太陽電池は当たる光の強さによって、電気の発電量が変化しLEDの明るさも変化してしまいます。そこで、LEDの明るさが一定になるように電気を安定化させる実験をしてみましょう。
前回の実験はこちらです。
使うもの
- 太陽電池
- ブレッドボード
- ミニチュアLED電球
- USBコネクタボード
- DCDCコンバーター
- ジャンパーワイヤー
- ねりけし
実験じゅんび
USBコネクタボードをさす
ブレッドボードにUSBコネクタボードをさしこみます。上の写真のように、VBUSと書かれたピンを、ブレッドボードの「1の行」の「aの列」(今後は1aと書きます)にさしこみます。
1aにVBUSのピンをさすと、1の行のb,c,d,eの穴はVBUSとつながる穴になります。同じように、4aにGNDのピンをさしたので、4の行のb,c,d,eの穴はGNDにつながる穴になります。
DCDCコンバーターをさす
これがDCDCコンバーターです。このDCDCコンバータには、暗くなったらONするための明るさセンサがついています。今回の実験では明るさセンサを使いません。そこで明るさセンサが常に「暗い」と判断するように、明るさセンサをねりけしでカバーします。
この明るさセンサは感度がいいので、すきまから入る光でも「明るい」とはんだんしてしまいます。すきまができないように、ねりけしをしっかりと基板に押し込んで、センサーをカバーしてください。
カバーすることでセンサーが「暗い」とはんだんして、常にDCDCコンバータが動作します。
DCDCコンバータをブレッドボードにさします。DCDCコンバータには、電気の入力(VIN)と出力(VOUT)があります。VOUTのマイナス(-)のピンをブレッドボードの3dにさしてください。
ジャンパーワイヤーをさす
ジャンパーワイヤーのピン-ピンの中から赤い線だけを使います。横へひっぱるとワイヤーが外れます。
ジャンパーワイヤーを、1eと4jにさします。こうすることで、DCDCコンバータのプラス(+)がUSBのVBUSとつながります。
太陽電池をさす
太陽電池をDCDCコンバータにつなぎます。太陽電池の赤い線を17jにさし、黒い線を17aにさします。
LED電球をさす
USBコネクタにLED電球をさしこみます。DCDCコンバータが弱い電気でもLEDが光るように変換してくれるので、部屋の明かりでもLEDが光ります。
もし光らない場合には、ねりけしを取り外して、丸てもう一度明るさセンサに貼り付けてみてください。
配線図
以上で、実験じゅんびは完了です。今回は、上の図のようは配線になっています。太陽電池で発電した電気をDCDCコンバータで電圧を一定にして、LED電球へ電気を送ります。
実験
太陽の光の当たるところへ持っていってみましょう。LED電球が光ります。
太陽電池に手で影を作ってみましょう。
少し影ができたくらいでは明るさは変わりません。
完全に光をさえぎってしまうと、発電しなくなってしまうので消えてしまいます。
太陽電池に多少影がかかっても、太陽が雲で隠れてしまってもLEDの明るさが一定になったと思います。
DCDCコンバータで電気を安定化することで、LEDの明るさを一定にすることができました。
DCDCコンバータとは
DCDCコンバータのDCはDirect Currentの略で直流を意味します。電池のように直流だけれど変動してしまう電気を、変動しない直流の電圧に変換(コンバート)するので、DCDCコンバータといいます。
実験に使っているDCDCコンバータは、2Vから12Vのはんいの電圧を3Vに変換することができます。太陽電池がよく発電して5Vの時は3Vに下げて、太陽電池の電気があまり発電せずに2Vの時は3Vに上げます。太陽電池の電気が3Vより高くても低くても、3Vを出力するために、LEDの明るさが一定になります。
DCDCコンバータの原理
コイルに電気を流すと磁気が発生して電磁石になります。DCDCコンバータも、コイルに電気を流して磁気を発生させています。その磁気を、決まった電圧になるようにICで調節しながら電気に戻します。電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して、磁気エネルギーから必要な量を電気エネルギーとして取り出しているのです。こうすることで、不安定な電圧が安定した電圧へと変換されます。
家の屋根についているソーラーパネルも、パワーコンディショナーという電気を安定化させる装置を使って、コンセントの電気に変換しています。DCDCコンバータは直流の電気を直流の電気へと変換していましたが、パワーコンディショナーは直流を交流へと変換しています。
次は、蓄電した電気も安定化させてみましょう。
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