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基板どうしをスリットで組み合わせる最適な幅の検証

基板どうしをスリットで組み合わせて立体的な作品を作りたくて、JLCPCBで実際に何度も試作し、ちょうどいいスリット幅を検証してみました。

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きっかけ

基板を2枚組み合わせて、立体的な作品を作りたいと思っています

仕組みはシンプルで、上の写真のようにそれぞれの基板にスリット(細長い切り込み)を入れて、差し込み合うことで立体的に組み立てられるようにします。

基板の厚みは1.6mmなので、スリットがこれより狭いと基板が入りません。かといって広すぎるとガタついてしまいます。JLCPCBの製造誤差は仕様として0.2mmと書かれています。はたして、設計値としては幅を何mmにすればいいのか、実際に試作して調べてみることにしました。

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テスト基板を発注

1.5mmから0.05mm刻みでスリットを入れた基板

1枚の基板に0.05mmごとに幅の異なるスリットを10本設計して、JLCPCBに発注しました。

JLCPCBは小さな基板なら$2で作れるので、テストにはうってつけです。しかも何か他の基板を発注するついでに一緒に注文すれば、送料もかからずかかる費用は$2で済んでしまいます。

今回は1回のテストにつき5枚ずつ製造してもらって、それぞれのスリット幅をノギスで測定しました。1枚だけだとたまたまその値だった可能性もあるので、5枚分のばらつきも見てみようと思います。

1回目の実験

まず1回目のテスト基板が届いたので、5枚それぞれのスリット幅を測ってみました。

1回目の基板のスリットの設計値と実測値 単位[mm]

設計値基板1基板2基板3基板4基板5最小誤差最大誤差
1.501.551.551.601.601.600.050.10
1.551.601.601.601.601.600.050.05
1.601.651.651.651.651.650.050.05
1.651.721.601.721.701.70-0.050.07
1.701.751.701.751.751.7500.05
1.751.801.751.801.801.8000.05
1.801.851.801.801.851.8500.05
1.851.901.851.851.851.9000.05
1.901.951.901.901.951.9500.05
1.952.001.951.951.972.0000.05

スリット幅が1.6mm近辺では、仕様としては0.2mmとあるのですが、実際の製造誤差は+0.05mm程度でした。思っていたよりも結構いい精度で製造されていることがわかりました。

2回目の実験

1回だけではたまたまかもしれないので、2回目のテストもやってみました。1回目のスリットが少し広めに製造される傾向だったので、今回は少し狭めにスリットの幅を1.2mmから開始して1.65mmまでになるように設計しました。

2回目の基板のスリットの設計値と実測値 単位[mm]

設計値基板1基板2基板3基板4基板5最小誤差最大誤差
1.201.271.251.301.301.2000.10
1.251.351.301.301.301.2500.10
1.301.401.351.351.351.3000.10
1.351.451.401.401.401.3500.10
1.401.501.451.451.451.4000.10
1.451.551.551.601.501.520.050.15
1.501.601.601.601.551.600.050.10
1.551.651.621.651.601.600.050.10
1.601.701.651.701.651.650.050.10
1.651.741.701.751.701.700.050.10

1.6mm近辺の製造誤差は+0.05〜+0.1mmでした。今回も最小誤差は1回目と同じく+0.05mm程度となっています。

3回目の実験

2回だけではまだ不安だったので、念のため3回目も試してみました。今回はスリットの幅が1.6mmを中心に、1.35mmから1.8mmの範囲で設計しています。

3回目の基板のスリットの設計値と実測値 単位[mm]

設計値基板1基板2基板3基板4基板5最小誤差最大誤差
1.351.501.501.451.551.450.100.20
1.401.501.551.601.601.600.100.20
1.451.551.601.651.651.650.100.20
1.501.601.651.701.701.800.100.30
1.551.651.701.751.751.800.100.25
1.601.701.701.751.801.870.100.27
1.651.721.751.801.851.900.070.25
1.701.801.801.851.901.950.100.25
1.751.851.851.951.952.000.100.25
1.801.901.902.001.952.000.100.20

今回は1.6mm近辺の製造誤差が+0.1mm〜0.2mmと、これまでの2回よりも大きくなりました。同じJLCPCBに発注しても、製造するタイミングによって製造誤差は変動するようです。

3回のテストからわかったこと

3回のテストを通して、最小誤差は+0.05mm、最大誤差は0.2mmという結果になりました。JLCPCBは全体的に、スリットが設計値よりわずかに広く製造される傾向があるようです。

スリットのきつさを比較してみた

続いて、実際のスリット幅によって、基板を差し込んだときの感触がどう変わるか試してみました。

実測値差し込み具合
1.55mmかなりきつく、最後まで入らない
1.60mm基板どうしが90度であればピッタリ入る。ほぼぐらつかない
1.65mmスムーズに入る。ぐらつき角度約5度
1.70mmかなりスムーズに入る。ぐらつき角度約10度

実測値が1.6mm以上あれば、基板どうしがしっかり刺さり合うことがわかりました。1.55mmだと0.05mm足りないだけで、最後まで入らなくなってしまいます。

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ついでにQRコードのサイズもテストしてみた

基板を発注するついでに、QRコードをシルクスクリーン印刷した場合、どのくらいの大きさまで正常に読み取れるのか実験してみます。

ショップの商品ページのURL(49文字)をQRコードに変換し、一辺の長さが10mm、8mm、6mm、5mm、4mmの5種類を基板にシルク印刷して、JLCPCBに製造してもらいました。

出来上がった基板を、手持ちのスマートフォン数台で実際に読み取ってみた結果がこちらです。

端末読み取れた最小サイズ
Pixel 3a6mm
iPhone 13 mini8mm
iPhone 136mm
iPhone 14 Pro6mm

機種によって多少差はあるものの、どの端末でも確実に読み取れたのは8mm以上でした。このため、基板にQRコードを載せたいときは、8mm以上のサイズにしておく必要があります。シルク印刷の滲みを考慮すると、10mmが安全なのかもしれませんね。

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結論

3回の実験と、差し込み具合の比較から、次のことがわかりました。

製造誤差の最小値が+0.05mm以上あるので、スリットの設計値は基板の厚み(1.6mm)より0.05mm細い1.55mmにするか、安全を見て基板の厚みと同じ1.6mmで設計するのがよさそうです。

1.55mmで設計すればピッタリ刺さり合うことが期待でき、1.6mmで設計すればちょっとガタつくもののスムーズに刺さり合うことが期待できます。ピッタリにしたい場合には1.55mm、安全優先なら1.6mmと目的に応じて使い分ければいいのかなと思いました。

この実験結果を活かして、そのうちあるものを作る予定です。どんなものができるか、お楽しみに!

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