青白かった処分品のシーリングライトを好みの色のシーリングライトに改造しました。
LEDの色を混ぜてみる
電球色のシーリングライトにしようと思ったものの、電球色にも色の幅があります。前回いろいろなお店の電球色を調べ回った結果、色温度3750Kの電球色に決めました。しかしDigikeyには3500Kと4000Kしか売っていませんでした。今回はこれらを混ぜて3750Kになるかの実験から始まります。
チップLEDなので電線をはんだ付けしました。改造するシーリングライトの駆動電流は30mAです。そこでLEDに30mA流れるように電源を調整して、色温度を測定できるOPPLE Light Masterで測定します。
OPPLE Light Master 4 Lux Meter Light Meters Measurement
私が持っている OPPLE Light Masterは一つ前のモデルの3Proです。現在は4が販売されています。
3500K
3500KのLEDから実験です。LEDに30mAを流してOPPLE Light Masterで色温度を測定します。色温度3500K。演色性99となりました。
120mA用のLEDに30mAしか電流を流さないので、色温度が変化してしまうかと思ったのですが、仕様通り3500Kで光っています。演色性もとても高いですね。
4000K
続いて4000KのLEDを測定してます。仕様通り4000Kでした。演色性も100と最高です。演色性ですがOPPLE Light Masterは簡易測定器なので、演色性が高いと100になりやすいという癖があります。そのため100と表示されてはいますが、100ではなく100に近いと読み取った方がいいでしょう。
3500K+4000K
3500と4000の平均値が3750なので、3500Kと4000KのLEDを同時に点灯させたら3750Kになるのではないかという仮説を立てて実験です。3500Kと4000Kのどちらにも同じ電流が流れるように、2つを直列に接続して30mAの電流を流します。
OPPLE Light Masterで測定すると、色温度は仮説通り3750Kとなりました。
このため、3500Kと4000Kを交互に取り付けることで、擬似的に3750Kの照明を作ることにします。
シーリングライトのLED回路
シーリングライトのLEDがどのように接続されているか、回路を調べました。すると当初の想定通り、6つのLEDが直列に接続されていました。そのストリングが16本並列に接続されていました。
そこで1本のストリングの6つのLEDのうち、3500KのLEDを3つ、4000KのLEDを3つずつ使って3750Kにします。また、基板上で3500Kと4000KのLEDが交互になるよう配置を考えます。
上の写真が配置図です。黄色の丸が4000KのLEDの場所で、オレンジが3500KのLEDの場所です。赤い線が各ストリングとなっています。
LEDを取り外す
基板からLEDを取り外します。今回は、はんだが溶けるほど高温になるPTCヒータープレートを使います。
400W 110V版をAliexpressで購入しました。これであればとても安価に購入できます。
Amazonであれば、上記の110V 230度でもいいかもしれません。
PTCヒータープレートの上に基板を置いてしばらく待ちます。するとはんだが溶けてLEDがポロッと取り外せます。
温度が高く時間をかけ過ぎているのか、白い基板が少し焼けた色になってしまいましたが、6枚ある基板の全てのLEDを除去できました。取り外した後は、フラックスクリーナーとIPAで基板を綺麗にしておきます。
LEDの実装
はんだペーストの塗布
シリンジに入ったタイプのはんだペーストを使って、パッドにはんだペーストを塗布していきます。
ノズルには、テーパー状になっているこれを使います。
ノズルが徐々に細くなっているので、パイプ状のノズルよりも楽に押し出せます。
パッド1つ1つにはんだペーストを塗布していきます。
LEDの実装
続いてLEDを基板に載せていきます。ピンセットではなく吸着ピンセットHAKKO394を使います。
極性のある部品は、テープの中では必ず同じ向きを向いています。LEDも上の写真のように手前がアノード、奥側がカソードになっています。ここからHAKKO394を使ってLEDをピックアップすることで、ピックアップした部品は必ず手前がアノードになります。
ピックアップにはHAKKO394のスイッチを押します。すると掃除機のように吸引が始まり、ノズルの先端が部品に触れると部品を吸着してくれます。
基板の向きを手前側がアノードになるようにしておけば、実装する向きを間違えることがありません。HAKKO394のスイッチを離すと部品が離れます。
リフロー
テスコムのコンベクションオーブンでリフローします。
低融点はんだペーストを使ったので、90度でプリヒートして、140度ではんだが溶けるのを待ち、最後165度まで上昇させて終了です。
扇風機で冷却します。
コンベクションオーブンに入らない長い基板は、PTCヒータープレートを使ってリフローします。
点灯するかテストをしてみます。電源を60mA出力の定電流モードにして基板に接続します。無事に光りましたよ!高演色LEDなのでとても綺麗な電球色です。
6枚の基板の全てにLEDが実装できました。
組み立て&点灯テスト
基板を元の位置に戻しました。それではコンセントをつないでみましょう。
光りました!!高演色LEDなので綺麗な電球色です。明るさも結構明るいです。
色温度の測定
天井に設置してみました。とてもいい色です。
OPPLE Light Masterで色温度を測定してみましょう。
OPPLE Light Master 4 Lux Meter Light Meters Measurement
私が使っているのは一つ前の3Proというモデルです。最新版はより多くのパラメータが取得できる4が販売されています。
色温度は目標だった3750Kになりました。演色性も100に近い数字です。LEDを交換して順方向電圧が下がったのか、フリッカーが小さくなりました。
改造前の測定結果との比較です。
- 明るさ:4000lx → 4600lx
- 色温度:6000K → 3750K
- 演色性:85 → 99
- フリッカー:大振幅 → 小さい
明るくなって、演色性もよくなって、フリッカーも改善して、色温度が好みの色になって、全てが良くなりました。
20%グレイを基準にホワイトバランスを合わせた場合の色味です。左が改造前、右が改造後です。
カラーチャートにはdatacolor Spyder Checkr Photoを使っています。
改造後は高演色LEDを使っているために、カラーチャートの下側の特に右下あたりや緑も鮮やかになっているのがわかります。持っている手の色も、左は黄色ですが右は赤みがありますね。
ついでに3500K版も作ってみた
処分品のシーリングライトは2つ購入していたので、もう一つは3500K版に改造しました。
比べないとわからない程度ですが、こちらの方が少しオレンジ気味の電球色です。
オリジナル電球色のシーリングライトが完成!
処分品だったシーリングライトが、オリジナルの色温度のリーシングライトに生まれ変わりました。演色性も高いため、温かみのあり明るい電球色となりました。
寝室の古い蛍光灯式のシーリングライトから、このシーリングライトへ交換してリラックスできる色の部屋になる予定です。
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