
電子POPを改造して、「ひみつののぞき窓」でだけ見える不思議なモニターを作りました。
電子POP

電子POPは、よくドラッグストアなどの棚に取り付けられていて、薬などの商品のCMが流れているモニターです。
今回その電子POPのジャンクが手に入りました。型番はGD7D-WHです。パンフレットによると、7インチの液晶で、mp4が再生できるみたいです。
そこでこのモニターに、かなり前に私個人的に流行っていた改造をしたいと思います。
その前にこの電子POPが動作するのか、動作確認から開始します。
ACアダプタの製作

この電子POPはDC9V 1.5Aの電源が必要と、背面のシールに書いてありました。コネクタは左側についていて、外径4mmのDCプラグが刺さります。ACアダプタが付属していなかったので、このプラグのACアダプタを作ります。

この外径4mmのDCプラグは持っていませんでした。そこでジャンクのアダプタ箱の中を探したところ、昔使っていたデジカメのACアダプタが見つかり、このコネクタの外径が4mmでした。このACアダプタのケーブルを切断して、一緒に見つかった9VのACアダプタのケーブルに接続します。
動作確認

ACアダプタをコンセントに刺してスイッチを入れます。するとメニュー画面が表示されました。リモコンがないので操作はできませんが、動作しているようです。

適当なmp4の動画ファイルをSDカードに保存して、電源を入れてみます。mp4が無事に再生されましたよ。大丈夫そうですね。
白いモニターに改造
バラす

液晶を取り外したいので、バラしていきます。背面の4つのネジを外して、左右上部と、上部にある爪を解除すると前面の白いパネルが外れます。

本体に取り付けられている基板と液晶とはフィルムケーブルで接続されていました。コネクタの爪を持ち上げてフィルムケーブルを抜きます。これで、液晶が外れました。

液晶の前面についている金属製の枠の爪を解除して、枠を取り外します。これで、液晶パネル自体が露出します。
偏光フィルムをはがす

液晶表面に貼ってある偏光フィルムをはがします。液晶の角から、偏光フィルムと液晶のガラスの間にカッターの刃を入れます。ガラスはカッターの刃よりも硬いので、液晶のガラスが傷つくことはありません。偏光フィルムが指で持ち上がるくらいまで、カッターではがしていきます。

偏光フィルムが指で持ち上げられるようになったら、偏光フィルムをはがしていきます。結構しっかり貼り付けてあるので力が必要ですが、無理をすると液晶が割れてしまうかもしれないので、力は必要ですが優しくはがしていきます。

偏光フィルムがはがれました。液晶表面には糊が残ってしまっています。この糊はIPAで拭き取れます。

IPAで糊を拭き取って、ツルツルピカピカになりました。

逆の手順で元に戻します。電源を入れると白い画面が表示されました。壊れることなく偏光フィルムをはがすことができました。
ひみつののぞき窓の製作
デザイン

アンティーク調の手鏡を参考にデザインしました。これをレーザーカッターで加工します。黒い線が刻印、緑と赤い線がカットするラインです。
レーザーカッターでカット

レーザーカッターでMDFをカットします。

続いて偏光フィルムをカットします。偏光フィルムには塩ビのように塩素の成分が入っていなので、CO2レーザーでカットしても有毒ガスが発生することがありません。
フィルムなのでCO2レーザーのパワーをかなり弱くしても切れます。この設定値は、レーザーを弱いパワーから徐々に上げていって、完全に切れる設定値を見つけてください。
組み立て

それぞれ切り出しました。これらを両面テープで貼り合わせます。

「ひみつののぞき窓」の完成です。
のぞいてみるよ
白い画面を「ひみつのぞき窓」でのぞくと...
映像が見えましたよ!動画が見れない場合にはこちら(YouTubeに移動します)。
うまくいきました。うまくいきました。
面白いでしょ。
今回は7インチのモニターでしたが、15インチのパソコン用のモニターでもやったことがあります。ただ大きいと偏光フィルムをはがすのがなかなか大変なので、初めて改造するなら小さな液晶がいいと思います。
電子POPはもともと動画を再生する機能が入っているので、mp4のファイルを入れておけばその動画をすっと繰り返し表示できます。PCモニターなど表示専用の場合、パソコンやRaspberry Piなどが必要となってしまいます。なので、電子POPだと単体で動画を再生できて便利ですね。
原理
光の偏光

光は電波の性質も持っていて、波のように強くなったり弱くなったりしながら伝わっていきます。海の波のようです。海の波は上下に変化しながら伝わっていきます。海の波のように、縦にだけ変動している光を垂直偏光といいます。変動する方向が90度傾いて横にだけ変動している光を水平偏光といいます。
普通の太陽光や照明光などの光は、縦と横だけでなく360度全ての方向に波が変動していて、基本的に偏光はありません。
偏光フィルム

偏光フィルムは光を変動の方向のうち、特定の向きの変動しか通さないフィルムです。
上のフィルムは縦の変動しか通さない、垂直偏光のフィルムです。

この偏光フィルムを2枚重ねると、面白い現象が起こります。上の写真の左は、垂直偏光と垂直偏光の組み合わせです。重ねても明るいです。
真ん中は、垂直偏光と、それを45度傾けた組み合わせです。重なり合っているところが少し暗くなりましたね。
右は、垂直偏光とそれを90度傾けた水平偏光の組み合わせです。真っ黒になりました。垂直偏光の光は90度傾いた水平偏光のフィルムを通ることができません。そのため、真っ黒になります。
液晶モニターの原理

液晶モニターは、背面に水平偏光のフィルムが、前面に垂直偏光のフォルムが貼ってあります(その逆もあるでしょう)。このままでは、水平偏光と垂直偏光の組み合わせなので、先程の写真の右のフィルムのように真っ黒になってしまいます。
そこで、これらのフィルムの間に液晶が挟んであります。液晶は電圧をかけない状態では光の偏光を90度ねじ曲げます。このため水平偏光の光が垂直偏光になって、前面の偏光フィルムを通過し明るく光ます。しかし電圧をかけると、このねじる力がなくなり、水平偏光のまま垂直偏光のシートに届きます。すると光が前面の偏光フィルムを通過できず黒になります。
このように、液晶モニターは液晶に電圧をかけ偏光方向を変えることで、明るさを変えています。
上の写真は、液晶モニターが割れて壊れている写真です。割れた部分が黒いですが、これは偏光フィルムどうしの間に挟んである液晶が壊れたり液が漏れて、光の偏光方向をねじ曲げることができないためです。そのため、水平偏光の光がそのまま垂直偏光のフィルムに当たり、光がフィルムを通過できずに黒くなっています。
タネ明かし

液晶モニターは、各画素の明るさは偏光の方向として表現されています。水平偏光の光は真っ暗、偏光が垂直に近づくに従って明るくなり、垂直偏光が一番明るくなります。
今回、前面の偏光フィルムをはがしました。各画素で明るさによって偏光方向が異なっているのですが、人間の目は偏光を区別する能力がないため、ただの白いモニターにしか見えません。

ひみつのぞき窓には、垂直偏光の偏光フィルムが取り付けられています。モニターから出ている偏光のある光が、偏光フィルムを通って偏光に応じた明るさに変換され、映像が見えるという仕組みです。
前面の偏光フィルムの偏光方向は、モニターによって異なります。今回は垂直偏光でしたが、斜め45度の偏光のモニターもあります。
ひみつのぞき窓を作る際には、偏光フィルムでモニターを見てみて偏光方向を確認してから作ってくださいね。


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