PCB アート+キラキラ光る回路
プリント基板というと、細い配線や電子部品が載っている基板を想像する方がほとんどでしょう。今回はちょっと嗜好を変えて、プリント基板をキャンバスにして、配線(銅箔)やレジスト、シルク印刷を絵の具として使ったPCBアートで、プリント基板に絵を描いてクリスマスの飾りを作ろうと思います。
プリント基板ですので、LEDがキラキラ光る回路も一緒に組み込んで、キラキラ光るクリスマスの飾りにしたいと思います。
それでは作り方も合わせて、ご紹介します。
クリスマスリースをデザイン
クリスマスの飾りをいろいろ検討したのですが、クリスマスのリースにすることしました。まずは、クリスマスリースを鉛筆でデザインし、各飾りを詳細にデッサン。イメージを固めていきます。
PhotoShopでデータを作成
PhotoShopでデッサンを元に絵を描いていきます。基板化するため、10cm x 10cm、300DPIの解像度とします。
今回作る基板の設定は、赤レジストの基板で、シルクは白、銅箔(Cu層)は金メッキとします。このため、赤、白、金色の色が使えます。
さらに、銅箔+赤レジストは鮮やかな赤となりますが、銅箔なし(基板素地)+赤レジストはくすんだ赤に見えます。また、レジストもパッドもない基板素地は、くすんだ黄色に見えます。
このように、使える色は上記の5色となります。
PhotoShopで、リースの絵から、Cu層、レジストマスク、シルクの3種類の領域だけを抽出した白黒画像に変換します。
- Cu層:鮮やかな赤と、金色、シルクの領域を抽出
(今回はシルクの領域も入れましたが、部品を配置しにくくなるので含めない方がいいです) - レジストマスク:金とくすんだ黄色の領域を抽出
- シルク:白い領域のみを抽出
KiCadでフットプリントライブラリを作成
KiCadのビットマップコンポーネント変換機能を使います。
Cu層
Cu層のBMPを読み込んで、
- フォーマット:Pcbnew(.kicad_modファイル)
- 画像オプション:ネガにチェック
- 使用するレイヤー:表面層はんだマスク(Cu層がないのでとりあえずこれを選ぶ)
と設定して、「エクスポートします」
フットプリントライブラリで、エクスポートしたフォルダを追加します。
フットプリントエディタでエクスポートしたデータを開きます。紫色のF.Mask層になっているので、茶色のCu層に変更していきます。
紫色のエリアをダブルクリックすると、層の変更のウィンドが出ます。F.Mask層からF.Cuに変更します。
全部の領域を茶色のF.Cuに変更できたら、Cu層完成です。保存します。
レジストマスク
レジストマスクもビットマップコンポーネント変換機能で、先ほどと同じ設定で、BMPをエクスポートします。
フットプリントエディタでエクスポートしたデータを開くと、紫色になっていればOKです。
シルク
シルクのBMPを読み込んで、
- フォーマット:Pcbnew(.kicad_modファイル)
- 画像オプション:ネガにチェック
- 使用するレイヤー:表層面シルク
と設定して、「エクスポートします」
フットプリントエディタで見てみると、水色になっています。これでOKです。
基板化する
右の欄のICの形のアイコンで、先ほど作ったフットプリントを3種類読み込みながら重ねていきます。
輪郭をEdge.Cutでトレースすれば、デザイン基板の完成です。
3Dビューアで仕上がりイメージを確認してみましょう。なかなかきれいにできていますね。
キラキラ回路
せっかくのプリント基板で作っているので、LEDがキラキラする仕組みを組み込みたいと思います。
今回は超シンプルな仕組みにしました。マイコンに安価なATTINY13Aを使い、全てのIOピンにLEDをつなぎました。それぞれのLEDはプログラムによって、ランダムにキラキラと点灯します。
ランダム関数は、処理の軽いXORとシフトレジスタを使ったシンプルなものになっています。省電力にするためにクロックも最低の125kHzに下げました。実験ではLEDの点灯を含めて、平均で0.5mAくらいで動作しました。1週間以上はLEDがキラキラし続けると思います。
プログラムはこちらよりダウンロードできます。
基板の裏に、コイン電池、マイコン、抵抗を配置しました。
基板の設計完了!
こちらが表面
こちらが裏面です。
PCBgogoに基板の発注
プリント基板を製造してくれるPCBgogoのサイトにアクセスします。基板サイズ100mm x 100mm、基板枚数10枚と設定して、「いますぐお見積」をクリックします。
基板のパラメータは、デフォルトの状態から、
- レジスト:赤
- 表面処理:無電解金フラッシュ
に変更します。さらに、基本的に基板のどこかには、製造番号が印刷されてしまうのですが、
注文番号は、メーカにとっては責任を明確にでき、また、追跡できます。弊社のやり方は、目立たない場所に印刷します
もし、注文番号を印刷してほしくない場合は、「ご要望、連絡事項等」に「基板に注文番号を印刷しないでください」を入力します。無料です!
即時見積もり👇https://t.co/una7ebR43q pic.twitter.com/7OaRbVjEqO
— PCBGOGO.JP基板製造・実装 (@PCBGOGO_JP) September 14, 2020
と、いうことなので、「ご要望、連絡事項等」の欄に、「可能であれば製造番号を印刷しないでください。」と書いてみました。無料で製造番号を印刷しないことができる基板屋さんって、他には無いですよ。素晴らしいサービスです。
これでカートに入れて、
ガーバーデータをアップロードします。
5分くらいでデータの確認が完了しました。確認早いです!
あとはPayPalで支払いをして発注完了です。
6日で到着!!
20日に発注して26日には届きました!届くのが早い!
おおおぉぉぉ!
なかなか綺麗にできています。写真だとよくわかりませんが、ゴールドの感じがとても綺麗です。
表面がリースの模様になっていて、裏面が回路になっています。裏面も綺麗にできていますね。
そしてPCBgogoで注文して素晴らしいと思ったのは、リクエスト通り、注文番号が基板に印刷されていないことです!無料でこれができるって素晴らしいです。
組み立て
部品はとてもシンプル。LEDと抵抗、電池ボックス、マイコン、スイッチです。
DIP部品ですが、表面実装部品のように、基板の背面にはんだ付けしていきます。
最後にLEDをはんだ付けして、基板の完成です。部品数が少ないのであっという間。初心者の方でも簡単に作れそうです。
紐を結べば、クリスマスリースの出来上がり。
完成!
今回は、ホワイトのクリスマスリースと、シルク印刷をしていないブラウンタイプのクリスマスリース2種類を作ってみました。
スイッチを入れると、このような感じにLEDが瞬きます。2週間くらいつけっぱなしでもまだ光っています。結構電池の持ちがいいようです。
飾ってみた
クリスマスツリーに飾ってみました。
ホワイトタイプもブラウンタイプも、いい感じです。
LEDのキラキラがとても綺麗です。
PCBgogoの基板製造サービスを使って、PCBアートでクリスマスの飾りを作ってみました。皆さんも、基板でクリスマスの飾りを作ってみてはいかがですか?
基板で作る、PCBアートクリスマスの飾りの作り方のご紹介でした。
PCBgogoではちょうど今月、2020年12月1日9:00AM~2021年1月1日12:00AMまでの期間、お得なキャンペーンをしています。
1. 毎日誰かのご注文が1つ無料になるチャンス!
入金済みの注文から1つ抽選。3日ごとに3件の当選者を発表。
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@PCBGOGO_JP をフォロー&投稿をRTで、PCBGOGO割引クーポン券を進呈。抽選で$50クーポン1名様、$30クーポン5名様の合計6名様に当たります。
基板代が無料になったり、割引クーポンがもらえるPCBgogo2020年最大のキャンペーンだそうです。ぜひ、この機会に基板作りに挑戦してみてください。
🎁先着10名様クリスマスリースキットプレゼント🎁
今回作ったクリスマスリースをキットにして先着10名の方にプレゼント致します。組み立てに必要な部品は全て揃っていますので、届いたらすぐに組み立てられます。はんだ付けが必要ですが、それほど難しくないので、是非作ってみてください。
基板の色が、ホワイトとブラウンがございます。お好きな方をご指定ください。
また、よろしければ、組み立てたリースを飾った写真をメールで送ってください。このページのもうちょっと下のコーナーで、皆さんの飾った作品を紹介させて頂ければと思っています。
ご応募は以下のフォームよりお願いします。(私のプログラムが正しければ...)先着10名で自動で締め切られます(はずです...)。登録内容がxmas2020[@]kohacraft.comよりメールで送信されますので、受信できるようドメインの解除をお願いします。
なお、頂いた個人情報は発送にのみ利用し、サポートの際に必要な場合に備え年内保持後、全て削除致しますのでご安心ください。
フォームが表示されない方はこちらよりご登録ください。
登録内容のメールが届かない場合には、xmas2020[@]kohacraft.comへご連絡ください。
発送は、随時1〜2営業日程度で発送いたします。
キットの作り方はこちらです。
楽しい電子工作でクリスマスを楽しみましょう。ご応募お待ちしております。
2020.12.13追加
飾ってみたよコーナー
素敵な写真をありがとうございます。クリスマスリース飾ってみたコーナー。飾ってみた写真、よろしければお送りください。xmas2020[@]kohacraft.comまで。
追加終わり
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