ファミコンのコントローラをパソコンなどで使えるようにUSB化する基板を、PCBgogoに作ってもらおうと思います。
ファミコンコントローラUSB化基板
ブロック図
ゲームパッドの機能は、CH552のUSB機能を使って実現します。CH552を使うことで、少ない部品でゲームパッドを実現できます。
基板の設計
基板の形状は、ファミコンのコントローラと同じにしておきます。ボタンの位置も同じです。こうすることで、コントローラ内部の基板を丸ごと交換するだけで、USBコントローラにすることができます。
背面に部品を実装します。
面付け
まとめて実装できるように、4つを1つの基板に面付けしました。
データの準備
必要なファイル
今回はPCBgogoにPCBAを発注しようと思います。
- ガーバーデータ
- 部品表(エクセル)
- 位置データ(CSV)
PCBgogoに部品を実装してもらうのに必要なファイルは、上記の3つです。
KiCad JLCPCB tools
PCBgogoへ発注するのですが、KiCadにKiCad JLCPCB toolsを導入します。
理由は
- LCSCの部品番号を得る
- 部品の位置データをCSVファイルとして得る
ためです。
LCSCの部品番号を得る
部品を実装してもらうには、何の部品を実装するか指定する必要があります。PCBgogoは、中国から発注可能な通販会社であれば、部品を代理で購入してもらえます。例えばDigikeyやMouserなどです。LCSCも可能で、安価に入手できるので今回はLCSCから購入してもらいます。
KiCad JLCPCB toolsは、LCSCの部品番号を検索する機能があるのでそれを利用します。
部品の位置データをCSVファイルとして得る
部品を実装してもらうためには、どこに部品を実装するのか位置を指定するファイルが必要です。
KiCadは「部品配置ファイル」を標準で出力することができますが、スペース区切りのファイルとなっています。しかし、PCBgogoはカンマ区切りのCSVファイルを提出する必要があります。
KiCad JLCPCB toolsは、CSVで位置ファイルを出力してくれるので、そのファイルを利用します。
KiCad JLCPCB toolsの導入
KiCadの「プラグイン&コンテンツマネージャー」をクリックします。
右上の「管理」をクリック。
URLに上記のURLを追加します。
プルダウンを「Bouni's KiCad repository」に変更し、表示された「KiCad JLCPCB tools」をインストールします。
KiCad JLCPCB toolsでJCLPCBの部品番号を取得
J@LCのアイコンが追加されます。これをクリックします。
データベースのダウンロードにしばらく時間がかかります。「Sccess」と表示されたら、一旦閉じて、もう一度「J@LC」のアイコンをクリックします。
部品のリファレンス番号と部品の値、フットプリントが表示されます。上から順番にLCSCの部品番号を取得していきます。
取得したい部品の行をクリックして、右側の「Assign LCSC number」をクリック。
- Keywordに部品の値
- Packageに部品のサイズ
の2つを入力します。必要に応じて「Categoly」も設定すると良いです。すると、これらに合致する部品がリストアップされます。
この中から在庫があって、必要な特性を有した部品を選択します③。右側に部品の値段も表示されるので、値段も参考に選定できます。
右側の「Select part」をクリックします。
実装しないなど、部品表に出力したくない部品は、「Toggle BOM POS」をクリックしてBOMとPOSを「X」にしておきます。
全て設定できたら、「Save mappings」と「Export to schematic」をクリックして情報の保存と、回路図への反映をしておきます。
ファイルの出力
右上の「Generate」をクリックします。
すると、ガーバーファイルと、部品表、位置データの3つがjlcpcbフォルダに出力されます。
BOMが部品表、CPLが位置データ、GERBERがガーバーファイルです。
部品表を見てみるとこんな感じになっています。
PCBgogoの部品表を用意する
PCBgogoで部品実装する場合には、PCBgogoのフォーマットで部品表を提出する必要があります。上記のサイトにアクセスして「BOMの例をダウンロードする」をクリックしてエクセルファイルをダウンロードします。
PCBgogoの部品表に、先ほどKiCad JLCPCB toolsで生成した部品表の値をコピーしていきます。
一番右のBuying LinkにはLCSCのURLを貼り付けます。
以上で、必要なファイルの準備が整いました。
PCBgogoに基板を発注
それでは基板をPCBgogoへ発注しましょう。
パラメータの設定
まずは基板の製造パラメータを設定します。
基板のサイズと枚数をセットします。
今回の基板は面付け基板なので、「面付け方法」を「面付け」にします。あとは基板の色を赤に変更し、「表面処理」を金メッキの「無電解金フラッシュ」にします。
続いて「部品実装」のパラメータを設定していきます。
「実装枚数」は子基板の数を入力します。「部品点数」は全ての部品の数を入力し、今回は表面実装部品のみなので「SMT点数」も同じ数にします。
また面付け基板なので「面付け方法」を「面付け」にします。
以上でパラメータの設定が完了。右下の「見積もり作成」をクリックします。
ファイルのアップロード
①「ガーバーファイルを入稿」をクリックしてガーバーファイルをアップロードします。同様に②「BOMを入稿」で部品表を、③「座標データを入稿」で位置データのファイルをアップロードします。
確認をクリックします。
PCBgogoによってデータの確認が開始されます。
データが間違えている!!
翌日PCBgogoからメールが届きました。
〇〇様
お世話になっております。PCBGOGO営業部の〇〇です。
ご注文頂き、誠にありがとうございました。
注文番号:B81582ASP40+S-B81582ASP41
ご注文の部品表について、部品サプライヤーからの質問です。
添付の写真ご覧下さい、部品数とご記入数量が一致していません。
お手数ですが、ご確認の程よろしくお願い致します。
部品表に誤りがあるということです。ここで注目なのは、日本語であるという点です。日本の業者に発注したような感覚がありますが、中国の基板屋さんです。私の知っている中で、PCBgogoは中国の基板やさんで唯一日本語でやりとりできます。日本語ができるスタッフが何名も在籍しています。すごいですね。
図も添付されていました。まさに部品の点数が間違っています。PCBgogoの「BOMの例」をダウンロードして利用したので、部品点数を変更するのを忘れていました。
部品点数を修正してメールを返します。
〇〇様
大変失礼致しました。
修正したファイルをお送りします。
テンプレートにある数字を、変更することを忘れていました。
よろしくお願いします。
返信も日本語でOKです。英語の文面を考えなくてもいいので、とっても楽です。
見積もりが届く
翌日、PCBgogoから見積もりが届きました。部品代はLCSCで購入するのと対して変わりませんでした。実装費は40個実装して1個あたり$3です。実装する部品点数が少ないので、安いのかもしれません。
支払い
それでは支払いに進みましょう。ステータスが「支払い待ち」に変わっています。
右下の「レジに進む」をクリックします。
配送手段を選択し、右側の赤い「支払い」をクリックします。
PayPalの支払い画面が表示されるので、支払いを完了させます。
PCBgogoにPCBAの発注が完了しました!!
さて、PCBAどんな感じでしょうか。届くのが楽しみです。
2025.1.6 つづきはこちら
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