーファイルの他に、部品表(BOMファイル)と実装位置情報(CPLファイル)が必要です。

BOMファイルの生成方法

Pcbnewの[ファイル]-[製造用出力]-[部品表]をクリックします。

この後生成するCPLファイルも拡張子をCSVにするため、混同しないようにファイル名にBOMを入れておいた方が良いでしょう。

できたファイルの、最後の列に実装するLCSCの部品番号を追加します。

今回はJLCPLC用に書き出すプラグインJLCPCB toolsを使っているので、production_filesフォルダに書き出されたBOM-....csvファイルを使います。

CPLファイル

Pcbnewの[ファイル]-[製造用出力]-[部品配置ファイル]をクリックします。

もし両面基板の場合には、ファイルのところのラジオボタンを「基板で単一ファイル」を選択します。表面実装部品だけの場合には、「表面実装部品のフットプリントのみを含む」などをチェックします。

右下の青い「部品配置ファイルを生成」ボタンをクリックしてファイルを生成します。保存されるファイルの拡張子はposとなっているため、ファイル名の変更で、ファイル名にCPLを含めて、拡張子をCSVに変更しておきます。

今回はJLCPLC用に書き出すプラグインJLCPCB toolsを使っているので、production_filesフォルダに書き出されたCPL-....csvファイルを使います。

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注文方法

基板を設定

JLCPCBはガーバーファイルをアップロードすると、基板のプレビューが表示されます。

今回の基板は2枚面付けされた基板なので、「Delivery Format」を「Panel by Customer」に変更します。面付けは2行1列なので、Columnを「2」、Rowを「1」に設定します。

基板の色は今回は黒にします。

はんだは鉛フリーにしたいので、「Surface Finish」を「LeadFree HASL」にしました。

PCBAの設定

注文パラメータの設定

今回の基板は表の面のみの実装なので、「Assembly Side」を「Top Side」にします。その他はデフォルトのままです。

左下の青い「Confirm」をクリックします。

基板が表示されます。右側の設定値を確認して「NEXT」をクリックします。

BOM,CPLファイルのアップロードと確認

先ほど生成したBOMファイルを左側で、CPLファイルを右側でアップロードします。

アップロードしたら、その下の「File provided as」の項目で、右側の「Complete File...」を選択しましょう。これはBOMファイルとCPLファイルが、面付けした状態なのか、面付けしていない子基板単体のものなのかを伝える選択肢です。KiCadで面付けした場合、BOMもCPLも面付けした状態の情報が保存されているので、右側の「Complete File...」で大丈夫です。

私はこのことに気づかずに、左側の「Single Place...」で注文してしまい、後でやり直しとなりました。

以上の設定ができたら、右下の青い「Process BOM & CPL」ボタンをクリックします。

KiCadで設定したLCSCの部品の在庫があるかどうか確認されます。全て在庫があるようです。在庫がないと実装されません。

後でわかったのですが、「Lib Type」の「Extended」と「Basic」はコストに大きな影響を与えます。「Basic」は部品代だけでいいのですが、「Extended」は1部品あたり$3のセットアップ費用が必要になります。今回はほとんどが「Extended」なので、部品の種類の分だけセットアップ費用を払わないといけません。

lang-shipさんのブログで、「Basic」の部品表が公開されているので、これを見ながら部品を選んでおくと、安価に製造してもらえるのではないでしょか。

よければ右下の青い「NEXT」をクリックします。

部品の向きの設定

部品の向きを設定する画面となります。ここはとても慎重に作業しないといけません。ICやダイオードなど向きのある部品を間違えて設定してしまうと、間違えた向きに実装されてしまいます。

画面上の紫のマークのある部品が極性のある部品です。最初に表示される向きはKiCadが出力した向きになっていて、全てが正しくありません。全てが正しくないんです。これら全ても1つ1つ向きを合わせていきます。

それでは、左上のレギュレータから回転させていきましょう。まず回転させたい部品をクリックします。

すると、右側のリストが青くハイライトされます。ハイライトされた行をクリックします。すると、面付けされた全ての同じ部品が全て選択された状態になります。

上部にある「回転しそうなアイコン」をクリックして、部品を正しい向きに回転させます。

この作業を極性のある全ての部品に対して行います。

間違えていたら困るので全ての部品の回転方向を、3回確認しました。多分大丈夫でしょう。右下の青い「NEXT」ボタンをクリックします。

カートに入れる

費用が表示されます。思ったほど安くないんです。よく見てみると「Extended component fee」が$80と費用の半分を占めています。しかも部品代より高いです。

「Extended component fee」が何かを見てみると、原因がわかりました。少し前の部品表にある「Lib Type」の「Extended」と「Basic」で「Extended」の部品は$3追加で費用が発生します。今回の部品の総数は30個程度なので$80の追加費用が発生しています。なるべく「Basic」の部品を選んでおく必要がありますね。

よければ、右側の青い「SAVE TO CART」をクリックします。

右側の「Product Description」でHSコードを設定します。HSコードは日本への輸入時に税関の人に内容物を教えるためのコードです。

ここに表示されるHSコードを調べてみると、どれも大きく間違ってはいないのですが、一番正しそうなコードが853890でした。ここに表示されるHSコードをネットで検索するとどういうものを指しているのかわかるので、調べてみて選択するといいかもしれません。

支払い

カートに入ったら右側の「Secure Checkout」で支払いへと進みます。

1で発送先、2で運送業者を選択します。3でいつもは「支払い前にチェックを受ける」が選択できるのですが、PCBAの場合はまず支払わないといけません。

右下の「Submit Order」をクリックします。

PayPalやクレジットカードを使って支払いをします。どれで払うか選択して、右下の「Pay」をクリックします。選んだ決済方法の画面が表示されるので、支払いをします。

発注が完了です。部品の回転方向が正しかったか、とてもドキドキです。

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JLCPCBからメールが届く

確認内容

JLCPCB
お忙しいところすみません。確認したいことがございます。
面付けされたガーバーファイルになっていますが、CPLファイルが1つの子基板の分しかありません。
もしご注文時に設定を間違っていた場合、注文をやり直しが可能ですがいかが致しましょうか。

CPLファイルには面付けされた基板の数だけ部品が記載されているため、どういうことなのか最初はわからなかったのですが、注文時の設定ミスでした。

BOMファイルとCPLファイルをアップロードした後に、「File provided as」を左側の「Single Place...」にしていたためです。正しくは赤い四角の「Complete File...」にする必要があります。

私の設定ミスなので、注文をやり直しますと伝えました。

再設定

注文履歴のPCBAがFailedになっています。「Replace File」をクリックします。

最初に注文した時の同じBOMファイルとCPLファイルをアップロードして、「Complete File...」を選択して右下の青い「Process BOM & CPL」をクリックします。

部品の在庫数が表示されます。まだ部品の在庫はありました。右下の「NEXT」をクリックします。

あー。またこれをやるのかー。部品の向きを合わせる作業です。しかも今回は難易度が高く、基板のプレビューがありません。PCBAの設定のみの注文をやり直すので、基板のデータが表示されないのでしょう。

KiCadのPcbnewの画面を見ながら、極性のある部品全ての回転方向を正しい向きに合わせていきます。終わったら、右下の青い「NEXT」をクリックします。

部品代が先ほどよりも安くなりました。私の注文時の設定ミスにより部品が2倍必要になっていたようですね。

右側の青い「NEXT」をクリックします。

「Product Description」で「Programable Controller」を選択して支払いへ進みます。

支払いが完了すると、製造が開始されます。支払いを合計2回行いましたが、1回目の支払いは返金されていました。

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PCBA注文してみたよー

私の設定ミスで、基板が見えないのに部品の回転方向を正すという、超難題ゲームになってしまいましたが、間違えなければ問題はありません。

また、実装する部品にこだわりがないのであれば、「Basic」の部品の中から選ばないと費用が高くなってしまうこともわかりました。

これらを踏まえて、次回はもっと安く注文できると思います。

どのくらいの日数で届くのでしょうか。届くのが楽しみです。