PCBgogoで透明基板が作れることがわかったので、透明を活かして電球型のキーホルダーを作ろうと思います。
アイデア
電球の形の基板にします。金口(電球のソケットに刺さるところ)の部分をタッチセンサにして、ここをタッチするとLEDが点灯する仕組みにしたいと思います。
コイン電池などの回路は全て金口の背面に実装し、表からは見えないようにします。金口はUVプリントで本物の金口の写真を印刷してもらいます。
LEDはフィラメントっぽく見えるように、4個か5個くらいを直列にします。
基板形状を決める
撮影
電球の外形を取得するために、実際の電球を撮影しました。形がわかりやすいように紫外線電球を使いました。電球の形っていいですね。
こちらは金口の写真です。金口は金色にしたかったので、金色の金口のエジソン電球を撮影しました。
部品実装スペースの確保
コイン電池ホルダーを含む部品を実装するために必要なサイズは、最低28mmx28mmでした。このため、金口のサイズを28mmよりも大きくします。結構金口のサイズが大きくなってしまうことがわかりました。
ガラス部分を接続
金口のサイズに合うように、紫外線電球のガラス部分を合わせます。
最初に撮影した電球の形と、形状が変わってしまいましたが、これはこれで可愛いのでいいかなと思います。
外形線を取得
イラストレータで外形を赤い線でトレースします。この赤い線をSVG形式で保存して、KiCadで基板を設計する際の基板外形とします。
回路の設計
ブロック図
まずはブロック図を考えます。
LEDが直列接続なので、コイン電池の3Vでは点灯できません。このためDCDCコンバータで昇圧する必要があります。
DCDCコンバータICにはイネーブル端子があります。この端子をON,OFFすることでDCDCコンバータを動作させ、LEDをON,OFFすることができます。
タッチセンサICには、タッチすると出力がON,OFFするモードがあります。このモードを使います。
タッチ検出出力をDCDCコンバータICのイネーブル端子に入れることで、タッチするとDCDCコンバータが動作しLEDが点灯します。
DCDCコンバータ
DCDCコンバータには、これまで使ったことのあるMT3608を使います。2Vから動作します。
出力電圧は、R1とR2の比によって設定できます。昇圧回路の場合、イネーブル端子がOFFでICが停止していても、VINからの電流はL1を経由してVOUTに出力されてしまいます。OFFでも、VOUTにはVINと同じ電圧が出力されるということです。
ということは、R1,R2にも電流が流れてしまいます。OFF時の消費電流を極力減らすためには、R1,R2は大きな値にする必要があります。
R1に流れる電流は、FBピンの入力電流の10倍以上になるように設計すれば良好な動作をします。FBピンの入力電流はデータシートでは最大0.05uAでした。このためR1の電流は0.5uA以上である必要があります。
例えば、VINが3Vの時に、R1の電流が1uA程度になるようにするためには、R1は3MΩとなります。そこで、R1を3.3MとしてR2を計算してみます。
R2の設計には、以前作った以下のサイトを使います。
ICのVrefは0.6V、R1は3.3MΩ、VOUTを16Vとすると、R2をE12系列に限定した場合は120kΩが最寄りの値で、その時のVOUTが17Vと計算できました。
こんな感じでいいと思います。
タッチセンサ
タッチセンサはTTP223を使用し、以前設計した上記の回路をそのまま利用します。
回路図
これまでの設計をまとめると、回路図は上記のようになります。
17V出力されることからLEDは5個直列にしてみました。LEDの抵抗R3,R4はとりあえず100Ωとしておいて、LEDの明るさのを実際に見て決定しようと思います。
基板データの作成
基板外形の設定
Kicadで、イラストレータで作った基板外形のSVGファイルを読み込みます。
この中に部品を置いていきます。
部品を配置
金口の部分の背面に、全ての部品が配置できました。
基板背面はこんな感じなります。
表面はこんな感じです。
今回は、タッチセンサの背面にDCDCコンバータの回路があり、タッチセンサが正常に動作するかちょっと不安です。透明基板で作って正常に動作しなかったら悲しいので、最も安価な基板で試作し、動作を確認したら透明基板で作るという流れにしようと思います。
PCBgogoに基板を発注
PCBgogoに基板を発注します。
パラメータの設定
基板サイズと枚数を指定します。レジストの色を青にしてみました。この設定ならば、たった$5で基板を作ってもらえます。
備考の欄に、注文番号は基板の裏に印刷してもらうよう書いておきました。先日PCBgogoの方と話をした時に、備考も日本語でOKということだったので、日本語で書きました。
メタルマスクも作ってもらいます。部品はほとんど背面にしかないので「裏面のみ」作ってもらいます。ここの備考にも、日本語で120mmにカットしてもらうよう書いておきました。
メタルマスクは$10で作ってもらえます。
以上で設定が完了です。画面右側の「カートに入れる」をクリックします。
データのアップロード
ガーバーファイルをアップロードして「確認」をクリック。
データのチェックが始まります。
支払い
データのチェックが終わるとメールが届きます。いつもは数10分から数時間で完了するのですが、日曜に注文したので、チェックが完了したのが月曜のお昼くらいでした。
右下の「レジに進む」をクリック。
配達業者を選択し、右側の「支払い」をクリックします。PayPalの支払い画面が表示されて、そこで支払いを行います。
以上で発注完了です。
さて、タッチセンサは正常に動作するでしょうか?
届くのが楽しみです。
コメント