自作の回折格子分光器で、街の中にある黄色い光のスペクトルをあれこれ観察してみました。
観察に使った回折格子分光器はこちらで販売しています。

車のウィンカー
まずは車のウィンカーを観察してみましょう。回折格子分光器を覗くと...
520nmくらいから670nmくらいまで広いスペクトルなことがわかります。ピークは590nm程度でしょうか。黄色より少しオレンジや赤味のある色ということです。
ナトリウム灯
古いトンネルにある黄色の照明、ナトリウム灯です。
この光を回折格子分光器で観察してみましょう。
先ほどのウィンカーの広いスペクトルと違い、細いスペクトルが複数あります。
最も強いスペクトルは黄色の590nmです。この他に500nm、570nm、615nm、640nmの光が見えますね。
ナトリウム灯は、589.6nmと589.0nmの波長の光を発生します。観察に使った分光器は分解能が10nmと、これらを分離するだけ分解能がありません。このため590nmの光として見えました。
回折格子分光器の分解能は、正面に開いているスリットの幅で決まります。このスリットが狭ければ狭いほど、分解能が上がります。
現在のスリットの幅は2mmで、分解能は約10nmとなっています。これを0.1mmまで狭くすると、分解能0.5nmが得られます。でも0.1mmのスリットって作るのがちょっと難しそうですね。
スリットを狭くすると分解能は上がるのですが、スペクトルが暗くなってしまうというデメリットがあります。それほど暗くならず、分解能も10nmとそこそこ得られる幅として2mmと設計しました。
信号機
信号機の黄色い光を調べてみましょう。黄色は一瞬しか点灯しないので、観察がとても難しいです。
何度もトライしてようやく観察できました。585nmといったとこでしょうか。
ちなみに鉄道信号の黄色はどうでしょうか。東京駅の信号は終着駅なため、長い時間黄色が点灯するので観察がしやすいです。
585nmと交通信号と同じでした。
回折格子分光器で観察しよう
黄色い光でも、スペクトルはいろいろ違うようです。みなさんも街中の光のスペクトルを観察してみてください。意外な発見があるかもしれません。
観察に使った回折格子分光器はこちらで販売しています。

次回の記事は5/28公開「回折格子分光器で街中の青い光のスペクトルを観察してみました」
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