
DG12Bが搭載されていると思って入手した電卓に、DG12BではなくDG12Gが搭載されていたので詳しく調べてみました。
SHARP Compet 226R
ジャンク品として入手

入手したのはSHARP Compet 226Rです。動作するかどうかわからないジャンク品でした。

Compet 226Rと書いてあります。文字がかっこいい。

後ろに型番が書いてありました。正確にはCS-226Rという型番なのですね。
電源投入

試しにコンセントをつないで、スイッチをONしてみます。おおお!電源が入りましたよ。

キーが2重に押されてしまうという不具合はありますが、全ての桁が正常に表示できました。計算もできます。
分解

中を見てみましょう。これまで見てきたGD12Bが搭載されていた計算機よりも、だいぶ簡素化されています。

キーはキーごとにリードスイッチと磁石がモジュール化されて、量産しやすくなっています。

これまで見てきた計算機は、VFDの手前に計算用のICやロジックが実装されていたのですが、このモデルでは14ピン、16ピンの小さなICしか実装されていません。

TM4352はVFD用のディスプレイドライバICのようです。3つもあるので桁用のドライバでしょうか。そしてM58602は9本の抵抗が接続されているのでセグメント用のドライバでしょう。

VFDの背面には電源ユニットが収まっています。1つのトランスに複数の巻線が巻いてあり、さまざまな電圧を生成しているようです。

電源ユニットの下に計算用と思われるLSIが3つありました。
MA8612、MA8604-61、MA8605の3つのLSIがあります。

基板の背面の配線です。曲線で配線されているのがレトロでいいですね。

VFDがDG12BではなくGD12Gという型番でした。どういった違いがあるのか、後で詳しく調べてみたいと思います。

VFDを点灯させてみました。DG12Bとぱっと見ではフォントは同じように見えます。

7セグメントVFDとは違って、このシリーズのフォントは味があっていいですね。
見た目の違い

左がDG12B、右がDG12Gです。ぱっと見でDG12Gの方が高級そうな感じがあります。
表面の網目状のシート(グリッド)が、DG12Bのシルバーから、DG12Gではブラックになりました。ブラックになることでコントラストが上がり、視認性が上がっています。
フォントも少し太くなって、可読性が上がっています。

そしてなんと、4を表示するときの、右に飛び出る小さなセグメントが消滅してしまいました。お気に入りのポイントだったので、残念です。
フォントが合理化され可読性が上がり、1セグメント減って回路のコストも削減されたようです。
駆動電圧を調べる
電源電圧

電源モジュールからは、Vn、Vn'、H1、H2、FFout、VGGの6つの電圧が出力されています。テスターで測ってみると、
- Vn:-35.3V
- Vn':-49.1V
- H1:-35.3V
- H2:-35.3V
- FFout:-14.9V
- VGG:-14.9V
となっていました。

オシロスコープで電源の波形を見てみます。H1、H2はVFDのフィラメントのための電源で、-35.4Vを中心に位相が反転した交流波形になっています。H1-H2の波形が実際にVFDに印加される波形です。VFD13本のフィラメントが23Vppの波形で駆動されているのかもしれません。
Vnが-35.5V、Vn'は-48.8Vの直流となっています。
セグメントの電圧

セグメントの電圧がどうなっているのか、オシロスコープで確認してみます。

黄色の波形がセグメントの波形です。ダイナミック点灯していて1桁しか点灯していなので、細いパルス状になっています。点灯するときは0Vで、消灯している時にはVnの電圧になっています。Vnはセグメントをドライブするための電圧だったんですね。セグメントの電圧は-35.5Vであることがわかりました。
DG12Bでダイナミック点灯する時のセグメント電圧は40Vだったので、ほぼ同じ電圧ですね。
グリッドの電圧

続いてグリッドの波形を見てみます。VFDがONするときは0Vで、消灯するときはVn'の電圧になっています。Vn'はグリッドの電圧だったんですね。グリッドの電圧は-49Vということがわかりました。完全に消灯するように、セグメントの電圧-35.5Vよりも14.5Vも低い電圧になっています。
フィラメントの電圧

VFD1本分のフィラメントの波形を見てみます。

フィラメントは2.6Vppの交流波形で、実効値は0.96Vrmsであることがわかりました。
DG12Bのデータシートには0.85V±10%と書いてあります。フィラメント電圧もDG12Bと同じで良さそうです。
ピン配置

VFD用電源モジュールを使って、DG12G VFDの各セグメントを点灯させながら、ピン配置を調べていきます。
フィラメント電圧0.85V、グリッド、セグメント電圧を24Vとしました。

調べた結果は上の図のとおりです。4を表示するときに使っていた右に飛び出したセグメント(4ピン)と、'のセグメント(12ピン)は無接続となっていましたが、そのほかは全てDG12Bと同じピン配置でした。
このため、DG12Gの回路がそのまま使えます。
DG12GはDG12Bとほぼ同じ

DG12GはDG12Bよりも、視認性が良くなった上位バージョンのようです。
電気的にも互換性があり、セグメントが減りましたが、ピン配置は同じなので回路を変更することなく利用することができます。



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