
トランジスタを使ったRFノイズジェネレータを作りたいと思います。
トランジスタのノイズジェネレータ

上の回路はトランジスタを使ったノイズ発生回路です。トランジスタのエミッタに電源をつなぐと、ベースからノイズ信号が出てきます。面白い使い方ですね。
電源電圧はトランジスタのエミッタ-ベース降伏電圧(VEB BreakDown Voltage)よりも高い電圧にします。降伏電圧よりも高いので、降伏してしまいます。この降伏する周期や振幅がランダムなことから、ノイズの発生回路として利用できます。
回路
回路図

全体の回路は上の回路図のようになります。電源には、ICL7660によって3Vから11.2Vに昇圧した物を使います。
この電源をフィルタで平滑化した後に、トランジスタのエミッタに供給します。
ベースからノイズが出力されるので、20dBのRFアンプ2段で増幅し、出力します。
基板

こちらが製作した基板です。表面には、チャージポンプICのICL7660、トランジスタのBC546、RFアンプのAW5007が実装されています。

背面にはチャージポンプ回路が実装されています。
動作
波形を見てみる

こちらが出力波形です。ノイズっぽいでしょ。

1.3Vppくらいの振幅のノイズが出力されます。

オシロスコープ内蔵のFFTで周波数成分を見てみました。周波数的にフラットというわけではありませんが、500kHz〜100MHzくらいの帯域のノイズが出ていることがわかります。
電圧を変えるとノイズが変わる

トランジスタのエミッタには11.2Vを供給しているのですが、その電圧を変化させるとノイズの様子が変わります。上の波形は電圧を10V程度まで下げた場合の波形です。降伏する頻度が減ったのか、ランダムっぽくない波形になってしまいました。
電圧を上げると、今度は振幅が小さくなってしまいます。エミッタに供給する電圧は、ランダム波形がいい感じになるような電圧にする必要がありそうです。
またトランジスタの種類によってもノイズ具合が違うようです。今回は海外で評判の良いBC546を使いましたが、2SC1815でも使えます。
RFノイズジェネレータが完成しました

トランジスタのエミッタベース間降伏電圧を利用した、RFノイズジェネレータが完成しました。
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