前回作ったオリジナル7セグメントのシアン色LEDの時計を、基板化しようと思います。
前回の記事はこちらです。
回路図
前回は74HC595を使ってダイナミック点灯していたのですが、回路とプログラムの簡素化のため、ネオピクセルインタフェースのLEDドライバTM1926を使います。
ネオピクセルインタフェースのため、データ線1本だけで大量のLEDを点灯させることができます。1つのICで12セグ点灯できます。今回は30セグ点灯させたいので3つのICを数珠つなぎにして使います。
またこのICには、20mAの定電流ドライバが入っているので、電流制限のための抵抗も不要です。
ESP32は3.3V、LEDドライバは5Vと、電源電圧が違うのでデータ線にはレベル変換が必要かなと思ったのですが、実験の結果そのままつないでも大丈夫でした。2.8V程度までHighとして認識してくれるようです。
ネオピクセルインタフェースのLEDドライバを利用したおかげで、回路がとてもシンプルになりました。
アートワーク
LEDを配置
オリジナル7セグの遮光板のラインを緑色のUser.Eco1に読み込みます。そのセグメントの中にLEDを配置していきます。
基板の表は、LEDのみ配置します。
回路を配置
基板の背面に残りの部品を配置します。久しぶりに両面に部品を実装する基板を作ります。
配線
電源線とUSBのデータ線だけ手動で配線し、その他はオートルータで自動配線してもらいます。
完成
表面はLEDのみ実装します。
裏面にそのほかの全ての部品を実装します。
シルクもシアン色にする
この時計は特別なシアン色のLEDを使います。そこで、背面のシルク印刷もシアン色にしたいと思います。
シルクを書き出す
基板のシルク印刷のデータを、SVGとして書き出します。「ファイル」-「プロット」をクリック。
- 出力フォーマットを「Gerber」から「SVG」にします。
- 含めるレイヤーで「B.Silkscreen」を選択
- すべてのレイヤーにプロットするで「Edge.Cuts」を選択
- 裏面の情報は左右反転しているので「全般オプション」で「反転してプロット」をチェック
- 「プロット」で書き出し
背面シルクのSVGファイルが書き出されました。
シアン色に変更
全ての線をシアンLED色に変更します。
面付け
まとめて実装しやすいように、2つを1つの基板に面付けします。
シルク印刷のデータも2枚を面付けします。
発注データの作成
ガーバーファイルの生成
「ファイル」-「プロット」をクリック。
- 出力フォーマットを「Gerber」に戻します
- 出力ディレクトリを「gerbers」などフォルダを作りす
- ガーバーオプションの「Protelの拡張子を使用」をチェック
- 右下の「プロット」をクリック
- その左の「ドリルファイルを生成」をクリック
以上で、ガーバーデータが出力できます。
UVプリント用データの用意
面付けしたシルク印刷のデータを、基板のサイズと同じにします。今回の基板は100mmx 100mmなので、このデータも100mm x 100mmにします。
これを1200dpiのPNGに変換して保存します。
ファイル名を「UVPrint_Bottom_1200dpi_100x100mm.png」のように、背面に印刷することと、解像度、サイズを含めておきます。これは印刷のオペレータがわかりやすいようにするためです。
もう一枚図を作ります。これは、基板と画像の位置関係を示す図です。今回は、基板のサイズと画像のサイズが同じなので、そのことがわかりやすいように図で示します。
これを「UVPrintReference.pdf」として保存します。
ファイルたち
発注に必要なデータをまとめます。「gerbers」フォルダにはガバーファイルを入れます。「UVPrint」フォルダには画像データと位置関係を示すpdfを入れます。
これらの2つをまとめてzipに圧縮します。
PCBWayに基板を発注
UVプリント印刷基板を提供しているPCBWayに基板を発注します。
基板パラメータの設定
パラメータを設定します。今回の基板は面付け基板なので、「基板の種類」を「面付け」にします。
基板のサイズと枚数を設定します。
基板は白にしたいので「レジスト」を「白」にします。
そして今回のポイント、背面にUVプリントして欲しいので「UV printing Multi-color」を「Single-sided:Bottom」にします。
メタルマスクの設定
メタルマスクは枠があると重くて邪魔なので、「枠なし」にします。
今回は両面に部品を実装するため、両面のメタルマスクが必要です。そこで「メタルマスクサイド」を「両面(2シート)」にします。
そのままのサイズだととても大きいので、「その他特殊加工」の欄に120mmx120mmにカットするようお願いします。基板+20mmにカットしてもらうとちょうど良いです。
以上で設定は完了です。右下の緑色の「カートに追加」をクリック。
ファイルのアップロード
ガーバーファイルとUVプリントデータをまとめたzipファイルをアップロードします。そして、左下の「今すぐ注文する」をクリック。
レビュー待ち
PCBWayによるデータのチェック(レビュー)を受けます。普通の基板の場合は数分でチェックが完了するのですが、UVプリントデータがある場合は時間がかかるようです。
今回はレビューをパスするのに1時間40分かかりました。支払いへ進むため右下の「チェックアウトに進む」をクリック。
好みの輸送手段を選択し、右側のオレンジ色の「注文する」をクリックします。PayPalの画面が表示されるので、そこで支払いをして発注完了です。
基板データの発注完了!
シアン色のシルク印刷とても興味があります。綺麗に印刷できているでしょうか。届くのが楽しみです。
コメント