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回折格子分光器とLEDカラーチャートを作っています

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回折格子を利用した分光器と、色々な波長のLEDが実装されたカラーチャートを作ります。

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原理

回折格子分光器の原理

回折格子を使った分光器の原理は上の図のようになっています。スリットから入った細い光が回折格子に当たります。すると光が反射するのですが、反射する角度が色(波長)によって異なります。これにより、入ってきた光の色が分解されます。

ちょっと難しいですが、詳しくは上の式のようになります。

最終的に、

  • スリットから回折格子までの横の距離をxα
  • スリットから回折格子までの縦の距離をl
  • 回折格子の溝の本数をn
  • 波長をλ

とすると、波長λの光はxβの位置に反射されます。

この式を使って目盛を描きます。

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加工

レーザーカッターで分光器のケースを加工します。

ケースが切り出されました。

覗き穴に回折格子を貼り付けます。

ブロックを組み当てるように組み立てて、分光器の完成です。

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色々観察してみる

太陽光

太陽光のスペクトルを見てみましょう。

400nmから670nm程度まで綺麗に一様な広がりがあるスペクトルであることがわかります。

レーザーポインター

650nmの赤いレーザーポンタはどうでしょうか。レーザーポインタは直接見てはいけません。カメラで観察するか、ティッシュや白い紙などを間に入れましょう。

650nmのところが光りました。レーザーポインタの仕様通り650nmの光です。

530nmの緑色のレーザーポンタです。530nmの目盛りのところが光っていますね。

405nmの青色のレーザーポインタです。ちゃんと405nmになっています。

ピンク色のLED

今度はピンク色のLEDです。

青460nmと赤630nmくらいの2つの波長でした。

ニキシー管

ニキシー管ではどうでしょうか。

550nmの緑がかすかにあって、590nmや610nmなど細かなスペクトルがたくさん見られます。

その他、街中にあるいろいろな光を観察してみました。詳しくはこちら

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LEDカラーチャートを作る

分光器ので観察できるように、色々な色のLEDとネオン管の光のスペクトルが観察できる、LEDカラーチャートを作りたいと思います。上の写真のカラーチャートは以前作った物です。

この基板は背面に回路があって、表面にLEDが実装されている両面基板です。LEDも全部違う色で実装作業が結構大変だったんです。

そこで今回は、PCBgogoに基板の製造と実装までやってもらおうと思います。

この基板には、ちょっと特殊な波長の部品が付いています。505nmのエメラルドグリーンや、405nmの紫色、465nmの水色です。465nmの水色は特別に作ってもらった普通にはないLEDとなっています。

465nmのLEDを作ってもらった時の記事はこちらです。

あとは、ネオン管です。これも90V程度の低電圧で光るネオン管でないといけません。

PCBgogoでは部品の一部を支給することができる

PCBgogoでは部品の代理調達をしてくれますが、一部を日本から送ることもできます。そこで、特殊な部品は日本から送って、その他のをPCBgogoに手配してもらうことにします。

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データの用意

ガーバーデータ

2つ面付けした

基板は2枚を1つに面付けしました。この基板のガーバーを出力して保存します。

部品表(BOM)ファイル

Screenshot

KiCad JLCPCB tools」を使って実装に必要なファイルを生成します。

まずはBOMリスト

LCSCの部品リストを作る

「KiCad JLCPCB tools」を使ってLCSCの部品番号を調べながらリストを作ります。

リストができたら、PCBgogo指定のBOMリストに貼り付けていきます。PCBgogoのBOMリストは、こちらのBOMリストからダウンロードできます。

PCBgogoのBOMリスト

これがPCBgogo用のBOMリストです。日本から送る部品だけ、日本から送付と書いておきます。PCBgogoは完全日本語対応なので、日本語で書いてOKです。

座標データ

製造用データを生成する

部品を実装する座標のデータファイルを生成します。「KiCad JLCPCB tools」の「Generate」をクリック。

CPLというファイルが座標ファイル

jlcpcbのフォルダの中にproduction_fileというフォルダができます。その中のCPL...csvというのが座標ファイルとなります。

参考資料

実装時の参考資料

今回の基板の表面には見た目を重視して部品番号がありません。そのため、参考資料として部品番号とLEDの極性を描いた絵も添付します。

実装時の参考資料

背面は、ネオン管のリードの長さを2mm以下にしてもらうように書いておきました。

参考資料はガーバーと一緒にzipに圧縮する

参考資料は、ガーバーファイルと一緒にzipで圧縮します。

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基板の発注

それではPCBgogoに基板を発注しましょう。

基板仕様の設定

基板の製造仕様を設定する

基板のサイズと枚数を設定します。今回の基板は面付け基板なので、「加工方法」を「面付け」にします。「レジスト」を「黒」にします。

実装パラメータの設定

実装パラメータの設定

続いて部品実装のパラメータを設定します。

部品は一部こちらから支給するので「その両方」を選択します。

「実装枚数」に実装する基板の枚数を設定します。これは面付けされた大きな基板の枚数ではなく、子基板の枚数を設定します。今回は20個作って欲しいので20とします。

一枚分部品点数、SMT点数、DIP点数を入力します。

「面付け方法」は面付け基板なので「面付け」

「実装面」は両面実装なので「両面」です。

他の依頼事項に、一部の部品を日本から送ることを書いておきました。

カートに入れるをクリック

以上でパラメータの設定は完了です。右下の赤い「カートに入れる」をクリックします。

製造のアップロード

3つのファイルをアップロードする

これまで準備した、ガーバー+参考資料のzipファイル、BOMリストのエクセルファイル、実装座標csvファイルをそれぞれアップロードします。

確認をクリック

アップロードできたら、確認をクリックします。

レビュー

データのチェック(デビュー)が開始される

基板データのチェック(レビュー)が開始されます。

サプライヤーからの確認

お世話になっております。PCBGOGO営業部の○○○です。
注文番号:B81582ASP50+S-B81582ASP51

部品調達について、サプライヤーからの質問があります。
添付の部品調達表ご確認お願いします。

ご確認の程よろしくお願い致します。

翌日PCBgogoからメールがりました。エクセルファイルが添付してあります。

確認のエクセル

LEDに関して「黄色の見た目だけど光は白色だよいいですか?」という親切な確認でした。あとは部品の支給が必要ですということでした。全てに「Confirmed」と書いて送り返しました。

部品支給の注意事項

部品支給の注意事項

翌日、部品の送付先と一緒に「部品支給の注意事項」がメールで届きました。

1. 支給部品の袋に部品番号、部品型番、支給数量をご記載ください。
2. マウンター実装の時にロスが発生する可能性があるため、支給部品はできる限り備品をご用意ください。特に抵抗、コンデンサー、ダイオードなどは多めにご支給くだい。実装した後、通常、余剰部品は発送しません。ただ、IC などの高価な部品があれば、事前に営業担当に教えて頂ければ、部品を同梱発送することに対応可能です。
3. チップ部品はリール、トレイ或はスティック状態でご送付ください。
4. ※カットリールは、1本連続の 10CM 以上のものにしてください。
(同種部品を数本のテープにカットすることは NG です。)
5. ※マウンター実装はバラバラの部品に対応しません。

部品を多めに送ること、テープは10cm以上必要なことなどが書かれていました。

指定通り、部品番号、部品型番、支給数量を袋に書いておきます。

ここで問題が発生します。

用意していた405nmのLEDは10個単位にカットされているのです。それぞれの長さが4cmしかありません。このため、この部品はマウンターで実装することができません。

うーん。DigikeyとかMouserから入手すると、おそらく高すぎてコストが問題です。

もしかすると、Taobaoから部品を取り寄せてもらえるかもしれません。そこで、Taobaoで405nmのLEDを探して聞いてみます。

发光二极管

見つけました。LEDという名前のお店なので信用できるのではないでしょうか。

このお店のリンクと、購入する色をメールでPCBgogoに送ってみると、ここから入手してもらえることになりました。

インボイスを送る

6. 支給部品を当社に送ってくる時に、お荷物が税関に検査される場合は、送料の他に関税、通関手数料などがかかります。これらの費用はお客様よりご負担いただけますようお願い致します。
(実績から見ると、税関に引っ掛る場合、1 週間ほど滞在します。運送&通関の時間をご考慮ください。)
7. 部品が輸送中に破損されないように十分な緩衝材を箱に詰めておいてください。
8. 部品を発送する前に、インボイスを営業担当に確認させてください。
(お荷物に必ずインボイスを同梱してください。)

PCBgogoから届いた「部品支給の注意事項」の8にインボイスを先に送るよう書かれています。

そこで、発送ラベルを作るのと一緒にインボイスも作成します。

ラベルの作成とインボイスの作成は、国際郵便マイページサービスが便利です。

このページで、国際eパケットライトの宛名ラベルを作成し、内容品の欄を記入するとインボイスも一緒に作成できます。国際eパケットライトは書留機能があって安価に送ることができる発送方法です。

内容品の入力

内容品の入力のところで、1つ1つ部品を入力していきます。

内容種別は「その他」を選択し、内容品のところに「For my PCB assembly purpose only」と自分の基板に実装するための物であることを明確にしておきます。

インボイスの印刷指定で1枚に設定する

「税関通知書・インボイス」の欄で、インボイス印刷指定を「1枚印刷する」に設定します。

「有償/無償」は「無償」にします。

作成されたインボイス

以上で、発送ラベルとインボイスが作成されます。これら2つがセットになったpdfがダウンロードできるので、そのうちのインボイスだけをPCBgogoにメールします。

PCBgogoより:

ご連絡ありがとうございます、
インボイス確認しました。問題ありません。

問題がないということなので、郵便局で部品を発送し、追跡番号をPCBgogoにメールします。

PCBgogoより:

ご返信ありがとうございます。
部品発送の連絡ありがとうございます。こちらは配送進捗フォーロー致します。

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発注完了!

LEDカラーチャートの基板と実装の発注が完了しました。届くまでの間に、電池ボックスやスイッチのなど付属品の加工や準備をしておこうと思います。

PCBgogoは全てのやりとりが日本語で、何かあっても日本語で対応してくれます。日本人とやりとりしている感じですごいですね。

この記事で紹介している分光器はこちら👇👇👇で販売しています。

2025.5.17 追加 続きの記事「中国に送ったPCBAの部品が中国の税関に引っかかりました