
JPCAShowのPCBgogoブースでもらってきた透明基板のサンプルを組み立ててみました。
JPCA Show 2025

JCPA Show 2025は東京ビックサイトで開催された、基板の製造、実装、検査の装置やサービスに関する展示会です。
PCBgogoのブース

PCBgogoが出展するのは今年で2回目です。
去年いろいろ話を聞いた時の記事はこちら👇👇👇です。

おすすめはフルカラーのUVプリントした基板のようです。たくさんのサンプルが展示してありました。
PCBgogoのUVプリント基板って発色が良くてとても綺麗ですね。

面白い基板を見つけました。
肌色に見える基板は透明レジストを使った基板です。レジストが透明なので、銅箔の色がそのまま見えます。とてもユニークな基板が作れそうです。
その上にある紫色の基板は、蛍光色のシルク印刷の基板です。この基板をブラックライトに当てると、シルク印刷が浮かびがあるといった演出ができそうです。

UVプリント基板の中に、見覚えのある透明基板のサンプルがありました。昨年作った、電球型キーホルダーの透明基板です。
今回の展示会で、PCBgogoのサンプルとして採用されました。

PCBgogoでは日本での営業員を募集していました。報酬もあるとのこと。写真の左に写っている方はPCBgogoの社長さんです。この日突然お話しする流れになり、緊張のあまり何も言葉が出ませんでした。言葉が出ないっていうのを初めて体験しました。お時間いただいたのに申し訳ないです...
透明基板を組み立てる

せっかくなので、もらってきた透明基板のサンプルを組み立てたいと思います。
基板の比較

配られていたサンプル基板は、昨年作った基板から改良されていました。表面は変わらないのですが...

裏面もUVプリントになっています。これはすごい。
パッドの周囲ギリギリまでUVプリントされていますね。かなり位置精度良く印刷されています。
部品表
ID | リファレンス番号 | 名称 | 数量 |
---|---|---|---|
1 | C1,C2 | 2012M 22uF 25V | 2 |
2 | C4 | 1608M 100nF 16V以上 | 2 |
3 | R1 | 1608M 3.3MΩ | 1 |
4 | R2 | 1608M 120kΩ | 1 |
5 | R3,R4 | 1608M 100Ω | 2 |
6 | D1 | B5819WS | 1 |
7 | D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9,D10,D11 | 1608M 電球色LED | 10 |
9 | L1 | CR4018-100M 10uH 1.1A | 1 |
10 | U1 | MT3608 | 1 |
11 | U3 | TTP233H | 1 |
12 | BAT1 | CH28-2032LF | 1 |
組み立てに使用する部品のリストです。D1はショットーキーダイオードのSOD-323パッケージ耐圧16V以上あれば何でもいいです。コイルは4mm角のですが、秋月電子のチップインダクター 10μH1.1Aでもいいかもしれません。

LEDは表と裏に5個ずつ取り付けます。

こちらは裏面の回路の部分です。PCBgogoのサンプル基板は、シルク印刷の上からUVプリントしてあるために、シルク印刷が見えなくなっています。上画像のシルク印刷を頼りに実装します。C3は実装しません。
表面の組み立て

まずは表面から組み立てていきましょう。基板が動かないように、同じ厚みの基板で取り囲んで固定します。

表面のクリームはんだには、融点が183℃のCHIPQUIK TS391AX50を使います。

クリームはんだが印刷できました。

続いて部品を実装していきます。部品の実装には、ピンセットではなく吸着ピンセット HAKKO394を使います。

極性のある部品は、テープの中に同じ方向を向いて収納されています。そのため、テープから吸着することで必ず同じ向きに吸着でき、部品ごとに向きを確認して揃えるという手間がなくなります。

目的の場所に部品を置きます。

表面の部品の実装が終わりました。
ノズルにはこれを使っています。

熱風が庫内を循環して均一な温度でリフローできる、テスコムのコンベクションオーブンでリフローします。100℃→140℃→160℃→200℃と温度を変えてリフローします。

扇風機で冷却します。
裏面の組み立て

続いて裏面を組み立てます。裏面のクリームはんだは、表面よりも低い温度で溶ける物を使います。CHIPQUIK TS391LT50です。このクリームはんだは138℃で溶けます。表面のはんだの溶ける温度が183℃なので、裏面のリフローで表面のはんだが溶けることがありません。

裏面も部品も吸着ピンセットで実装しました。シルク印刷が見えないって、ちょっとかっこいいですね。

テスコムのコンベクションオーブンでリフローします。100℃→120℃→140℃→165℃と温度を変えてリフローします。

裏面も組み立てが完了しました。
完成!

タッチすると点灯するキーホルダーが完成しました。
PCBgogoのサンプル基板は、組み立てるとちゃんと動作しました!!(それはそうか)
タッチ電極のサイズが大きすぎて反応が悪いので、上の動画のように「Touch」と書かれた部分と、背面の電池を同時にタッチします。
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