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PCBgogoにフルカラーUV印刷基板を発注する方法(仮)

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ESP32-S3マイコンボードの基板を設計した後に、UV印刷のデータを制作しPCBgogoに発注したいと思います。

ESP32-S3の回路設計の記事はこちらです。

PCBgogoではまだフルカラーUV印刷基板のサービスを開始していませんが、作るチャンスを頂けたので作ってもらうことにしました。

2024.3.21追加

PCBgogoではフルカラーUV印刷基板の製造サービスが開始されました。発注の際の備考欄に、UV印刷基板希望と書くということです。
PCBgogoのXより

追加終わり

このため、正式な発注方法ではないことをご承知おきください。

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基板データの作成

外形線と部品を配置

今回の基板はブレッドボードに刺して使えるようにするために、ピンヘッダの部分はDIP ICと同じ幅に細くします。そして、ブレッドボードから飛び出した部分は広くし、マイコンと周辺回路を載せます。見た目は鍵のような形になりました。

この外形線の中に、部品を配置します。

制約の設定

配線の細さは、5milまでであれば安価に製造してもらえます。とりあえず少し余裕を見て6milで設計しようと思います。

1mil = 1/1000インチ = 0.0245mm なので、6mil = 6 * 0.0245 = 0.147mmです。

さらに余裕を見て0.16mmで設計しようと思います。

「基板の設計」「デザインルール」「制約」の最小クリアランスと最小線幅を0.16mmに設定します。

「定義済みのサイズ」の「線幅」に0.16mmを追加します。

この線を使って、配線を行います。

1層目

0.16mmの配線で、ピンヘッダのある細い部分に何本配線できるでしょうか。やってみたところ、16本配線できました。ピンヘッダのピン数は40ピンあるので、全部配線するには3層必要なことがわかりました。

そこで、4層基板で設計することにします。

「基板の設定」「物理的スタックアップ」の「動体レイヤー」を「4」に変更します。これで4層基板が設計できるようになります。

配線には3層あればいいので、2層目はGNDの層にしようと思います。

3層目

3層目はピンク色の配線です。さらに18本の配線ができました。

4層目

4層目は緑色の配線です。これで、マイコンの全てのピンがピンヘッダへ配線できました。

電源と他の線を配線

電源を配線し、残りの配線を行います。

配線完了

4層使うことで、全ての配線ができました。2層目はGNDプレーンとなっています。4層になると2層に比べて、自由度が上がり格段に配線がしやすいことがわかりました。

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UV印刷データを作る

基板の情報を出力する

基板外形や部品の位置がわかるように、それらの情報を出力します。

「ファイル」「エクスポート」「SVG」とクリックします。

「テクニカルレイヤー」でF.Silkscreen、F.Mask、Edge.Cutsのみを選択します。

「印刷モード」は「モノクロ」を選択し、右下の「エクスポート」をクリックします。

これで、シルク印刷と、はんだマスク、外形線が含まれたSGVがファイルが生成されます。

印刷データの制作

イラストレータで新規作成したドキュメントに、先ほどのSVGファイルを貼り付けます。

レイヤーを追加し、SVGの画像を基準にしながら基板のイメージを作成します。

イメージが完成しました。

KiCadの3Dビューアの画像に、イメージを合成してみました。いいですね。

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基板の面付け

鍵の形をしているので、上の図のように上下反対に配置することで、1枚の基板に2つ面付けができました。

捨て基板とメインの基板とはV-cutで使って分離できるようにしました。

以上で基板の設計は終わりです。ガーバーファイルを出力しておきます。

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提出用の画像データを作る

SGVファイルを出力

面付けした基板で、もう一度外形線などを含むSVGファイルを作ります。

基板外形のサイズも計測しておきます。今回は99.06mmでした。

新規作成

イラストレータの新規ドキュメントで、先程測定した基板外形のドキュメントを作成します。

SVGファイルからコピー

面付けした基板のSVGファイルを開きます。このデータには、V-cutのラインと「V-CUT」のシルク文字があるので、それらを削除して基板の外形とその内側の情報だけにします。

このデータを全てコピーして、先ほど新規作成したドキュメントに貼り付けます。

ドキュメントのサイズと、基板外形がピッタリ同じになるはずです。

イメージの貼り付け

新しいレイヤーを追加し、そのレイヤーに基板のイメージを貼り付けます。以上で、面付けされた基板のイメージの完成です。

今回は印刷テストを兼ねて、右上に様々なサイズの文字とカラーチャートを追加しました。

PNGファイルの出力

まずは、基板外形やシルクのあるレイヤーを不可視に変更します。

「ファイル」「書き出し」「スクリーン用に書き出し」をクリックします。

「フォーマット:拡大縮小」の右側になる逆三角形①をクリックして、「解像度」②を選択します。

「1200」①と指定して、右下の「アートボードを書き出し」②をクリックします。

1200dpiの解像度でPNG画像が出力できました。

1200dpiが正しいかわかりませんが、印刷業者に白黒で印刷を頼むときには1200dpiが良いということらしいので、今回は1200dpiにしてみました。600dpiでもいいかもしれません。

2024.3.21追加

PCBgogoではUV印刷時の解像度は300dpiということです。

追加終わり

ファイル名の変更

PNGファイルの名前を製造者にわかりやすいように、名前を変更します。

ガーバーファイル名+1200dpi+UVprint

にしました。

発注後に印刷を表にするか裏にするか聞かれたので、

ガーバーファイル名+1200dpi+表か裏か+UVprint
(表の場合:Top 裏の場合:Bottom)

がいいかなと思います。

ガーバーファイルはgerbersフォルダに入れて、PNGとgerbersフォルダをまとめてzipで圧縮して1つのファイルにします。

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発注

製造パラメータをまとめる

発注はPCBgogoの担当者へ直接メールでお願いします。そのため、製造時のパラメータを全て伝える必要があります。

PCBgogoの見積もりのページにある、全ての項目と設定値をまとめます。

4層基板の場合、「加工方法 Xマークを許容できる」を「いいえ」にすると高くなるので、「はい」にして製造枚数を少し増やす方が安くなりました。

また4層基板では、層ごとにどのガーバーファイルを割り当てるのか、指定する必要があります。

基板の設定
板材:FR-4
面付けの種類:1
外形寸法:99.1 x 99.1
枚数:25
面付け方法:面付け
加工方法 Xマークを許容できる:はい
層数:4
L1:ESP32S3Board_2pcs-F_Cu.gtl
L2:ESP32S3Board_2pcs-In1_Cu.g2
L3:ESP32S3Board_2pcs-In2_Cu.g3
L4:ESP32S3Board_2pcs-B_Cu.gbl

レジスト:白
シルク:黒
金端子:なし
表面処理:無鉛はんだ
「はい」は当方の都合によりENIGに変更しても構わないとの意味です。:はい
….
メタルマスク製作:あり

メタルマスクの設定
メタルマスクの種類:枠なし
刷り側:表面のみ
枚数:1枚
板厚:0.12mm
認識マーク:通り穴(レーザー加工)
穴壁研磨:なし
ご要望:120mm x 120mmにカットしてください。Please cut it in 120mm x 120mm.

以上の製造パラメータと、先ほど作ったzipファイルとをメールでPCBgogoの担当者に送ります。

支払い

PCBgogoでガーバーファイルのレビューが行われます。レビューにパスすると、最終的な金額が決まります。今回はまだサービス開始前なので、仮決めのUV印刷費用が通常の4層基板の製造費用に加算されました。

製造費用をPayPalで支払い、製造が開始されます。

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発注後

6日後

基板の写真と共に、UV印刷を表と裏のどちらにするかの確認メールをくれました。表への印刷をお願いしました。担当者も表であることはわかっていますが、念の為確認してくれたようです。このためファイル名に表か裏かの情報を含めておくといいと思います。

8日後

担当者より印刷イメージの確認メールがありました。上の図が添付されていました。正しいので、これでお願いしますとお返事しました。

9日後

UV印刷基板の写真と共に、印刷が完了し発送しますとのメールがありました。

届くのがとても楽しみです。

2023.3.21 つづきはこちら