PCBWayからシアン色LED時計の基板が届きました。シアン色のシルク印刷をしたのですがどうでしょうか。
回路や基板を発注した時の記事はこちらです。
基板をチェック
今回の基板は、UVプリントを使ってシアン色のシルク印刷もどきにしてみました。本当にシアン色のシルク印刷みたいです。
矢印には明るさセンサが実装されます。このUV印刷がパッドのぎりぎりまで印刷されています。PCBWayがUV印刷を開始した直後の基板では、パッドから1.5mm程度は印刷されなかったのですが、現在ではシルク印刷同様、パッドのぎりぎりまで印刷されるよう改善されています。
印刷の位置精度が上がったんでしょうね。
部品のリファレンス番号の文字は文字高0.8mm、線幅0.15mmなのですが、かすれることなく綺麗に印刷されています。
UVプリントがシルク印刷の代わりにも使えることがわかりました。
こちらがメタルマスクです。表面と裏面と2つのメタルマスクを作ってもらいました。
実装1回目(表面の実装)
それでは、組み立てていきましょう。今回の基板は両面基板です。表と裏と順番に実装していきます。
クリームはんだの印刷
ダンボールに基板を乗せます。
あらかじめ開けておいた穴に、マップピンをさして位置合わせと固定をします。
表面のクリームはんだには、融点が183℃のCHIPQUIK TS391AX50という鉛クリームはんだを使います。
メタルマスクの奥側にクリームはんだを乗せます。
フレキシブルパテを使って、クリームはんだを手前に引き寄せながら印刷します。
クリームはんだが綺麗に印刷できました。
部品の実装
それでは実装してきましょう。
今回の基板がLEDを大量に実装しないといけません。そこで、基板上のLEDの向きを、手前がアノード、奥がカソードとなるように、LEDの向きを揃えておきました。
左側のテープに入ったLEDの向きも、同じく手前側がアノードになっています。
テープの中部品の向きと、基板に実装する向きを同じにしておくことで、途中向きを変えることなく、そのままの向きで吸着と実装できます。
テープからLEDを吸着して...
その向きのまま、基板に実装。
縦向きののLEDが終わったら、横向きのLEDを実装します。向きを揃えておくことで、部品の数はたくさんありますが、スピーディーに実装が進みます。
また、ピンセットではとてつもなく時間がかかってしまうでしょうが、吸着ピンセットを使うことで断然早く実装が完了します。
使っている吸着ピンセットはこれです。
ノズルにはこれを使っています。

リフロー
熱風が庫内を循環してムラなく加熱される、テスコムのコンベクションオーブンでリフローします。
上のグラフは、表面に使った鉛クリームはんだの温度プロファイルです。100℃でプリヒートして、150℃程度までゆっくりあげて、235℃に上昇させて終了です。
温度設定つまみを100℃→140℃→160℃→230℃と変化させてリフローしました。
扇風機で冷却します。
表面のLEDの実装が完了しました。
実装2回目(裏面の実装)
続いて2回目、裏面の部品を実装します。
クリームはんだの印刷
2回目に印刷するクリームはんだは、先ほどのよりも50℃も低い138℃で溶ける、鉛フリークリームはんだのCHIPQUIK TS391LT50を使います。
先ほどよりも温度が低いため、2回目のリフローの途中で1回目のはんだが溶けて部品が落ちるという心配はいりません。
フレキシブルパテを使って、先ほどのようにクリームハンダを印刷します。
マップピンを使って、基板とメタルマスクの位置合わせをしているため、USB Type-Cのような細かいパッドも正確な位置にクリームはんだが印刷できます。
実装
比較的大きな部品は、一回り太いノズルで実装します。下のリンクのノズルは黒、青、緑の順にノズルが太いです。黒は1005M、青は1608M、緑はそれ以上といった感じで使い分けています。

ICやESP32は、吸盤式のノズルを使って吸着します。

全て吸着ピンセットで実装しました。
リフロー
100℃→120℃→140℃→160℃と温度調節つまみを変更しながらリフローします。
扇風機で冷却します。
実装完了!
溶ける温度が183℃と138℃の2種類のクリームはんだを使うことで、両面基板の部品が実装できました。
次回はプログラムを作って、時計として動作させたいと思います。
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