最終確認から1週間ほどでPCBgogoから基板が到着しました。仕上がりはどうでしょうか。
基板を発注した前回の記事はこちらです。
レビュー
面付け基板ですが、片方の基板に不良があってもいいという条件を指定して製造してもらったのですが、25枚全て良品でした。これはラッキーです。
詳しく印刷の具合を見て見ましょう。
左が600dpiのレーザープリンタで印刷した紙で、右がPCBgogoのフルカラーUV印刷基板です。
ピン番号の部分ですが、レーザープリンタでの印刷結果よりもUV印刷では数字が細くなっています。塗りつぶしの中の白文字の場合、UV印刷基板では文字の太さが一回り細くなるようです。
文字とカラーチャートの比較です。左がレーザープリンタでの印刷、右がUV印刷基板です。
文字の太さは一回り太く印刷されています。文字の大きさは0.75mmまで小さくても認識できます。0.5mmは文字がぼやけています。600dpiのレーザープリンタでは0.5mmでも識別可能なので、UV印刷時の分解能は300dpi程度のようです。
カラーチャートを見ると、色は潰れ気味に、濃いめに印刷される傾向があります。
また、インクジェットのUV印刷のためか、インクが周辺に飛び散り全体的にややぼやけている印象です。
300dpiに縮小した元画像(左)と、スキャンしたUV印刷基板(右)を並べてみました。
若干ぼやけて印刷されるので、くっきりした画像よりはグラデーションのあるような画像に向いていそうです。
文字は太くなり、白文字は細くなる傾向があるので、データ作成時に太さを調整しておくといいと思います。黒文字の場合はUV印刷ではなく、シルク印刷で表現した方が高い解像度が得られます。
右側のCCと書かれた紫色の部分にある、スイッチのシルク印刷を見るとわかるのですが、シルク印刷の部分にUV印刷が被らないように印刷されています。UV印刷がマスクされるのは、KiCadのレジストマスクレイヤーだけでなく、シルク印刷レイヤーも合わせてマスクされることがわかりました。
基板端の左下に位置合わせのためのトンボが印刷されています。捨て基板がない場合、メインの基板に印刷されてしまうでしょう。
組み立て
クリームはんだの印刷
それでは早速組み立てていきましょう。この基板の部品は全て表面実装なので、クリームはんだを印刷して部品を載せてリフローします。
まずは、ターゲットの基板の周囲に同じ厚みの基板を配置して、ターゲットの基板を固定します。
メタルマスクを載せて位置合わせをしたら、テープで固定します。
クリームはんだを奥側に載せます。クリームはんだには普通のオーブンでも溶ける低融点鉛フリークリームはんだを使っています。
スキージでクリームはんだを手前に引き寄せながら、印刷していきます。
正しい位置に、綺麗にクリームはんだが印刷できました。
部品の実装
部品を実装していきます。私はピンセットではなく、掃除機のように部品を吸い付ける電動吸着ピンセット「HAKKO 394」で部品を実装します。
部品はテープから直接吸着します。極性のある部品は、テープの中では必ず同じ向きに収納されています。
テープの中の部品の向きと、実装する基板の向きを合わせておくことで、吸着した向きのまま部品を実装することができます。こうすることで、実装スピードが上がります。
ノズルにはこれを使っています。
ノズルを交換するとESP32も吸着できます。
全ての部品の実装が完了しました。HAKKO394は実装が捗りとても便利です。
リフロー
熱風が庫内を循環する、テスコムのコンベクションオーブンでリフローします。
中に高温も計れる温度計を入れておきます。
100度の設定でプリヒートして、140度に上げて、しばらくしたら195度まで上昇させて終了です。
テスコムのコンベクションオーブンは、加熱の途中でも温度を変更できるので、リフローに最適です。
冷却すればリフロー完了です。
捨て基板を外すと、ESP32-S3ボードの完成!
動作テスト
#define LED_PIN 13 void setup() { // put your setup code here, to run once: Serial.begin(115200); pinMode(LED_PIN, OUTPUT); } void loop() { // put your main code here, to run repeatedly: Serial.printf("Hellow World\n"); digitalWrite(LED_PIN, HIGH); delay(500); digitalWrite(LED_PIN, LOW); delay(500); }
13番ピンが点滅しながら、「Hello World」をシリアルに出力するプログラムを作りました。このプログラムを書き込んで、動作を確認したいと思います。
UART側から
13番ピンにLEDを接続しました。このボードにはUSBシリアル変換でESP32とつながっているUARTのUSBと、ESP32と直接つながっているUSBと2種類あります。
まずは、UART側からプログラムを書き込んでみます。
正常に書き込めました。
LEDが点滅しました!!
USBシリアルを経由して「Hello World」も出力されました。
USBシリアル経由の書き込みや出力は正常に動作することがわかりました。
ESP32ネイティブのUSBから
次に、ESP32に直接つながっているUSBポートからプログラムを書き込んでみましょう。
こちらからも正常に書き込めました。
LEDが点滅しましたよ。
こちらのポートからも「Hello World」が出力されました。正常に動作しています。
USBホストを試してみる
ESP32-S3にはUSBホストの機能もあるので、せっかくなのでUSBホストも試してみます。UART側をPCへ接続して、USBをキーボードに接続します。
上記のプログラムを使いました。キーボードを認識して、押されたキーを表示してくれます。
おおおお。キーボードを認識し、押したキーが表示されましたよ。ホストも動作しています。
このプログラムはUSBマウスも認識できます。マウスを動かすと移動量が表示されました。
ESP32-S3ボードが完成しました!!
PCBgogoのUV印刷基板で作ったESP32-S3ボードが完成しました!初めてのUV印刷と4層基板の設計とても楽しかったです。
UV印刷ESP32-S3基板と見本基板プレゼント
今回PCBgogo様のご協力により、PCBgogoで作ってもらったUV印刷基板でできたESP32-S3開発ボードと、捨て基板に印刷したUV印刷見本をセットにして、先着10名様にプレゼント致します。
ESP32-S3の開発や、UV印刷を発注する際の参考にして頂ければと思います。
ご希望の方は、下記のフォームよりご応募ください。
頂いた個人情報は、全て削除致しました。サポートは引き続き致しますので、何かございましたらご連絡下さい。
2024.4.4追加
上限に達しましたので、終了いたしました。ありがとうございました。
頂いた個人情報は、発送とサポートのみに利用し、安全のため発送からおよそ1か月で削除致します。1ヶ月以降もサポートは致しますので、不具合などございましたらご連絡下さい。皆様からのご応募お待ちしております。
ESP32-S3開発ボードについて詳しくは、kohacraftのShopをご覧ください。
コメント
プレゼント受け取りました!ありがとうございます。
出張があるので火入れは遅くなりそうですが楽しみです。
ご連絡ありがとうございます。嬉しいです。
楽しい時間をお過ごし下さい。
ご応募ありがとうございました。