
在庫がなくなってきたので、追加製造することにしました

ニキシー管を点灯させるには、170V前後の高電圧を作り出す電源が必要です。この電源モジュール「NixieDCDC」を自作してkohacraftのshopで販売しているのですが、在庫がなくなってきました。
これまでは自分で部品を実装していたのですが、これが結構手間なんです。そこで今回は、基板の製造だけでなく部品の実装まで一緒にお願いしようと思いました。
JLCPCBに基板製造と実装を発注
実装まで対応していて安価なJLCPCBに発注することにしました。
JLCPCBの実装サービスには「エコノミー」と「スタンダード」の2種類があります。エコノミーの方が安いのでエコノミーを選びたいところなのですが、問題がありました。エコノミーではV-CUT(基板を分割するための切り込み)が使えないんです。

NixieDCDCは10個を1枚の基板に面付けして製造しているので、分割のための加工が必要です。そこで以前の基板データを修正して、V-CUTからミシン目に変更しました。
もうひとつ問題があります。これまで入出力端子は、NixieDCDCを基板に直接実装できるように端面スルーホールも用意してあったのですが、エコノミーでは対応していません。またミシン目を追加すると、端面スルーホール加工ができなくなってしまいます。残念ですが、これは廃止することにします。
実装に関して、もうひとつ困ったことがありました。NixieDCDCのDCDCコンバータの制御にはPadaukマイコンを使っているのですが、この部品がJLCPCBのパーツリストにないんです。
しかもPadaukマイコンは、自作のプログラムを書き込んでから実装する必要があります。なのでJLCPCBに実装をお願いすることができません。そこでPadaukマイコンだけは、基板が届いた後に自分で実装することにして、それ以外の部品の実装はJLCPCBにお願いしました。
たった1週間で届きました

発注してからなんと3日で製造が完了し、発注から1週間で基板が到着しました。なんて早いんでしょう。JLCPCBの速さにはいつも驚かされます。
いざマイコンを実装!…ところがトラブル発生

届いた基板はPadaukマイコンだけが未実装です。そこで、未実装のパッドにPadaukマイコンを実装します。パッドにクリームはんだを乗せてマイコンを置き、いつものようにオーブンでリフローしました。
ところが…はんだの濡れ性が非常に悪く、全くはんだがパッドになじまないんです。1つの基板に10個のNixieDCDCがあるのですが、10個中10個とも完全に接触不良状態です。
どうやらパッドのはんだメッキの酸化が原因のようです。JLCPCBで実装する際にリフローされたことで、パッドが高温にさらされてはんだが酸化してしまっていたんです。酸化したはんだは新しいはんだをはじいてしまうので、うまくなじまなかったわけです。特に今使っている低融点鉛フリークリームはんだのBi系は特になじみにくいそうです。
酸化したはんだを入れ替えて解決!
解決策は、酸化したパッドのはんだを新しいはんだに入れ替えることです。

フラックスを塗ったパッドにクリームはんだをちょっとだけ乗せて、先が平坦なC型のコテ先のはんだごてを使って、はんだを薄く塗り直しました。これで古い酸化したはんだが新しいはんだに入れ替わります。

この処理をしたパッドにクリームはんだを乗せてマイコンを置き、もう一度リフローしてみると…今度はきれいにはんだが濡れて、いつも通りの仕上がりになりました。
JLCPCBで実装済みの基板に後から部品を追加実装するときは、こういった処理が必要になるんですね。ひとつ勉強になりました。
今回は基板の表面処理をHASL(鉛フリーはんだ)としましたが、ENIGだと金だから酸化しなくて、この処理は不要なんでしょうかね?今度やってみたいと思います。
動作チェックして完成

全てのマイコンを実装できたら、動作チェックです。

ポゴピンを下から飛び出させたジグを使って、電源入力端子と出力端子を接続し、5Vを供給して175V程度が出力されるかチェックします。

ニキシー管を接続すると、ちゃんと点灯することも確認できました。
テストするNixieDCDCがたくさんあるので、このポゴピンのジグを使った方法はとても効率的です。

あとはNixieDCDC10個分を1枚の基板から分離して、ピンヘッダと一緒に袋詰めして完成です。
NixieDCDCはshopで販売しています
簡単にニキシー管を点灯させることができるNixieDCDCは、kohacraftのshopで販売しています。ニキシー管工作をお考えの方は、ぜひ使ってみてください。今回の製作がみなさんのヒントになれば嬉しいです!




コメント