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PCBWayのフルカラーUV印刷基板レビュー

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先日PCBWayに注文していた基板が届きました。早速レビューし、組み立ても行いたいと思います。

データ作成と注文時の記事はこちらです。

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発注から13日で届く

発注から13日で基板が届きました。UV印刷なしよりも3日程度多く時間がかかりました。

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詳しく見てみよう

それでは、届いた基板をよく見てみましょう。

PCBWayではUVプリントはベータ版なので、正式にサービス開始後には仕様が変更になる場合があります。

ホワイトが印刷されている!

PCBWayのUVプリントの最大の特徴と言っていいでしょう。ホワイトのインクが最初に印刷されて、その上にYMCKのインクが印刷されています。

ホワイトが印刷されているということは、白い基板以外の青や赤など色のついた基板でも、白の上にカラーの印刷がされるので、正しい色で印刷ができるということです。

これはいいサービスですね。

クリアのトップコートが印刷される

印刷の最後にクリアの層が印刷されています。このため、上の写真の文字のように、印刷部分がぷっくりとしています。透明で艶があり綺麗に見えます。

PCBWayによると、現在のベータ版サービスではクリアを印刷していますが、正式に開始した場合にはクリアが無くなるかもしれないということです。

結構解像度が高い

左がレーザープリンタで印刷した結果、右がUVプリント基板です。0.5mmの文字も頑張れば読み取ることができます。線は太くなってしまうので、一段階細い文字フォントを使うといいでしょう。

用意する画像の解像度が300dpiや600dpiでは解像度が不足すると思われるので、1200dpiで用意するのがいいと思います。

インクジェット印刷なので、文字の周囲にインクが飛び散っています。このため、少しぼやけた感じに見えてしまいます。しかし後述する方法で、この飛び散ったインクを除去できることがわかりました。

シルクレイヤーは印刷されない

今回最大の発見は、ガーバーデータのシルクスクリーンレイヤーが印刷されないことです。このため、部品の形状や部品番号がわからない状態になってしまいました。

PCBWayのUVプリントを利用する際には、シルクスクリーンレイヤーはカラー印刷用の画像上に配置する必要がありますね。

印刷不能領域が大きめ

パッドのサイズに対して、その周辺に印刷できない領域が結構大きいです。

パッドの幅が0.85mmに対して、印刷できなかった幅が1.68mmでした。このため、パッド周辺0.4mmの範囲内には印刷が行われません。

PCBWayのUVプリントではシルクスクリーンレイヤーが印刷されないので、画像上に配置しないといけないのですが、パッドから周囲0.4mmは印刷されないため、シルク文字の位置に気を付ける必要があります。

また、基板全体を塗りつぶすといった場合にも注意が必要です。パッドの周りに空白の領域が発生してしまいます。

パッドの周りにもやもや

先ほどの印刷不能領域の輪郭線が、薄い灰色で印刷されてしまっています。ちょっと見た目が気持ち悪いですが、後述する方法で綺麗にできます。

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飛び散ったインクを綺麗にする方法

ぼけて見えてしまう、印刷時に飛び散ったインクですが、除去できることがわかりました。

無水エタノールやIPAを塗布します。

綿棒やキムワイプでこすり取ります。

飛び散ったインクが除去されて、くっきりした印刷になりました。0.5mmの文字も読めそうです。

パッドの周りのモヤモヤもこれで綺麗になります。

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組み立て

クリームはんだの塗布

それでは早速組み立てたいと思います。まずは、クリームはんだを塗布します。クリームはんだには低温で溶ける低融点鉛フリークリームはんだを使います。

138度で溶けて最大165度まで上げればいいので、普通のオーブンでもリフローが可能です。

フレックスパテを使って、クリームはんだを手前に引き寄せながら印刷します。

実装

今回はシルク印刷がないので、部品の場所がわかりません。そこで、便利なツールをKiCadにインストールして使います。

プラグイン&コンテンツマネージャーで「Interactive Html Bom」をインストールします。

PCBエディターの右端にアイコンが登場するので、これをクリックします。

「Generate BOM」をクリックします。

Webブラウザーが起動して、BOMリストと、その部品の位置が表示されます。これで、何の部品をどの位置に実装するのか簡単にわかります。

「Interactive Html Bom」に従って、部品を実装していきます。部品の実装にはピンセットではなく、電動バキュームピックアップツールのHAKKO394を使っています。

掃除機のように部品の上面を吸い付けて、目的の場所で離します。ピンセットよりも高密度にしかも高速に実装することができます。

HAKKO394を使うことで、短時間に実装が終わりました。

リフロー

100度→140度→165度と庫内の温度を変化させてリフローします。オーブンには、熱風が庫内を循環するテスコムのコンベクションオーブンを使っています。

この機種は加熱の途中でも温度を変更することができ、リフロー向きです。

部品の実装が完了しました!

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動作テスト

捨て基板から、メインの基板を取り出します。結構小さいです。

USBでパソコンに接続します。シアン色の電源LEDがいい感じです。

495nmシアン色チップLED
特別に作ってもらった鉄道信号の青色のような色に発光するチップLEDです。

昔のノートパソコンLet’s Noteの電源ランプのような、青緑色です。

Arduinoでプログラム

#define LED_PIN 4

void setup() {
  // put your setup code here, to run once:
  Serial.begin(115200);
  pinMode(LED_PIN, OUTPUT);
}

void loop() {
  // put your main code here, to run repeatedly:
  Serial.printf("Hellow World\n");
  digitalWrite(LED_PIN, HIGH);
  delay(500);
  digitalWrite(LED_PIN, LOW);
  delay(500);
}

LEDが点滅しながら、シリアルに「Hello World」を出力するプログラムを作りました。

「ツール」の「ボード シリアルポート」に「...ESP32-C3」というポートが認識されています。ESP32のUSBが正常に動作しているということですね。

ESP32のUSBポートを使ったシリアル出力と書き込みのための設定をします。

「USB CDC on Boot」を「Enable」に、

「JTAG Adapter」を「ESP USB Bridge」に変更します。

ESP32をダウンロードモードにします。

  1. RSTスイッチを押します
  2. Bootスイッチを押します
  3. RSTスイッチを離します
  4. Bootスイッチを離します

これでESP32がダウンロードモードでブートします。この操作は、初めて書き込むときに1回だけ行えばよく、以降はの書き込みには不要です。

順調に書き込めています。

シリアル出力に「Hello World」が出力されました!正常に動作しています。

Lチカも確かめてみましょう。IO4にLEDを接続します。

IOも正常に動作しています!

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UVプリントのESP32-C3ボードが完成しました!

PCBWayのフルカラーUVプリント基板を使った、ESP32-C3開発ボードが完成しました。無線LANなどを使ったプログラムの実験に使いたいと思います。

ここで設計したマイコンボードはこちらで販売しています。

ESP32-C3開発ボード
ESP32-C3を搭載した開発ボードです。DIPパッケージの幅の基板で、ブレッドボードを有効利用できます。