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USB-Cプラグを入手!USB-Cショート検出器を再設計しました

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ようやく基板実装用のUSB-Cコネクタの「プラグ」を入手したので、ショート検出基板を再設計します。

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プラグのUSB-Cコネクタ

表面実装スルーホール実装併用

前回までの実験で、USB TypeC 2.0のショート検出をするためには、USBケーブルは使わず、相手のコネクタに直接刺さり、USB Type-Cの全てのピンが出ている、プラグ型のコネクタが必要なことがわかりました。

一般的にプラグ型のコネクタはケーブルに取り付けるため、基板に実装するタイプがほとんどありません。

そんな中、基板に横向きに取り付けることができるUSB TypeCコネクタを発見しました。

このコネクタには、表面実装のピンとスルーホールのピンの両方のピンがあります。トランジスタ技術2023年6月号によれば、全ては表面実装のコネクタよりも、スルーホールも併用しているコネクタの方が、抜き差しに対して強いということです。

また、全て表面実装のコネクタは、パッドがコネクタの底面にあるため、実装後のチェックや修正が不能です。これらのことから、スルーホール併用のコネクタを選んでみました。

フットプリントの作成

コネクタと基板の位置関係

それでは、フットプリントを作りましょう。データシートを見ながらフットプリントを作っていきます。

フットプリントを作っていて分かったのですが、このコネクタは基板の上に乗るのではなく、基板から飛び出す形状をしています。

このため、リフロー実装するためには、コネクタが脱落しないように何かしらの対策をしないといけません。

USB Type-C プラグのフットプリント

また、SMDパッドとスルーホールがかなり密集しています。このスルーホールへは、どうやって配線するのでしょうか。

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アートワーク

USB Type-Cコネクタをプラグに置き換える

それでは、以前作った基板のUSB-C レセクタプルを、先ほど作ったプラグのフットプリントに変更します。

ピンの配線が、どこにも行けない

やはりスルーホールのピンの配線に問題ありです。上の図は、スルーホールからD-の信号を配線しようとしているところです。スルーホールの少し下にD-のパッドがあるのですが、スルーホールの間隔が狭いために、パッドへ到達できません。

そのため、右から迂回したD-の配線に通そうとするのですが、S1のパッドがあって到達できません。

S1,S2のパッドを小型化

仕方がないので、S1のパッドを小さくし配線を通せるようにしました。

最小の配線幅を設定

とても細かな設計になるので、ここで基板の製造パラメータを確認したいと思います。

PCBgogoの配線の間隔は5mil

基板はPCBgogoに発注しようと思っています。PCBgogoは5milまでは安価に製造してもらえます。

5milをミリに変換すると、

5mil = 5 x 2.54 x 0.01 = 0.127mm

なので、線の幅や線の間隔の最小値は0.127mmとなります。少し余裕をみて0.13mmとします。

線幅、線間を0.13mmに設定

KiCadの基板の設定で、「最小クリアランス」と「最小線幅」、「最小接続幅」を0.13mmに設定します。

0.13mmの配線を追加

基板の設定の定義済みサイズに、0.13mmの配線を追加します。

外形線からパターンの最小距離を設定

外形線からパターンまでの距離

続いて、基板端からパターンまでの最小距離を調べます。PCBgogoの場合、外形線からパターンまので最小値は0.3mmでした。

導体から基板端クリアランスを0.3mmに設定

KiCadの設定で、「導体から基板端クリアランス」を0.3mmに設定します。

以上でPCBgogoの製造仕様に沿った基板設計ができます。

配線してみる

ギリギリ配線できた

それでは0.13mm幅の配線を使って、D-のピンから迂回したD-の配線まで、配線をしてみます。ギリギリ配線できました。

残りの2本も配線

残り2本も同様に配線します。なんとか必要な線は、配線することができました。

今回は、スルーホールの一部のピンのみを使っているので配線できたましたが、全て使う場合にはどうするんでしょうね。4層基板にするのでしょうか?

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面付け

2個メン付け

まとめて実装する時に少し楽ができるように、2つ面付けします。

問題は、USB Type-Cコネクタをどう固定してリフローするかです。

USBコネクタの部分は穴にする

USBコネクタは基板の端に配置されるため、USBコネクタの部分は穴にしておきます。

基板の底面からコネクタは0.65mm浮く

データシートによると、USBコネクタの底面は基板の底面より0.65mm浮いています。そこで、基板の背面に紙を貼って、穴の中に0.65mm程度の厚みの紙を入れてコネクタを少し浮かそうと思っています。

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PCBgogoに基板を発注

PCBgogoのフロントページ

基板データができたので、PCBgogoに基板を発注します。

PCBgogoのパラメータ設定画面

基板のパラメータを設定します。

「外形寸法」に基板のサイズの100mm x 130mmを設定します。

「基板の枚数」は10枚

面付け基板なので「面付け」にします。

「最小パターン幅」を「5lim」にします。PCBgogoは嬉しいことに6milでも5milでも料金が変わりません。

基板の色を「黒」に、表面処理を金メッキの「ENIG」にしました。

以上で、基板のパラメータの設定が完了。

メタルマスクの設定

メタルマスクも一緒に作ってもらいます。

枠は重くて大きくて後で邪魔になるので、「枠なし」を指定します。

また、基板のサイズ+20mm程度がサイズ的にちょうどいいので、カットしてもらいます。ご要望の欄に「120mm x 150mmにカットして下さい」と書いておきます。

PCBgogoは全て日本語でOKです。何か問題があっても日本語ができるスタッフが間に入り、全て日本語でやりとりして問題解決できてしまいます。

全ての設定が完了したので、右側の「カートに入れる」ボタンをクリック。

ガーバーファイルをアップロードする

データ入稿のウィンドが表示されるので、右上の「ガーバーデータを入稿」をクリック。

アップロードできたら「確認」をクリック

ガーバーファイルのzipをアップロードします。アップロードできたら「確認」をクリックします。

データのレビューが始まる

PCBgogoでデータの確認(レビュー)が始まります。

レビューが完了

レビューが完了するとメールが届きます。今回は30分ほどでレビューが完了しました。右下の「レジに進む」をクリックします。

配達業者を選択し支払う

配達業者を選択し、「支払い」をクリックします。PayPalの画面支払いを済ませます。

以上で発注完了です。

基板が届いたら組み立てたいと思います。