VFDを簡単に組み立てられるフットプリントの基板が PCBWayから届いたので、早速組み立ててみます。

基板を作った前回の記事はこちら。

PCBWayから基板が届く

基板を発注して10日ほどで、PCBWayから基板が届きました。

特殊な形状の端面スルーホールですが、綺麗に加工されています。

部品の実装

VFDを取り付ける前に、基板の背面の部品を実装します。

メタルマスクと基板それぞれの四隅に穴を開けておき、穴にマップピンを刺すことで、メタルマスクと基板との位置合わせを行ってきました。

今回もそのようにデータを作ったのですが、マップピンを刺そうと思ったところ、基板に穴が開いていませんでした。

メタルマスクには穴があったので、PCBWayのエンジニアが製造時に基板から穴を削除してしまったようです。

クリームはんだの印刷

穴がなく位置合わせができないため、古いやり方でクリームはんだを印刷します。

ターゲットの基板の四隅に同じ厚みの基板を配置して、ターゲットの基板を固定します。

メタルマスクを上に置いて、目視で位置合わせをし、テープで固定します。

クリームはんだをメタルマスクの奥に置きます。クリームはんだには、低融点鉛フリークリームはんだを使います。融点が138度なので、普通のオーブンでも溶けて簡単にリフローができます。

KLASS(旧極東産機)のフレックスパテを使って、クリームはんだを手前に引き寄せながら印刷します。 フレックスパテは写真のようにヘラの部分が適度にしなるため、印刷しやすいです。しかも先端の加工精度が高いために、メタルマスクの小さな開口部にもしっかりクリームはんだが入り、綺麗に印刷ができます。

印刷の位置が若干ずれてしまいました。メタルマスクをテープで固定すると、ずれるがよくあります。

部品を実装

表面実装部品を実装します。実装には、ピンセットではなくHAKKO 394 吸着ピンセットを使います。

ボタンを押すと掃除機のように吸引が始まり、先端のノズルに部品を吸い付けます。目的の場所に部品を置いたらスイッチを離します。すると部品が先端から離れます。

これを繰り返し、部品を実装していきます。

ノズルを交換すれば、ICも吸着できます。ピンセットよりも断然速く実装ができますよ。

リフロー

熱風が庫内を循環する、コンベクションオーブンでリフローします。

庫内に温度計を入れておいて、庫内の温度をモニターします。

テスコムのコンベクションオーブンは加熱の途中でも、設定温度を変更できます。

100度でプリヒートして、140度でしばらく待ち、165度まで上げて終了です。

部品の実装が完了しました。

VFDを実装

ストレッチ

VFDのリードの根本が曲がっているとうまく入らないので、根本だけまっすぐに伸ばしておきます。

差し込み

VFDの穴に、全てのリードをまとめて入れます。

最後まで押し込むと、それぞれの溝にリードがはまり込みました。

なんて簡単なんでしょう。

はんだ付け

IV-6は1本だけ短いリードがあります。そのリードが基板の真横に位置していることを確認して、このリードをはんだ付けします。

VFDが垂直なことを確認して、反対側のリードをはんだ付けします。

前後も垂直なことを確認してから、全てのリードをはんだ付けします。

あっという間に、1本はんだ付けが終わってしまいました。

2本目と、先日作ったDM160のボードをはんだ付けします。IV-6の7セグの高さと、DM160の発光面の高さが揃っています。

残りの2本のVFDをはんだ付けして、実装完了です。VFDを簡単に組み立てられるフットプリントは、本当に簡単に組み立てられました。

動作確認

時計基板と接続

今回の基板の回路は、上の図の時計の回路のうち、赤い線の中の回路になっています。

動作確認のため過去に作った回路から、50Vと25V、TM1926へのデータ線と電源線を引き出して、今回の接続します。

過去の基板との接続が完了しました。

それでは電源を入れてみましょう。

おおおおお！

光りましたよ。

各セグメントへの配線が過去の回路と違うため正しい文字になっていませんが、この基板が動作することが確認できました。

プログラムの修正

LEDドライバIC TM1926とVFDの各セグメントとのマッピングを、今回の基板用に修正します。

コンパイルしてESP32にプログラムを書き込みます。

おおおおお！　不思議な文字が、数字になりました！

TM1926はネオピクセルのようにVFDを調光できるので、動画のようなふわっと数字が変わったり、DM160を調光したりするのが簡単にできてしまいます。

通常VFDが実装された基板とメインの基板との間には、たくさんの配線が必要なのです。しかし、TM1926を使うことで、上の写真や動画のように少ない本数だけで点灯させることができてしまいます。

さて次回は、

表示部の基板ができたので、これに対応した時計本体の基板を作りたいと思います。