PCBgogoから基板が到着したので、早速組み立てます。
基板はどう?
発注しておよそ1週間で基板とメタルマスクが到着しました。
この基板で一番気になるポイントは、フットプリントにミスが無くUSBコネクタが正しく実装できるかどうかです。USBコネクタを置いてみましたが、正常に実装できそうです。
USBコネクタは、基板の底面から0.65mm浮いた状態で実装されないといけません。そのため、基板の裏にシールを貼って、0.6mm厚の厚紙を貼り付けて底上げしてしました。
部品の実装
クリームはんだの印刷
ダンボールの上に基板を置きます。
メタルマスクを載せて、周囲に開けておいた穴にマップピンを刺します。穴の大きさは0.75mmです。こうすることで、メタルマスクと基板の位置がピッタリと合います。
メタルマスクの奥側にクリームはんだを載せます。クリームはんだには、低融点鉛フリーのCHIPQUIK TS391LT50を使っています。低融点なので138度で溶けるため、普通のオーブンでも簡単にリフローできます。さらにこのクリームはんだは常温保存できるので、冷蔵庫に入れておく必要がありません。またはんだの粒の大きさも中華製より1段階細かいので、狭ピッチのパッドも綺麗に印刷することができます。
このクリームはんだ最近秋月電子でも販売されるようになりました。
中華製で良ければ安価な物もあります。
先端がしなるパテナイフを使って、クリームはんだを手前に引き寄せながら印刷していきます。
正確な位置に、綺麗にクリームはんだが印刷できました。
部品の実装
クリームはんだの印刷ができたので、続いて部品を実装していきます。私はピンセットではなく、部品を吸着する電動バキュームピック HAKKO394を使います。
テープから直接部品を吸着して、
目的の場所に下ろして離します。ピンセットに比べて何倍も高速に実装することができますよ。
ノズルにはこれを使っています。

ノズルを吸盤に交換すれば、SOP ICも吸着できます。
使っている吸盤はこちらです。

SOP部品も実装できました。
全ての部品がHAKKO 394で実装できました。実装時間が劇的に短縮できるので、たくさん部品を実装する方にはおすすめの工具です。
リフロー
庫内に熱風が循環するコンベクションオーブンでリフローします。テスコムのオーブンは、加熱の途中でも温度設定を変更できます。
90度でプリヒートして、140度、165度と上げてリフロー終了です。
扇風機で冷却します。
捨て基板を外せば、基板の完成!
完成
アクリルパネルを取り付けて、プログラムを書き込めば、USB-C端子間短絡発見器の完成です!!
実験
VBUS-GND
端子間の短絡を模擬できる治具を使って、端子間の短絡が検知できるか調べます。まずは、VBUS-GND間です。
治具のVBUS-GND間にジャンパーピンを刺します。すると、テスタのVBUS-GNDの間のLEDが点灯しました。短絡を検出できています。一番左のVBUS-GNDのLEDも同時に点灯していますが、USBコネクタにはVBUS-GNDのペアが2組入っていて、お互いに接続されています。このため、どちらがが短絡すると両方短絡していることになります。
また実験なので、短絡を検知したら、シアン色のOKのLEDを点灯させるようにしてみました。本来は短絡がなかった正常な場合に点灯するLEDです。
SBU2-VBUS間
続いてその隣のSBU2-VBUS間です。これも正常に検知できました。
CC1-SBU2間
続いてその隣のCC1-SBU2間です。これも正常に検知できました。
D- CC1間
その隣のD- CC1間も正常に検知できました。
D+D-間
D+ D-間も正常に検知できました。D+ D-もVBUS-GNDのように2組のペアがあり、どちらも相互に接続されています。このため、D+とD-が隣り合っている全てのLEDが点灯します。
SBU1-D+間
正常に検知できました。
CC2-SBU1間
こちらも正常に検知できました。
VBUS-CC2間
最後にVBUS-CC2間です。こちらも正常に検知できました。
というわけで、全ての端子間で短絡があった場合、正常に検知できることがわかりました。
正常な機器
端子間の短絡のない機器をつないで実験です。機器をつないで赤いボタンを押します。
シアン色のOK LEDが点灯しました!
正常な物は正常と判断されます。
はんだブリッジやはんだボールのあるコネクタ
上記のようなコネクタに不良がある場合は…
どこが短絡しているかLEDで確認できます。
ついに完成
USB2.0 Type-Cコネクタの、端子間の短絡を検出できる装置が完成しました!
自分でType-Cコネクタを実装すると、はんだブリッジが不安だったのですが、これで自信を持ってUSBに接続できるようになります。
このキットはkohacraftのShopで販売しています。

作り方や使い方はこちらをご覧ください。
コメント