
要旨
食品小売店の店頭では『3本入りバナナ』と『4本入りバナナ』が同価にて並行して販売されている。このことにより、消費者の合理的な選択を困難にする可能性を否定できない。
本研究では、これらバナナを実際に複数購入し、総質量と可食部(身)の割合を測定することで、どちらに経済的優位性があるのか導き出した。
1. はじめに

食品小売店の青果コーナーにおける販売光景として、同じ価格なのにもかかわらず、3本入りのバナナと4本入りのバナナが並行して陳列されている。
本商品は、本数が多い方が経済的優位性があるのか、あるいは1本あたりが大きい3本入りの方が経済的優位性があるのか、消費者の合理的な選択を困難にする商材である。このため、実際に複数購入し検証することとした。
2. 実験方法
検証は以下の手順で行った。
- 単一の店舗において、同一銘柄のバナナを継続して購入する
- 陳列されている中で、質量がもっとも大きいと推定されるバナナ1房を選定し購入する
- 保有するバナナを消費し次第、3本入りと4本入りを交互に購入する
- 購入したバナナ1房の総質量を測定する
- バナナを1本摂取する際、質量を測定する
- 摂取後、残存する果皮の質量を測定する
- 1本分の質量から果皮の質量を差し引き、可食部の質量を算出する
この手順において、3本入り・4本入りをそれぞれ10房(1房あたり1検体とする)ずつ計20検体、バナナ本数にして合計70本(1本あたり1サンプルとする)を対象に測定を行った。

3. 結果
3.1 検体の総質量
3本入りと4本入りのバナナ、それぞれ10検体の総質量を質量の昇順に並べたグラフを図3に示す。

測定の結果、3本入りの総質量の中央値は426g、4本入りの中央値は503gとなった。4本入りの方が77g重く、割合にすると3本入りに対して18%重いという結果となった。
3.2 バナナ1本あたりの可食部の質量
続いて、バナナ1本あたりの可食部と果皮の質量について測定を行った。購入したバナナは合計70サンプルだが、そのうち32サンプルは家族が摂取してしまったため、筆者が摂取した38サンプルのみを測定対象とした。
この38サンプルを質量の昇順に並べたグラフを図4に示す。水色が果皮の質量、緑色が可食部の質量となっている。

バナナ1本あたりの質量は103gから173gまで、実に70gもの開きがあることが確認できた。ただしこのサンプルには3本入りと4本入りの検体が混在しているため、単純な比較には注意が必要である。
注目すべきは、質量に対する可食部の割合(赤い折れ線グラフ)である。バナナ1サンプルあたりの質量が異なっているにもかかわらず、可食部の割合はほぼ一定の値となった。平均値は64%、中央値も同じく64%であった。
4. 考察
今回の測定結果から、次の2つのことが判明した。
もっとも質量が大きいと推定されるバナナ1房を選定した場合、4本入りは3本入り比べて総質量が中央値で18%重い。
バナナ1本あたりの質量が異なっていても、可食部の質量の割合は約64%と一定である。
可食部の割合が質量に依存せず一定であるということから、総質量が重い4本入りの方が経済的優位性があるという結果が導出された。
また、3本入りより4本入りの方が中央値で77g重く、可食部の割合が64%であるということから、4本入りのバナナの可食部は49g重く、比率としては18%多いという命題が導出された。
5. 結論
店頭に陳列されている中でもっとも質量が大きいと推定されるバナナを選定した場合、4本入りの方が、3本入りよりも経済的優位性があるという結論に至った。
また、本数の多い4本入りを選定した場合、可食部の質量が49g、比率にして18%多いことが明らかになった。
なお、本研究は単一の店舗で販売されている特定の銘柄のバナナを対象にした3ヶ月間における定点観測の結果であり、異なる時期や、すべてのバナナ、すべての店舗においてこの結論を適用するためには、さらなる追試と研究が必要である。



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